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『冷感ナイトウェア』を標榜するフリーズテックのパジャマは本当に涼しいのか?

7月の初頭、寝苦しい夜が続いている時に、『自分の汗で涼しく寝られる、地球と身体に優しい新世代パジャマ フリーズテック冷感ナイトウェア』という発表会のご案内を、いつもお世話になっている広報代理店さんからいただいた。

いつもなら『ThunderVoltの守備範囲とは少し違うかな』と思ってスルーするところだが、7月初頭の夜、なにしろ暑くて寝苦しかったので、「涼しく寝られる方法があるのなら……」と藁にもすがる思いで取材に行ってしまった。

-1.4度って、どのぐらい涼しいの?

テクノロジーの変化は著しい。最近では衣類にもテクノロジーが導入されており、ゴアテックスなどの防水加工や、ユニクロのヒートテック、登山用のウェアなど、さまざまな衣類にテクノロジーが使われている。

とはいえ、『着ていると涼しい』という衣類はなかなかない。最近は気温が非常に高いが、身体をそれより冷却するというのは難しいように思う。プレスリリースには、触ると冷たく感じる『接触冷感生地』に『氷撃プリントテクノロジー』という印刷を施すことにより、『接触冷感』『気化熱冷感』『冷感プリント』トリプル冷感テクノロジーを実現した……と書いてある。が、もうひとつ、分かったような分からないような話だ。

氷撃冷感プリントは汗や湿気などの水分に反応して生地温度を下げるのだという。

しかし、リリースを読んでも「-1.4度の冷感を実現! 」と書いてあるが、最低気温27度の熱帯夜では、1.4度下がっても25.6度になるだけだから焼け石に水な気がする。

そこで、代理店さんに「もし、効果を感じられなかったら、申し訳ないけど記事を書きませんからね」と言っておいてから発表会にお邪魔した。

あえての7分丈

発表会会場で生地に触ってみるとたしかに、すこしヒンヤリとした感じはする。

説明を聞くと、発汗して水分がある状態でエアコンや扇風機の風が当たるとさらに涼しくなるのだという(なんか当たり前な気もするが、より涼しく感じるのだろう)。夏のナイトウェアだが、あえて上下7分丈にすることで、『氷撃冷感プリント』が肌に当たる面積をより増やしているのだという。

布地の肌触りは柔らかく、ボタンを無くしたデザインでウェストの縛りも強くない。首元はスリットネックで、全体にゆったりとしたデザインとなっている。

ちなみに、サイズは男性用も女性用もそれぞれMとLの2サイズ。色はライトブルーのみで1万1990円(税込)となっている。

フリーズテック冷感ナイトウェア
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000077697.html

寝るためには深部体温を下げる

興味深かったのは、登壇されたスリープトレーナー・ヒラノマリさんのお話。

アスリートのスリープトレーナーをされているとのこと。たしかに、飛行機移動、各地の合宿所や、競技場近くなどで宿泊が多いスポーツ選手にとって睡眠ってとても大事だろう。むしろ、これまで睡眠という側面にあまり注目されてこなかったのが不思議なぐらいだ。筆者はラグビー観戦が趣味なので、ヒラノマリさんが指導されている選手の中に、NTTコムの金正奎選手が入っていたので、がぜん信じる気になった(笑)

で、ヒラノマリさんがおっしゃるには、良い睡眠のためには深部体温が下がる必要があるのだそうだ。深部体温とは皮膚表面の温度ではなく、脳や内臓の温度とのこと。夜寝る4時間ぐらい前からこの深部体温が下がりはじめ、寝てる間に低い深部体温が維持されることによって、臓器や筋肉、脳が休むのだそうだ。

深部体温を下げるためには、室温があるていど低く、かつ湿度も低めに抑えられている必要があるのだそうだ。

薄着で、エアコンの風が直接皮膚に当たったりすると、汗が蒸発して表面温度は下がるが、その後、汗が出なくなるので深部温度が下がらなくなる。だから、長袖長ズボンのように体表を覆った状態で、深部体温も一緒に下げた方がいいのだという。

また、冷房の風が直接身体に当たると毛細血管が縮まり、血液の循環が悪くなることで代謝が悪くなり、疲労物質が体外に排出されにくくなり、だるさに繋がるのだという。みなさんも経験があるのではないだろうか?

また、エアコンが効いた場所と屋外の暑い場所を往復することが多いと、内臓やホルモン分泌、体温、血行などを制御している自律神経にストレスがかかり、これが秋口の不調などにも繋がるのだそうだ。

フリーズテック冷感ナイトウェアの効果のほどはさておき、夏の寝苦しさや、エアコンを使って寝た時のダルさについて、いろいろと理解が深まった感じがした。

趣味の時にも使える

たまたま、筆者はナイトウェアの発表会に呼んでいただいたが、実はこのフリーズテックを出しているリベルタ社は、スポーツウェアや、ワーキングウェア、インナーなどにこのテクノロジーを使ったウェアを色々販売しているのだそうだ。

フリーズテック
https://lidef.jp/freezetech/

また、スプレー式の衣類用冷感ミストや、冷感マスクなども販売している。

筆者が特に気になったのは、趣味用のインナーだ。

筆者はバイクに乗るのだが、プロテクション用のレザースーツが欠かせないのに、熱いエンジンを抱きかかえなければならないバイクは非常に暑い。ことに最近の温暖化により、夏にバイクに乗るのは苦行と化している。もし、冷感スーツで冷えるのなら、ぜひ使ってみたいと思う。

また、筆者は、日々ランニングもしているので、特に体温がこもる夏のランニング時(ものすごい汗をかく)に身体を冷やしてくれるウェアがあればいいのにと思う。機会があれば試してみたい。

実体験レポートはしばしお待ちを

で、一番大事な、この冷感ナイトウェアを着て、寝た場合の結果はどうだったのか……なのだが、取材用のウェアを受け取ってから、なぜか熱帯夜はピタリと収まり、比較的寝やすい夜が続いている。

着心地が良くて、締めつけられる部分がないので、寝やすい。意外と露出している部分が少ない方が、身体の温度が安定している感じがして寝やすく、朝起きてからもダルさが少ないような気はする。

つまり、非常に快適に寝られているのは確かだ。

しかしながら、7月初頭のような蒸し暑さはないので、なんとも分からない。もしかして、ああいう夜がやってきたら、やっぱり寝苦しく感じたりするのかもしれない。

また、熱帯夜がやってきたら、効果のほどはレポートできると思う。それまで、しばしお待ちいただきたい。

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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