『デッドプール』新作公開中! LiLiCoの激推し映画で酷暑を乗り切る

夏真っ只中! わたしは、雑誌「昭和45年女」がウェブメディア「Dig-it」と合体してからしばらくコラムを書かせてもらってますが、映画コメンテーターとして『王様のブランチ』で23年間、毎週映画紹介をしてるのに、ここでは『ファイアバード』の対談くらいしかしてない。あのときは、来日した監督とキャストにステキなお話を伺えました。11月には配信される予定です。そんなことを考えながら、この連載で久しぶりに映画紹介もいいかなぁと思い立ちました。それに、今年の夏の暑さは異常です! 涼しい映画館があなたを待ってます。

大人気シリーズ第3弾であのキャラクターが復活!

今すぐ行きたい! 夏にふさわしい映画を楽しみたい! ポップコーン買って気楽に楽しみたい! しかも待てない! そんなあなたにぴったりな公開中の作品をセレクトしました。大作と小粒で行きましょう。

デッドプール&ウルヴァリン

(L-R): Ryan Reynolds as Deadpool/Wade Wilson and Hugh Jackman as Wolverine/Logan in 20th Century Studios/Marvel Studios’ DEADPOOL & WOLVERINE. Photo by Jay Maidment. © 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.

『デッドプール』シリーズ3作目が7月24日から公開中です! 今までの2本(2016年公開『デッドプール』/2018年公開『デッドプール2』)もヒットしてますが、今回はそれらを上回っているのでは? なんてたって、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンが登場! ウルヴァリンは、『X-MEN』シリーズ(2000年〜)を中心に、過去にいろんな形で描かれてきましたが、すべてヒューが演じてます。『LOGAN/ローガン』(2017)でこの役を卒業したヒューだけど、今回、奇跡のカムバック! 今作では、脚本のおもしろさと、デッドプールを演じるライアン・レイノルズとの関係性がうかがえます。実際に、2人が住んでるところはニューヨーク市内で近所らしい。お互いの家を行き来する仲のよさ! 2人の信頼関係がこの作品をよりよいものにしてくれていることとは、観るとすぐに感じとれます。

Ryan Reynolds as Deadpool/Wade Wilson in Marvel Studios’ DEADPOOL & WOLVERINE. Photo courtesy of Marvel Studios. © 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.

さて、マーベルやヒーローものに興味のない方、今まで『デッドプール』を観たことがないあなた。今作はそんなあなたでも楽しめる、分かりやすいストーリーになってますが、ここは『Dig-it』ですよ! 物事を深掘りしている皆さんですよね? マーベル好きならば200%総快な気持ちになること間違いない。

20世紀フォックスからディズニー映画に移籍した『デッドプール』にとって、今作はかなりトリッキーなチャレンジだったのかも? 下ネタ満載でディズニーは大丈夫か!? と心配する声も届いていましたが、そんなことを逆手にとって、ディズニーのイジリ、他の大手映画会社の作品もイジリまくって、ヒューとライアンのプライベートライフも、今までのキャリアもイジリ……。だから、まさに深掘りが大好きなみなさんにぴったり。

Hugh Jackman as Wolverine/Logan in 20th Century Studios/Marvel Studios’ DEADPOOL & WOLVERINE. Photo by Jay Maidment. © 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.

ヒューがミュージカルに出演してるのは有名な話。トニー賞だって受賞してます。そんな過去のミュージカル出演のことをおもしろくイジるシーンがあります。流れてくる音楽は全部ヒューがやったミュージカルの代表曲! 『グレイテスト・ショーマン』の映画バージョン(2018年)ももちろんあって、懐かしい『グリース』まで! さらに、ミュージカルナンバーだけではなく、音楽は全般的にカッコ良く使われていて、マドンナの「Like a prayer」の許可をいただきに、ライアンが直接交渉に行った話が以前から話題になっています。マドンナ自らアイデアまで出し、それを採用したとも話してます。

とにかく、マーベルが大好きな方であっても、ネタの数が半端ないので何度でも観に行きたくなります! あのヒーローもこのヒーローも登場します! 知らないあなたはきっと、様々な過去のマーベルが観たくなるでしょう。洋画ってやっぱり良いなぁと思わせてくれるブロックバスタームービーです。劇場によってはScreenX(3面マルチプロジェクション)でも観られます。270度スクリーンに囲まれる迫力は圧巻! スクリーンが横まで伸びてるとそこを観ちゃったりしない? と思うかもしれないけど、これが不思議と、横にあるからこそ前に集中できててしまう魔法。

●デッドプール&ウルヴァリン

公開中/監督:ショーン・レヴィ/出演:ヒュー・ジャックマン、ライアン・レイノル/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

https://marvel.disney.co.jp/movie/deadpool-and-wolverine

https://marvel.disney.co.jp/movie/deadpool-and-wolverine

© 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.

