

待望の復刻。日本製の7161が新たに誕生。
2005年、MFSCの幕開けをと共に一本のデニム「7161 Utility Trousers」の企画がスタートした。ワークとミリタリー、そして20世紀初頭のハンドメイドを融合させた実験的なジーンズは、ブランドの原点として記憶されている。それから20年を経た今も、MISTER FREEDOMのクリストフ・ルアロン氏とSUGAR CANEの福富雄一氏、この二人の協働は続いている。
今季のコレクションに向けたミーティングで、「7161の復刻を望む声」が数多く寄せられていることを知った二人は、再生産を決断。
オリジナルはロサンゼルスの工場で生産されたが、今回は状況が異なった。ロサンゼルスを襲った大火災や、移民問題を背景とするストライキなど不測の事態により、現地での生産を断念せざるを得なかったのである。
その結果、日本での生産へと方向転換し、日本製の7161が新たに誕生することとなった。
MFSCのコレクションは例年、「Made in Japan」のシリーズと「Made in USA」のシリーズによって構成される。今季のJapanラインでは、新生7161を核としたNaval Clothing Tailorコレクションを展開。USAラインではレザージャケットを中心に、ブランドの定番ともいえるアイテム群をラインアップした。
7161の特筆すべき点は、その製造方法にある。サトウキビの繊維を紡績し2種類の藍で染めたデニム生地を用い、縦横の地の目を交錯させた複雑な設計を採用。右膝の当て布が脇のシームを跨いで叩き付けられ、左脇には継ぎ目がなく内側にセルビッジを走らせる。すべて1本針のミシンで縫製され、生産性を度外視してまで追求された意匠は、穿き込むことで表れる色落ちの妙を約束する。効率よりも表現を優先する姿勢は、MFSCというレーベルそのものを体現しているといえるだろう。
長く続くMFSCには世界中から新たなファンが流入している。過去のコレクションを探し、現在では手に入らない作品を求める動きは強く、そのリクエストに応える形で今回の復刻が実現した。ブランド創設の象徴ともいえる7161を再び世に送り出すことは、単なる過去の焼き直しではなく、MFSCの歴史を未来へ接続する試みなのである。クリストフの言葉が、それを裏付ける。
「この秋冬シーズンに用意したのは、MFSCの定番、新作、そして馴染みあるデザインをリビジョンしたものの組み合わせです。いずれも私たちが20年間積み重ねてきたことの象徴であり、特別な物語ではなく、私たち自身の控えめな物語を示すものです。Dig it――感じ取ってほしい」
長年着用してこそ真価を発揮するMFSCのデニムプロダクツ。
Jacket
SC15816
SPORTSMAN, Made in USA
RANCH BLOUSE
16oz. MIDNIGHT DENIM
¥68,200_
Bottoms
SPORTSMAN, Made in USA
CALIFORNIAN
(Personally worn sample)
クリストフの憧れた「アメリカ」を凝縮させたレザージャケット。
Jacket
SC80658
SPORTSMAN, Made in USA
“TORPEDO” Jacket
COWHIDE LEATHER
¥264,000_
Bottoms
NAVAL CLOTHING TAILOR
“7161” Utility Trousers
(Personally worn sample)
【問い合わせ】
MISTER FREEDOM×SUGAR CANE
Tel.03-3632-2321
https://misterfreedom.com/
Photo by Tadashi Tawarayama 俵山忠(Seven Bros.) Text by CLUTCH Magazine 編集部
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