経年変化を好まない人たちにおすすめの裏メニュー的なモデル。
「ベルト専業で30年以上」と、もはや耳にタコができるぐらい聞くヴィンテージワークスに対する「前置き」は伊達じゃない。なぜってそんなブランドは他には無いから。ファッションの世界では小物(いわば脇役)に分類されるレザーベルトをとことん追求するスタイルはなかなかできるもんじゃない。
そんなヴィンテージワークスのプロダクツの特徴といえば、ベルトになるレザーをベルトのカタチに裁断してから染色する(通常は工場に嫌がられる)ことで、同じモデルでも個体差やキズの有無などがあって、それぞれが唯一無二という点。
しかも使っていくことでレザーの経年変化が進み、着用を続ければ、いつしかヴィンテージのベルトさながらになるというもの。かくいう筆者も昔からここのベルトを愛用しているお気に入りのブランドのひとつである。
そんな私のベルトに新たに加わったのが全身ブラックというDH5738のJBというモデル。いつもブラウン、しかも明るめのカラーが好みだったので、ヴィンテージワークスの代表である堀内さんにこれを勧められて言われるがままチョイスしてみた。
というのも歳を取ると、いつも同じようなモノばかりを選んでしまうので、最近では人の勧めてくれるモノを素直に選ぶようにしている。
で、やってきたこのモデル。なんとも新鮮なのはレザーだけでなくバックルも漆黒。いつものヴィンテージワークスとひと味違うと思ったら、なんとこれは一般的なベルトと同じように裁断前に革を染色し、その後に裁断、あえて経年変化が少ないように仕上げた裏メニュー的なモデルであった。
というのも、世の中経年変化することが好きな人たちだけではない。ジーンズでもレザーでもエイジングを好まない人も数多くいるし、この製法ならば色ムラやキズなどの個体差は生まれない。本来のヴィンテージワークスとは真逆の発想で生まれたモデルなのだ。
カラーの名前はJB。聞けばJ Boyの略だという。つまり全身ブラックのコーディネイトを好む人や、ヤング層、それにスラックスにも合わせやすいということでこの名前にしたという。
私は普段、スーツもスラックスもたしなまないので、いつものようにジーンズに合わせているけど、これはこれで新鮮。
これで私も原宿的J Boy道に入門。劇的な経年変化はしないけれど、そこはレザー、こいつはこいつらしい経年変化もしてくれるはず。
しっかりと馴染んだころに若者たちに「カッコいいベルトですね」と言われてみたいアラフィフのおじさんなのであった(笑)。
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