イタリア映画祭2023で大反響の傑作ラブコメリメイク版公開中。

映画には様々なタイプがあります。大劇場で上映するハリウッド大作もあれば、ヨーロッパ映画も小規模ながらに頑張ってます。

そんななか、今すぐに映画館に行きたいあなたにどうしてもチェックしてもらいたい公開中のイタリア映画があります。

『幸せのイタリアーノ』

これは、フランス映画『パリ、嘘つきな恋』(2018年)のイタリア版リメイク。主人公は49歳のプレイボーイ・ジャンニ。49歳です。50歳ではない。それがジャンニの大きなこだわり。プレイボーイらしく、会社では同僚にどんな女性をここ数日以内にナンパしたのかを自慢するのが最大の楽しみ。同僚たちもそれらを聞いて、ジャンニを立てて、褒める。優越感に浸りながらジャンニは毎日楽しく生きてます。こうして聞くとかなり引きますが、彼は仕事もできます。有名シューズメーカーの社長で、おまけになかなかハンサム。

楽しく過ごす彼でしたが、母親が突然亡くなります。彼女が暮らしていた家に行って、遺品の整理をしていたら、そこにはお母さんが使っていた車椅子が…。ふと腰を下ろしたそのとき、新しく同じ建物に引っ越して来たアレッシアが入って来る。アレッシアはてっきり初対面のジャンニが車椅子の生活だと思い込んでいろいろシンパシーを感じた様子。本当は歩ける、と言うタイミングを完全に失ってしまったジャンニ。おまけにアレッシアはとびっきりの美女! これは……ナンパするチャンス! と嘘を隠すためにまた嘘をついてしまう真のプレイボーイの性。

わたしの実家に来てね、とアレッシアに誘われたジャンニは彼女をモノにできると思い、喜んで行くものの、そこに彼女の姉・キアラが現れます。ヴァイオリニストで車いすテニスにも情熱を注ぐ美女の彼女と出会い、時が止まります。ここからどんどんジャンニが嘘をついて、どちちを手に入れたいのか、自分のことまでわからなくなってしまいます。テーマが重そうに見えてもコメディタッチで描かれていますので、ハートフルです。また、アレッシアのお母さんがなかなか鋭い視線でジャンニを見つめています。

わたしの好きなシーンは、ジャンニがキアラを自宅に呼んでふたりでディナーをする場面。ディナーの途中で床が下がって、水がどんどん流れ込む。プールになります。プレイボーイの自宅って感じで、ニタニタしてしまいました。これはカッコいいわ。自分だったら惚れるか、大爆笑するか、そのどちらかでしょうね。

ジャンニを演じるのはピエルフランチェスコ・ファビーノ。どんな役でもこなすイタリアのベテラン俳優。イタリア映画にいままで触れて来なかったらこういうハートフルな作品から深掘りしてみては?

●幸せのイタリアーノ

公開中(シネスイッチ銀座他にて全国順次公開)/監督:リッカルド・ミラー二/脚本:フーリオ・アンドレオッティ、ジュリア・カレンダ(フランク・デュボスク監督・脚本の映画『パリ、嘘つきな恋』に基づく)/音楽:ピエル二コラ・ディ・ムーロ/製作:マリオ・ジャナーニ、ロレンツォ・ガンガロッサ/出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ミリアム・レオーネ、ピエトロ・セルモンティ、ヴァネッサ・スカレーラ、ピラール・フォリアティ、アンドレア・ペンナッキ、カルロ・デ・ルッジエーリ、ジュリオ・バーゼ、ピエラ・デッリ・エスポスティ(友情出演)、ミケーレ・プラチド(特別出演)/配給:オンリー・ハーツ

http://cdt.onlyhearts.co.jp/

http://cdt.onlyhearts.co.jp/#Trailer

©2020 WILDSIDE-VISION DISTRIBUTION

洋画の魅力をもっともっと伝えていきたい。

最近の邦画人気はとても高く、日本のアニメーションも素晴らしい! でも、洋画からたくさん学ぶこともあります。スケール、そして英語で観ることによって耳も慣れて英語の勉強にもなる、世界中の方とその映画の話で盛り上がることもできます。日本人に洋画を愛いしてほしいのがわたしの願い。そんな思いが通じて、先日わたくし淀川長治賞を受賞しました。過去に字幕翻訳家の戸田奈津子さん、真田広之さん、ジャッキー・チェンさんが授賞式してます。

受賞してから映画の世界にさらにどっぷりと浸かり、もっともっとみんなに映画を観て欲しい気持ちが沸きました。映画館が賑わってくれることがみんなにも伝わるんですよね。世の中全体的に活気が良くなります。カッコ良く、遊び心満載に、『デッドプール』のようにこの夏を乗り越えましょう!

この記事を書いた人
LiLiCo
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LiLiCo

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

昭和45年(1970年)11月16日生まれ、スウェーデン・ストックホルム出身。1989年に芸能界デビュー。以降、映画コメンテーター、タレント、女優、プロレスラーと幅広い活動を展開。レギュラーは『王様のブランチ』(TBS系)、『ALL GOOD FRIDAY』(J-WAVE)など。
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