絶賛クラウドファンディング中のIMMOTOR BAY500
まず、製品について、簡単に整理しておこう。
IMMOTOR BAY500は、フォーカルポイントが輸入する製品で、10月25日から12月12日までGREEN FUNDINGで製品化のための支援を募っている。BAY500とBAY1000の2種類の製品が計画されているが、今回クラウドファンディングを行ってるのは543WのBAY500と同社製の100Wソーラーパネル。BAY500は10万0144円、ソーラパネルとセットで14万3968円だが、クラウドファンディングのULTRA EARLY BIRDなら、それぞれ6万9950円、8万9950円(以上、すべて税込)で入手することができる。
IMMOTOR BAY500
https://greenfunding.jp/focal/projects/6190
開発したのは、さまざまなバッテリー事業で大きな成功を収めているダニエル・ファンさん。昨今はキャンプや非常時用の大容量バッテリーが増えているが、IMMOTOR BAYシリーズがユニークなのは、スマホから充電量、給電量をモニターしたりし、さらに再生可能エネルギーでの充電をトークンとして蓄積するGPN(グリーン・パワー・ネットワーク)との連携を世界で初めて実現したこと。
ちなみに、今回キャンプしたのは、都心から2時間ほどの富士五湖のひとつ西湖のほとりにあるキャンプビレッジGNOME。カリフォルニアのベイエリアや東京湾などを意識した『BAY』という名にちなんで、水辺のロケーションを選んでみた。
完全オフグリッドで、インターネットしてみた
朝に都心を出て、昼過ぎにキャンプ場に到着。テントとタープを設営し、IMMOTOR BAY500とソーラーパネル、そして快適な速度でインターネットするために持ち込んだStarlinkを設置。快適なインターネット環境を確立して準備完了。早速、人工衛星経由でTwitterに設営完了を投稿した。
ThunderVolt流のワーケーションは、こうだ!
IMMOTORのバッテリーをソーラーで充電しつつ、人工衛星経由のWi-Fi!
IMMOTORはAC電源を供給出来るので、Starlink も使えます!#IMMOTOR #BAY500 #starlink pic.twitter.com/ahfvKsxNyC
— ThunderVolt(ガジェットとテクノロジーのメディア) (@ThunderVolt_mag) November 7, 2022
StarlinkはAC電源で駆動されるから、当然のことながらIMMOTOR BAY500のようなAC電源を供給できるバッテリーがないと使うことはできない。
そして、もうひとつこの日に学んだことだが、ResidenceタイプのStarlinkはそのままでは登録地以外の住所地では使用することができない。別途Portabilityという月額2800円の契約を追加すると、登録地を移動することができる。
無粋といえば無粋だが、美しい自然の風景の中で高速インターネットを使うことができるというのは非常に快適だ。こういう場所だからこそ思いつくアイデア、書きたいこと、見せたい映像がある。速度は実測で187Mbps出たので大容量ファイルのやりとりはもちろん、ビデオ会議だって可能だ。
IMMOTOR BAY500とStarlinkがあれば、どんなにインフラから隔絶した場所でも高速インターネットの恩恵にあずかれるというのは素晴らしいことだと思う。もちろん、筆者の場合は遊びやワーケーションが主な用途になるが、離島や山岳地などでも活用できるというのは便利だし、大規模災害時には大きな力になることだろう。地方自治体などが準備しておいてもいいのではないかというレベルだ。
冷蔵庫や電気ブランケットも使える
さて、日も傾いてきたから夕食の用意を。
食材は冷蔵庫として使えるクーラーボックスに入れてある。季節柄、そこまで必要性は高くないが、夏のキャンプなどでは非常に役に立つに違いない。ちなみに稼働している状態で、45Wの電力を消費していたので、これだけを動作させるのなら、15時間ぐらい稼働できそうだ。
IMMOTOR BAY500が供給できるのは500Wなので、電気ごたつやホットプレートなどのあまり大きな電力を消費する機材は使えない。ここは後日登場するIMMOTOR BAY1000に期待することにしよう。
ちなみに、IMMOTOR BAY500でも電気ブランケットぐらいは動作させることができた。冬のキャンプでは役に立ってくれそうだ。
夕食はワイルドに焚き火で調理することにした。ダッチオーブンでローストビーフを作り、海鮮を焼き、ポトフを作ってお酒を飲んだ。楽しい夕べだった。
一番のメリットはLEDライトを使えること
テントの設営、撮影、料理……とタスクが多かったので、料理ができた頃にはすっかり日が暮れてしまっていた。それでも困らなかったのは、IMMOTOR BAY500でLED照明を使うことができたからだ。
