第二次世界大戦中からほとんどその外観を変えることなく新車を製造するメーカー。
多くの人が普通に乗っているのとはひと味違う気になるクルマを紹介していくこの企画。今回ははモーガン4/4をピックアップ。
20世紀末に登場した自動車は、その後おおよそ130年ほどで技術的にもデザイン的にもさまざまな技術革新を受け、現在の姿へと進化を遂げてきた。そんな現代で、第二次世界大戦中からほとんどその外観を変えることなく今でも新車を製造している変わったメーカーがある。それがイギリスのモーガンだ。
今回紹介する4/4(フォー・フォー)は、4輪車/4気筒エンジンを表した車名で1936年に登場。外観は登場当初から大きく変わらず、今でも内装などの一部に木製フレームを使用したり、ハンドメイドで内装を仕上げるなど、伝統的な生産方法を貫いている。
現在はこのハイパワー版であるプラス4が新車で購入できるが、現地での価格上昇や為替の問題で価格はかなり高騰している。
そこで今回はモーガンオートで販売中の’08年式の4/4を紹介しよう。2000年に入ってから製造されたとは思えないプリミティブなシルエットに、インジェクション制御のエンジンを搭載。ヴィンテージなスタイルと、快適なドライビングを両立させているので扱いやすい。
軽量なボディに低いドライビングポジションの組み合わせは実際のスピード以上にスピード感があり、乗っていても楽しい一台だ。
【Specification】
2008年式 MORGAN(モーガン) 4/4
全長:4010mm
全幅:1640mm
全高:1220mm
ホイールベース:2490mm
エンジン:直列4気筒
排気量:1595cc
燃料供給方式:インジェクション
駆動方式:FR
乗車定員:2名
価格:495万円
車体から独立した流れるようなフェンダーを持ち、ヘッドライトやウインカーなども必要最低限の設備となるシンプルな外観が特徴。
この時代の4/4には英国フォードの1.6リッター直列4気筒、通称「シグマユニット」がフロントミッドシップに搭載される。
車内には2つのシートが設置されるのみ。決して窮屈ではないが、かなり狭い。シート後部に格納されている白い布が幌となっている。
シンプルなダッシュにはメーター類が並ぶ。右から時計、タコメーター、燃料/油圧/水温のコンビメーター、スピードメーター。
ホイールは自転車のような15インチのスポークタイプで、今ではあまり見なくなったセンターロック方式を採用する。
【DATA】
モーガンオート
東京都大田区矢口1-4-4
TEL03-3758-6721
9時〜18時(平日)、10時〜17時(土日) 木曜・祝日休
https://www.morganauto.co.jp/
(出典/「Lightning 2024年11月号 Vol.367」)
Text & Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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