各地で着こなしが異なるカウボーイに感化された。

オーセンティックなウエスタンウエアをベースにしながらも、持ち前のセンスと細部までこだわった作り込みで、モダンな世界観を表現するレターズ。本場アメリカの高感度なセレクトショップからも評価されており、ハリウッドスターも顧客にいるなど、実力派のジャパンブランドだ。デザイナーの向田氏は10代でファッションに興味を持ち、デザイナーズやモードに傾倒した後に、ヴィンテージの奥深さを知ったと語る。
「10代の時はデザイナーズばかりに目が行き、ヴィンテージウエアはどちらかと言えば苦手でした(笑)。ただ20代でナンバーナインへ入社し、そこの先輩たちがうまく古着を取り入れていたことをきっかけに、そのおもしろさに気付きました。その中でも独特なエレガントさを持っていたウエスタンウエアに自ずと惹かれていきました」
その後、12年に独立し、自身のブランドであるレターズをスタート。当初は四苦八苦していたが、そんな時にヴィンテージバイヤーの友人に同行したアメリカへのバイイングトリップが、ブランドの方向性を決めたと回想する。
「バイイングで各地を回った時に、その街それぞれでカウボーイたちの着こなしが違って、それがまたかっこよかったんです。文化やスタイルとして成熟されており、その土地土地の風土がうまく反映されていた。そんな感覚を東京に持ち込んだのが、ザ レターズのウエスタンスタイルなんです。ベースとなるヴィンテージに敬意を払いつつも、牧歌的な雰囲気ではなく、ウエスタンの持つエレガントさと東京ならではのモダンなテイストをうまく反映させています」
日本のシルバー職人が1点ずつハンドメイドで作るオリジナルのシルバージュエリー。カウボーイのアイコニックなモチーフをうまく落とし込んでいる。長さ調整可。5万7200円
ブラックのイメージが強いウエスタンジャケットは、あえてグレーでも展開。従来のレーヨン糸よりも腰のある糸で織り、厚みのあるオリジナルギャバジンを使用。11万円
あえて刺繍を入れてない上品なレーヨンギャバジンのジャケット。9万3000円
同素材のレーヨン生地を用いたシャツ4万9500円、パンツ5万600円
ウエスタンスタイルでは欠かすことのできなベストもオリジナルで豊富なバリエーションを展開している。太さもバリエーションがあるため、スラックスにも◎。2万3100円〜
シューズまで展開する点にこだわりを感じる。ポインテッドトゥのオリジナルラストを用いたエレガントなレースアップブーツ。日本製。右/11万5500円、左/13万2000円
毎シーズン、レザージャケットを展開し、絶品揃い。ウエスタンジャケットをモチーフに、ディアスキンのような表情に仕上げたゴートスキンを用いた発想がお見事。22万円
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(出典/「Lightning 2025年10月号 Vol.378」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/K.Hayashi 林和也