そもそも『キャンプに電源なんて要らない』と思っていた筆者が一番役に立つと思ったのはこのLED照明だ。
もちろん、コールマンのランタンにホワイトガソリンを入れて、シュコシュコポンピングして灯をともすのもキャンプならではの楽しみだ。しかし、今回のようにタスクが多いと、時間がかかるのは難儀だし、やはり瞬時に点灯、消灯できるのは何かと便利だ。
ついでに、クリスマスツリーの飾りのように点滅するLEDも用意していったので、非常に楽しげなテントサイトになった(あまりに賑やかにして、周りのサイトの人に迷惑をかけないようにしなければならないが)。
また、電源とWi-Fiがあれば、HomePodのようなスマートスピーカーを使って音楽を流したり、プロジェクターを使って映像を楽しんだりできる。発想次第で可能性は大きく広がる。
満月の下、夜が更ける西湖のほとりで焚き火に当たりながら、ワインを傾け、その様子をMacBook Proからtweetした。せっかくの環境を満喫した方がいいのはもちろんだが、こういう環境だからこそ湧いてくるアイデアもあるし、できる仕事もある。
家族のスマホもまとめて充電できる
夜が更けて、スマホのバッテリーが心もとなくなってきたが、IMMOTOR BAY500があればその点も安心。
筆者が、モバイルバッテリーを欠かさないようにしているのはもちろんだが、家族や友人まで『タクタならバッテリーを持ってるだろう』と勝手に当てにしているのは困りもので、キャンプに行くとたびたびモバイルバッテリーの電力が枯渇することがあった(それに備えて多めに持って行ってはいるが)。IMMOTOR BAY500があれば、そんな心配は不要だ。
電気ポットでお湯が沸かせる便利さ
さて、翌朝。日ごろの行いのおかげか、早朝から晴天。
湖畔に宿泊していたので、非常に美しい風景を見ることができた。
冬の冷たい空気が、相対的に温かい湖面の水に触れて、蒸発する水蒸気が湯気のようにたゆたう『気嵐(けあらし)』という現象を見ることができた。朝からラッキーだ。
とはいえ、寒い。
いつもだったら、焚き火を起こしてお湯を沸かしてコーヒーを淹れなきゃいけないところだが、IMMOTOR BAY500があるキャンプでは、なんとお手軽に電気ポットを使ってお湯を沸かすことができる。
コーヒーを淹れ、インスタントのコーンポタージュを作った。山容から日が昇るまでに、素敵な朝食を作ることができた。
なんと実測80W以上! 天候が良ければ5〜6時間で満充電!
昨夜、ガンガンに電気を使い、さらにはテントの外の灯りは点けたまま寝てしまったので、さすがに1台のバッテリーは空になってしまっていた。そこで、ソーラーパネルを広げてIMMOTOR BAY500を充電することにした。
冬の早朝でもなんと、68Wで充電。さらに、日が昇りはじめると、80Wを超える電力を供給できるようになった。
筆者は、12年ほど前にソーラーバッテリーを使って、スマホを充電するのさえ時間がかかるのにガッカリし、以来、ソーラーパネルにはあまり期待していなかったのだが、最近のソーラーバッテリーがこんなに高効率だとは知らなかった。この状態だと7時間でIMMOTOR BAY500は満充電になるという。
(IMMOTORのアプリは本来スマホで使うものですが、撮影の都合上今回はiPad miniで使った)
このソーラーバッテリーの公称出力は100Wとのことなので、もっと太陽光の強い季節なら5〜6時間でIMMOTOR BAY500を満充電にできるということになる。つまり、晴れてさえいれば、昼間のうちに毎日充電して、夜にバッテリーを使いながら連泊することができるということだ。これは、山小屋、離島や被災地などでも非常に心強いスペックに違いない。
オフグリッドで、物思いに耽りたいあなたに!
キャンプに電力が必要かどうかは意見の分かれるところだと思うが、今回初めて使ってみて、その大きな可能性に心動かされた。
大自然を満喫する時間を作るために、また、その環境でしかできないことをするためにIMMOTOR BAY500とソーラーパネルを持って行くのはアリだと思う。
さらに、IMMOTOR BAY500とソーラーバッテリーは太陽光で充電することで、トークンも供給してくれる。リモート環境での自由を得るために、これらを導入するのは非常に意義深い選択だと思う。
IMMOTOR BAY500
https://greenfunding.jp/focal/projects/6190
(村上タクタ)
撮影協力:キャンプビレッジGNOME https://www.hamayouresort.com/gnome/
PHOTO:Y.HIGUCHI 樋口勇一郎
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