2ページ目 - アメリカ空軍博物館にも行ってきた! フライトジャケット塾・亀屋塾長とゆくアメリカA-2紀行【前編】

さあ、気になるウォーバードゾーンへ

亀屋塾長とモヒカン小川のお目当ては、第二次世界大戦で活躍したウォーバード……だったはずが、そのブースの入り口に、A-2の展示を発見。そこにはA-2だけでなく、空軍パイロットの装備品の変遷が展示されている。

「こういう装備品て、航空機の発達と密接に関わっているから、見ていて面白いよね」と亀屋塾長。確かに、黎明期のオープンコクピットの時代は、風邪と寒さにさらされるため、腰まで覆うあびえーターコートが主流だったが、クローズドキャノピーになったおかげでA︲2なども誕生したと言える。その展示ブースには、バックペイントが施されたA-2が多数展示され、亀屋塾長も大興奮。

「バックペイントって、軍にいた絵心のある人が描いていたと思うんですが、上手いものもあれば、ちょっと下手なペイントもある。でも、そこが面白いんですよね。味があって、当時の兵士の息遣いを感じられます」

確かに、アメリカ空軍博物館には、多くのA-2が展示されているが、お世辞にも上手いと言えないものも多い。でも、そのリアルさがこちらの胸を刺す。どんな想いでそのペイントを描いたのか、どんな気持ちをA-2に託したのか。ここにはA-2だけでなく、B-10などのコットンフライトのカスタムモデルも展示されていた。経年で、どんなふうに褪色し、革が割れ、プリントが掠れていくのか……この展示を見ているとエイジングの勉強にもなる。亀屋塾長も同じことを思ったようで、いろんな写真を撮っている。

「やっぱり、時間の経ったA-2って色気がありますよね。革のエイジングももちろんですが、ペイントの割れやリブの褪色、虫食いなど、時間でしか完成しない色香があります」

そう語る亀屋さんも、バズリクソンズのカスタムA-2を着ている。確かに展示物と比べればまだまだかもしれないが、それでもペイントが掠れ、革にはシボや皺が刻まれ、十分に色気を発している。フライトジャケット、特にA-2などのレザー製フライトジャケットは、着用者の形を記憶し、皺や傷というかたちで歴史を刻んでいく。亀屋塾長とモヒ小川は、長時間、戦士たちのA-2に見入った。

空軍博物館は、みんな飛行機を見にきているので、誰もこのA-2ブースには足を止めない。でも、それでいいのだ。ひっそりと目立たず、でも凛として戦争の記憶を伝えてくれる、誰にも気付かれずに。フライトジャケットとは、本来そういう“粋”な服なのではないだろうか。

空軍博物館のSHOPもすごい!

博物館の楽しみといえば、ミュージアムショップ。アメリカ空軍博物館のショップも、楽しそうなアイテムが勢揃い! 航空機に興味のない人でも、絶対楽しめるはず。もし空軍博物館に来る機会があったら、必ず立ち寄ってお土産を買っていこうぜ!

歴代のアメリカ大統領のポートレートがパズルになっていた。なんでもグッズにしてしまうのが、アメリカのいいところ。

アメリカ空軍博物館と言いながら、エアフォースの隣でU.S.NAVYのマグカップも販売。とにかく米軍のグッズの多さにはびっくり!

現行の書籍や写真集の他に、昔の雑誌や新聞の復刻が売っていた。興味津々で物色中の亀屋塾長。こんなショップ、日本にも欲しい!

パッチやステッカーもミュージアムショップの定番商品。アポロやNASAなど、宇宙モノも多かった。子供に人気なのだとか。

昔の戦闘機の写真が額装されて販売されていた。一見地味だけど、飛行機好きの友達のお土産には最適。モヒカン小川も購入。

後編もお楽しみに。

(出典/「Lightning 2025年11月号 Vol.379」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...