MOMAの永久保存コレクションとなった、ジョージ・ネルソンのバブルランプに魅せられて

1952年にジョージ・ネルソンが考案したバブルランプは、今も名作として評価されて続けている。メイドインジャパンできれいな服を丁寧に作ることをコンセプトとしたサンカッケーのデザイナー、尾崎雄飛さんは、そんな名作ランプに魅せられたひとり。アトリエには10を超えるバブルランプが飾られている。

モダンなデザインと経年変化の組み合わせが魅力の、ヴィンテージバブルランプ。

「SUN/kakke」デザイナー・尾崎雄飛さん|1980年生まれ。愛知県出身。セレクトショップのバイヤーやブランドのディレクターを経て、自身の手掛けるサンカッケーを開始。Instagram@yuhiozaki0411

アメリカのヴィンテージクロージングから、英国のトラディショナルなスタイル、先鋭的なデザイナーズまで様々なプロダクトに精通する尾崎さん。大のヴィンテージ好きとしても知られ、そのアトリエにはミッドセンチュリーファニチャーから世界中の工藝品まで、有名無名を問わず、独自のセンスで集められた旧き良きものが一堂に会する。そんな中でも目立っていたのが、ランダムに吊られたジョージ・ネルソンのバブルランプである。

「’90年代にミッドセンチュリーブームがあった時にイームズやジョージ・ネルソンたちの存在を知り、10代だった自分にとっていつか欲しいという憧れの存在でした。大人になってからバブルランプを見つけたら買っていて、いつの間にかこんなに集まってしまったという感じです(笑)。

自分のこだわりは、ヴィンテージであること。’90年代のブームの時って、デザイン面やカラーリングばかり注目されて、お洒落カフェのようなイメージが強かったと思うんです。でも僕が惹かれるのは、半透明のプラスティックがエイジングされて、なんとも言えない雰囲気になったもの。

’50s的な文脈でのミッドセンチュリーが好きというか、アメリカの片田舎で使われていたような。モダンなデザインと経年変化が混ざりあった時、なんとも言えない調和に色気があると思っています」

美しくエイジングされたバブルランプが一堂に会する空間!

1952年にジョージ・ネルソンによってデザインされたバブルランプは、和のテイストを感じるが、実はスウェーデンのハンギングランプがイメージソースになっている。オリジナルはシルクであったが、非常に高価だったため、当時の米軍が開発した噴射式プラスティックを採用。上からSaucer、Cigar、Ballとネーミングされている。すべてヴィンテージ。

バブルランプ=ペンダントライトというイメージが強いが、実はほとんど出てこないフロアタイプもあり、ヴィンテージの世界ではコレクターズアイテムとなっている。置いてある棚もジョージ・ネルソンがデザインしたハーマンミラー社の名作であるCSSである。

アトリエの壁一面を用いた収納は、ジョージ・ネルソンがデザインした名作のひとつであるComprehensive Storage SystemことCSSである。そこにはネイティブアメリカンの民藝品からワークウエアメーカーのアドバタイジングまでディスプレイされている。

アトリエ内のソファスペースには、ジョージ・ネルソンがデザインした傑作であるネルソンベンチを置いている。現行では展開されていないヴィンテージならではのサイズで、背面には’50年代に使われていたハーマンミラー社のプレートが付く。

CSSの横には、同じくジョージ・ネルソンがデザインしたハーマンミラー社のベーシックキャビネットシリーズ。あえてフロントのスライドドアを付けていない。

実はソファの横に置いているテーブル兼収納もジョージ・ネルソンがデザインしたもの。植木鉢を入れられる個性的な作りとなっており、ガラス天板の下には、尾崎さんがアメリカを旅した時に買ってきた様々なアンティークを飾っている。

尾崎氏が手掛けるサンカッケーの看板商品となっているウォレットは、パーツ毎で売っており、様々な革やカラーリングを合わせられ、CSSのような発想である。

【DATA】
サンカッケー
http://sunkakke.jp/

(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

Pick Up おすすめ記事

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...