サイドカー付きバイクでキャンプを楽しむ上級者

第二次世界大戦中にBMWの軍用サイドカー付きバイクのコピーからスタートしたロシアのウラルは、サイドカー側も駆動しオフロードにも強い軍用バイクの生き残りで、今でも生産が続いている。そんなミルスペックでカスタム製作したトレーラーを牽引し、道無き道を征く冒険キャンプ仕様!

キャンプ遊びが捗るサイドカー付き軍用バイク!

上嶋英也さん|他にもウラルサイドカーを所有しているほか、自衛隊の偵察用オートバイ仕様にカスタムしたKLX250なども所有。ちなみに上嶋さんは安全のため装着しているが、ウラルサイドカーは普通車扱いなので、ヘルメット装着義務はない

撮影場所に見慣れないサイドカー付きのバイクでトーレーラーを牽引して現れたのは、長野県在住の上嶋さん。車名を聞くとウラルというロシアのバイクだという。

ウラルはあまり聞き馴染みがないかもしれないが、実は世界で稼働しているサイドカー付きオートバイの中でトップシェアを誇るロシアのメーカーだ。

元々は第二次世界大戦中にドイツのBMWで製造したモデルをコピー製造したIMZ M72というバイクを源流に持つ。このM72が北の大地で独自進化を続けた結果、現在のウラル・ギアアップとなったというわけだ。

リアホイールからドライブシャフトを通じてサイドカー側のタイヤにも駆動力を伝達するパートタイム二輪駆動となっているのが最大の特徴。悪路や雪道など、どんな場所でも走れる走破性の高さが魅力だ。

さて、最も気になるトレーラーだが、こちらは上嶋さんのアイデアで、ウラルの後輪やフェンダーを流用して製作した逸品。まるで標準装備のような違和感ない仕上がりだ。ウラルのフレーム側も加工し、一般的なボールカブラーで連結。移動時はキャンプ道具を満載して走り、現場では荷台を拡張しテントを張ることができるよう工夫されている。

フラットツイン独特の排気音を響かせて、悪路も走破できるウラルは、道無き道を征く冒険旅行の相棒に最適な一台というわけだ。

乗車定員3名と荷物を大量に運べるワークホース。

トレーラーは上嶋さんの設計でスチール製のフレームにアルミのボディを搭載。フェンダーやホイールはウラルのスペアパーツを取り寄せて組み立てており、完成度はかなり高い。

トレーラーはスチールのフレームに軽量なアルミボディを搭載した上嶋さんのオリジナルで、内部にキャンプ道具を大量に搭載可能。荷物を降ろした後は、スライド式のフロアを後部に延長し、テントを設営できる仕組み。どんな場所でも快適に就寝可能だ。

サイドカーには燃料の携行缶を搭載するためのホルダーが備わるが、上嶋さんはジェリ缶型の収納ボックスを装着し、簡単な工具やバーナーなどの小物を収納するのに活用している。

フロントフォークは一般的なテレスコピック式ではなく、サイドカーに最適なアールズフォークを採用。以前はドラムフレーキだったが、’07年モデルはディスク式でキャリパーはブレンボ製。

サイドカーは普段トノカバーをかけてあるため、1名乗車時はこちらにも荷物を搭載可能。ちなみに空荷の際はサイドカー側がリフトしやすいため、中にダンベルを積んでリフトしにくくしているそうだ。

リアホイールの右側からサイドカーのタイヤまでドライブシャフトが伸びているのが見える。サイドカーはフレームにもサスペンションが備わるが、ボディはゴムを介してフレームにマウントされるため乗り心地も良い。

エンジンはBMWと同じ空冷フラットツインを踏襲。排気量は750ccで、バックギアも標準で装備する。ちなみに’07年はケイヒン製のキャブレターを採用するが、この後のモデルではインジェクションに進化している。

2007 URAL GEAR UP/ウラルはサイドカーまで一体の専用フレームで、ドライブシャフトが備わるため、構造上サイドカーを外しての走行はできない。そのため日本では三輪自動車となり、大型二輪免許ではなく普通免許が必要となる。

(出典/「Lightning 2024年7月号 Vol.363」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

Pick Up おすすめ記事

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

メイド・イン・ノーサンプトンを貫く英国靴の筆頭「Crockett & Jones」のモノづくり

  • 2026.10.21

革靴の聖地であるノーサンプトンにて1879年に初声をあげた〈クロケット&ジョーンズ〉。英国靴を語る上で欠かすことのできない同ブランドのモノづくりの現場に足を運んだ。 一足の革靴に宿る147年の歴史と誇り 革靴産業の一大拠点として名を馳せる英国・ノーサンプトン。中世から靴職人が集まり、17世紀には軍用...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...