HomePod(第2世代)の音質に驚き。初代と聞き比べ。これは買い【先行レビュー】

  • 2023.02.01  2023.01.31

2023年2月3日に発売されるHomePod(第2世代)を発売に先んじて試用することができた。

正直なところ、筆者はオーディオのレビューをするのは得意ではない。常に「差違を見出せなかったらどうしよう?」「良し悪しが分からなかったらどうしよう?」と不安に思っている。

しかし、HomePod(第2世代)を試してみて驚いた! 進化しているだろうとは思っていたが、初代とはまったくレベルの違う音質を実現した、非常に優れたスマートスピーカーに生まれ変わっていた。すべてのiPhoneユーザー、iPad、Macなどのアップル製品を使う人に勧めたい。

段ボールの梱包はさらに工夫されており、開けやすいのに、商品がちゃんと守られている。

約2年ぶりの復活で、まったく新しいHomePodに

初代のHomePodは『高価なスマートスピーカー』という位置付けで、さほど人気を博していなかった。初代はUSで先行して2018年2月に発売され、日本では1年半後の2019年8月に発売された。日本で発売された頃には、多くの人は注目しなかったのではないだろうか? その前に1万円を切る価格のGoogle HomeやAlexaが行き渡り「スマートスピーカーの音質はこんなもの」という諦観が広まったのもタイミングが悪かったのではないだろうか? HomePodの音質はそれらのデバイスに比べればはるかに良かったのだが、日本で発売されても人気の火は再燃しなかったように思う。

これは日本に限ったことではなかったようで、早くも発売されて3年、2021年3月に初代HomePodは終売となっていた。

しかし、アップルは諦めてはいなかったようだ。

AirPods MaxやAirPods Proで、非常に優れた音質を実現し、空間オーディオなどの技術を熟成していった。初代HomePod以降の5年間で、アップルのオーディオデバイスに関する技術は非常に向上したように思う。

約2年ぶりに復活したHomePodは、外観こそ初代モデルとほとんど変わらないものの、音質は驚異的なまでに向上している。その音質の違いを、聞いてみた曲と共にご説明しよう。

ちなみに、本体サイズはほとんど変わらない(4mm低い)が、天面全面が光るとか、電源ケーブルが取り外し可能になったなと、実は違いは多い。

右が旧型。ユーザーがケーブルを取り外せるようにはできていなかった。

つやかなボーカル、音の分離がとても良くてクリア

幸いにも筆者は、リビングで初代のHomePodをステレオペアにして使っていたので、それと並べて交互に聞き比べることにした。

まずは、単体での音を体験するために、ステレオペアを解除して、それぞれ1台で聞いてみた。

最初に聞いたのは、Adoの『新時代(ウタ from ONE PEACE FILM RED)』

新時代(ウタ from ONE PEACE FILM RED)——Ado
https://music.apple.com/jp/album/new-genesis-uta-from-one-piece-film-red-single/1626392363

第2世代で聞くと、いきなり高音のボーカルがとてもクリアで驚いた。初代は低音が強力なのが魅力だが、同時にその影響か中音、高音の抜けが悪かった。第2世代では、ボーカルが非常に前に出ているような感じがしてツヤやかだ。

しかも、周囲の楽器の音の分離がよく、それぞれ別々の場所にくっきり分かれて定位し、曇りがない。

対して初代は、第2世代と比べるとクリアな感じがなくこもった感じがする。ベースやバスドラムの音など低音はしっかりすぎるほど響いて、それが初代の魅力ではあったが、中音や高音に大きな影響を与えていたことが分かる。

さらに驚いたのは、第2世代は単体でも十分にステレオ効果があることだ。それぞれの楽器がちゃんと別の方向から聞こえてくれる。初代の時は、『HomePodは1台でもいいが、できれば2台用意してステレオペアにした方がいい』と思っていたのだが、第2世代では絶対条件ではなくなっている。

これらの印象は、Tani Yuukiの『W/X/Y』や、Official 髭男dismの『Subtitle』を聞いても強く感じられる。

W/X/Y——Tani Yuuki
https://music.apple.com/jp/album/w-x-y/1567158346?i=1567158351

Subtitle——Official 髭男dism
https://music.apple.com/jp/album/subtitle/1648108987?i=1648108988

低音の迫力は従来のまま、こもり感がまったくなくなっている!

