まだまだ未開拓な東南アジアのコーヒー豆が堪能できる江東区富岡の「莫珈琲焙煎所」。

門前仲町にある巨大な焙煎機がトレードマークの「莫珈琲焙煎所」。東南アジアのコーヒー豆を選んで買い付けている店主がもてなす同店は、夜になってもお店を訪れる客足は絶えることがない。なぜそこまでしてここの豆を買いに来るのか。多くの人を引き付ける魅力に迫る。

コーヒー豆の買い付けに東南アジアを選ぶ理由。

ハンドドリップの一風景。エプロンにはU.S.ARMYのワッペンが! オリジナルTシャツとキャップには実はロゴが入っている

20193月に門前仲町で莫珈琲焙煎所を始めた岡村澄さん。arise coffeeで修業を重ね、独立した人物だ。学生時代より東南アジアに行く機会が多かったようで現在も東南アジアのコーヒー豆を選んで買い付けている。中南米やアフリカを選ばなかった理由を聞くと次のように答えてくれた。

夜になるととてもムーディな雰囲気に。焙煎は閉店後に行う

「中南米やアフリカに比べて、アジアのほうが生産者の顔が直接見えるのが一番の理由です。やはりコーヒー豆を買うとなると信頼関係が重要だと思うので、自分は顔が見える人から買いたいという希望もありますね。あとは東南アジアのコーヒー豆ってまだ日本だとそんなに有名ではないのでまだまだ開拓のしがいがあるところも魅力ですかね」

東南アジアの旅行で購入してきた各国のワッペン。コーヒー豆がどこの国のモノかが一目でわかる

今までコーヒー豆を輸入するとなるとイメージするのはブラジルやアフリカが多かったように思う。そう考えると、岡村さんのこだわりと着眼点は独創的で、魅力にあふれているのではないだろうか。

室内はスタンディングバーのようなスタイリッシュな空間。奥に見える犬の絵がとても印象的である

自分が良いと思ったものを信じて追究する。そういった姿勢でいるからこそ、岡村さんのこだわりにたくさんの人々が共感するのかもしれない。

ちょうど焙煎のタイミングに取材を行うことができた。今でも記録は手で書くスタイル。昔から行っていた方法は身体が覚えこんでしまっているようだ
ガスの量と排気量を調整するのも大切な仕事。これを間違うと室内が煙で大変なことになってしまう

人気のコーヒー豆を紹介!

[豆の種類]
シングルオリジン 67種類

[抽出方法]
ペーパードリッパー/エスプレッソ

[焙煎機]
フジローヤル/直火式から半熱風式へ/10kg

【シングルオリジン】ボラベン ティピカ

甘味や丸みを感じさせるコーヒー豆。キツく感じさせないように焼いている。マイルドにすると飲みやすいのでミルクによく合う。夏場向き。

産地:ラオス
焙煎:ハイロースト
精製方法:ウォッシュト
香り:香ばしい
酸味:マイルド
コク:角のとれた
後味:カカオ感

【シングルオリジン】ジーニアス シャンヒル

赤ワインやベリー感がとても印象的なコーヒー豆。キャラクターは比較的強い。酸味が強くなるのでエスプレッソにも合う。

産地:ミャンマー
焙煎:ミディアムロースト
精製方法:ナチュラル
香り:赤ワイン
酸味:はっきり
コク:しっかり
後味:長く続く

【シングルオリジン】マンデリン ミトラ

3つの中でもっともクラシカルなコーヒー豆。独特のクセも大丈夫な人向け。焙煎によって火を入れるので、ボディ感が強くなる。エスプレッソ向き。

産地:インドネシア
焙煎:シティロースト
精製方法:ウォッシュト
香り:スパイシー
酸味:少なめ
コク:しっかりとした
後味:キレの良い

DATA
BAKU COFFEE ROASTERS(バク コーヒー ロースターズ)
住所:東京都江東区富岡1-21-11
連絡先:TEL03-6882-4263
営業時間:10~19
定休日:水曜
駐車場:なし
公式HPhttp://www.instagram.com/bakucoffeeroastersInstagram@bakucoffeeroasters
席数:17〜18
ホールセール:あり(少量で顔なじみの店のみ)
豆販売:あり
豆通販:ウェブショップ作成中
テイクアウト:あり
デカフェ:なし
ドリップバッグ:なし
セミナー:なし
器具販売:なし(コーヒーに関係ないものを置きたい)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」

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