カジュアルに乗れるジープとして生まれた「ジープ コンパス」ってどんな性格なの?

ジープと聞けば悪路走破性の高さに重きを置いたクロカン4WDのイメージが強いけれど、現在のジープのラインナップにはスパルタンなモデルから、高級モデルや街乗りをメインとした乗用車的モデルまで幅広いラインナップを誇っている。その中でもコンパクトカテゴリーに存在するのがジープ・コンパスの存在。カジュアルに乗れるジープであり、ジープの入門車的な位置付けで、エントリーユーザーも狙ったモデルなのだ。そんなコンパスをディグってみる。

街乗りジープとして生まれた初のコンパクト・クロスオーバーモデル。

ジープと言えば屈強なフレームにボディを架装したスクエアで野性味溢れるデザインが主流。そんななか、世の中にクロスオーバー(ピックアップトラックではなく、乗用車のコンポーネントを採用)SUVが台頭してきた2000年代になって開発されたのがコンパス。ジープでは初のFFベースのクロスオーバーモデルとして登場した。

ジープの入門的なモデルとしてではなく、街乗りをメインとしたカジュアルに扱えるジープというコンセプトのもとに登場し、現在ではサブコンパクトカテゴリーのレネゲードの兄貴分として存在している。その歴史はまだ浅いけれど、お手軽ながらしっかりとジープらしいスタイルを持ったモデルとして現在も生産されている。

第1世代 2007~2017年 クラシカルな丸目ながら良い意味でジープらしくない出で立ちで登場。

2002年に同名のコンセプトカーが発表されたコンパス。さすがにコンセプトモデルは尖ったデザインだったけれど、そのイメージをしっかりと残したカタチで2007年モデルでデビューした初代コンパス。

2ドアのように見える4ドアボディで、エンジンは2Lと2.4Lの直4だけでなく、ディーゼルエンジンもラインナップされた。これはアメリカだけでなく、ヨーロッパ市場も意識したワールドワイドな展開を狙ったから。

ちなみにアメリカ市場はガソリンエンジンのみという仕様だった。

2011年にフェイスリフトが行われて丸目から決別。現在のグランドチェロキーなどと共通デザインのフロントマスクになり、初代の後期型と呼ばれる。

2002年に発表されたコンパスのコンセプトカーはジープ伝統の7スロットグリルはデザインされるものの、かなりモダンなスタイリングの2ドアモデルだった。Photo by Stellantis
2011年にフェイスリフトが行われて後期モデルに。丸目とはさよならして現在のシープファミリーとイメージを共通したフロントマスクへと一新された。Photo by Stellantis

第2世代 2017年~現在 悪路走破性も高めた現行世代。

それまであったジープ・パトリオットを吸収してコンパスと統合された後継モデルとしてフルモデルチェンジ第2世代。初代モデルは、悪路走破性よりも街乗りをメインとした「ジープ型乗用車」としてのコンセプトが強かったが、そこはジープ、やはり悪路走破性も高くないとジープである意味がないとのことでフルモデルチェンジした2代目には4WDのみの設定になるトレイルホークグレードが登場。

基本コンポーネントはジープの最小モデルであるレネゲードのホイールベースを延長することで開発され、現在もレネゲードの兄貴分として存在している。

コンバスのサイズや燃費、それに値段は?

ジープのエントリーモデルとしても存在するコンパスは今やヨーロッパやアジアでも販売されているワールドワイドなモデル。日本にも正規輸入されていて、2.4Lの直列4気筒エンジン搭載モデルの右ハンドルモデルのみで、ロンジチュードとリミテッドのグレードがチョイスできる。

車格はコンパクト・クロスオーバーSUVというカテゴリーなだけに、全長4420mm、全幅1810mm、全高1640mmとアメリカ車のなかではかなり小さなサイズ。気になる燃費はメーカーアナウンスでリッター12km弱。現行モデルの価格は469万円からとなっている。

往年のアメリカ車らしいモデルという側面は無いけれど、街乗りからちょっとした悪路までカジュアルに走ってくれる性能は世界基準のジープといったところ。初めてのジープとしても楽しめるモデルとして味付けされている。

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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