続いて聞いたのは米津玄師の『KICK BACK』。

KICK BACK——米津玄師
https://music.apple.com/jp/album/kick-back/1648272179?i=1648272180

疾走感ある強烈なベースから始まるが、初代だと強調され過ぎて違和感のあるこのベースがクッキリと分かれて迫力が伝わってくる。そこにさらに加速するスピード感をもってハイテンポで被ってくるドラム、ギター、ボーカルも、混じったり、悪影響を及ぼしたりすることなく、それぞれの音がハッキリと分かれて聞こえる。

NewJeansの『OMG』では重厚感あるベースの音に透き通ったボーカルは悪影響を受けていないことに感心した。クール・サウンズの『Like That』も聞いてみたが、いろんな方向から聞こえてくる電子音の位置がはっきり分かれて聞こえる。

OMG——NewJeans
https://music.apple.com/jp/album/omg/1659774531?i=1659774545

Like That——クール・サウンズ
https://music.apple.com/jp/album/6-or-7-more/1623249763?i=1623249765

ここで、両方のステレオペアを接続し、それぞれを2台にして聞き比べてみた。

初代はペアにすることで、ステレオ感が増してかなり音質としては改善する。第2世代は、単体でも良かったのがさらに大きく音の空間が広がる。特に『Like That』では、右から左から音が跳ね回って実に痛快だ。

初代より、はっきりと空間オーディオを体感できる!

さらに、ドルビーアトモス対応で新たに編集されている荒井由実の『中央フリーウェイ』を聞いた。もう、何十年の間に、おそらく何百回も聞いたはずなのに、空間オーディオのおかげでまるで新しい体験をしているように新鮮な気分で聞けた。ここでも、ユーミンのボーカルがまるで目の前で彼女が歌ってるかのように際立って聞こえ、それぞれの楽器の位置もはっきりと分かれて聞こえて、その間の空気が非常にクリアに感じられた。

中央フリーウェイ(2022 mix)——荒井由実
https://music.apple.com/jp/album/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4-2022-mix/1645023542?i=1645023797

スピード感のあるSEKAI NO OWARIの『Habit』でも、ミステリアスなMasego、ドン・トリヴァーの『Mystery Lady』でも同様。クッキリとクリアなボーカル、それぞれの音が混じり合わず、しっかりと別々に聞こえる。初代では他の音を曇らせてしまう低音が、同じような迫力を持ってるのに悪影響を及ぼさずに伝わってくる。

Habit——SEKAI NO OWARI
https://music.apple.com/jp/album/habit/1618345211?i=1618345214

Mystery Lady——Masego、ドン・トリヴァー
https://music.apple.com/jp/album/mystery-lady/1539193096?i=1539193098

映画やゲームにも、スマートホームのハブにも

HomePod(第2世代)の魅力はそれだけではない。

Apple TVと連携させて映画や、ゲームを楽しむこともできる。特に映画においてはドルビーアトモス対応なので、非常に迫力のある音響効果を提供してくれる。いくつかの映画をザッピングしただけだが、低音の効きの良さがすごく迫力を加えてくれるし、それでいて会話などもとても聞き取りやすい。

テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく(Appleオリジナル)

Siri搭載のスマートホームのハブとしても活用できる。新たに温度センサーと湿度センサーを搭載したことで、「28度を超えたらブラインドを閉める」とか、「湿度が60%を超えたらエアコンの除湿を動作させる」といった設定も可能になることだろう。

単体で4万4800円。ステレオペアで買うと8万9600円と安くはないが、iPhoneやiPad、Mac、Apple TVなどを使ってる方なら、十分にその価値はあると思う。それらのデバイスと組み合わせて使うのに、今、一番勧められるスピーカーだ。

(村上タクタ)

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