ネルドリップは日本人ならではの手仕事。
サードウェーブ以降、浅煎りコーヒーの文化が日本に根付いたこともあり、深煎りを専門とするロースタリーは数少なくなった。ましてや若い世代であればその傾向は強い。だが初台の裏路地に構えるこの店舗は例外だ。
店名の「GP」とはジプシープリンス。ドレッドヘアーがトレードマークの実さんの昔からのあだ名を屋号とした。
20代だが深煎りとネルドリップにこだわり浅煎りは一切やらない。昭和の喫茶店文化の象徴でもあるネルドリップだが、昨今は1杯ごとの時間がかかるため採用している店舗は希少になった。
だが、深煎りをネルで抽出することで、苦味がまるやかになり、飲みやすくなっていく。実さんはいう。
「ネルドリップは、言わばジャパニーズクラシックスタイル。それを若い世代の僕らが、今のスタイルで受け継いでいかないといけないと思っています」
ネルドリップは手仕事。丁寧に1杯ずつ淹れるその様はまさに職人そのものだ。
「それは日本人にしかできない丁寧さだと思うんです。深く焼きすぎるコーヒーは味が苦いと思われるかもしれませんが、ネルで抽出することで甘味や果実味も出てきます。ぜひ試してほしい。きっと深煎りの価値観が変わるとはずです」
人気のコーヒー豆を紹介!
[豆の種類]
シングルオリジン 6~7種類
ブレンド 3種類
どれも深煎りだが、始めての人にはハウスブレンドがおすすめ
[抽出方法]
ペーパー/ネル/エスプレッソ
[焙煎機]
フジローヤル/直火式/3kg釜
【シングルオリジン】スマトラ リントン地区
ティピカ種。マンデリンならではの独特の風味とガツンとくる苦味が特徴。スパイシーと苦味、甘味のバランスが抜群。G☆Pの深煎代表といえる豆。余韻が鼻に残る後味も◎。
産地:インドネシア
焙煎:フルシティ~フレンチ
精製方法:スマトラ式
香り:スパイシー
酸味:なし
コク:重厚
後味:割とすっきり
【シングルオリジン】サンパウロ モジアナ
イエローカツアイ品種。清涼感のあるシトラ スのような香りとジューシー感が特徴。甘味があって濃厚なコク。それでいて後味がすっきりとしているのでとても飲みやすい。
産地:ブラジル
焙煎:フルシティ~フレンチ
精製方法:パルプドナチュラル
香り:シトラス
酸味:多少あり
コク:しっかり
後味:すっきり
【DATA】
G☆P coffee roaster(ジーピーコーヒーロースター)
住所:東京都渋谷区本町2-28-4
連絡先:なし
営業時間:平日11:00~20:00、土日10:00~20:00
定休日:水曜
駐車場:なし
公式HP:http://gpcoffeeroaster.com/
SNS:Instagram@gp_coffee_roaster
席数:なし
ホールセール:あり
豆販売:あり
豆通販:あり
テイクアウト:あり
デカフェ:あり
ドリップバッグ:あり
セミナー:なし
器具販売:なし
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」)
Text/K.Yoneda 米田圭一郎 Photo/K.Tawara 俵和彦