塊根植物の紹介や、育成のコツ、それに塊根植物にまつわるツールや雑貨などをゆるーく記事にしていきます。今回はメキシコ原産の希少種を紹介。
日本の猛暑にも耐え、成長は遅いが長寿なので親しみやすい。
表皮がひび割れた大きな塊根と、無数に伸びる細長い葉が特徴的な塊根植物カリバナス・フーケリー。メキシコの乾燥地帯にのみ分布する希少種で、一度見たら忘れない容姿を持つ魅力的な塊根植物です。
この「カリバナス」という属名は、シェイクスピアの戯曲「テンペスト」に登場する醜い姿の悪魔キャリバン(Caliban)から取っているそうですが、カリバナス・フーケリーは特徴的な品種が多い塊根植物の中でも一種独特な存在感を放っています。
荒々しい亀裂が走る岩の様な塊根。
強烈な日差しが降り注ぐ、メキシコの乾燥地帯でも生き続けることができる理由はこの大きな塊根にあります。表皮には無数の亀裂があり、古木の様な表情をしていますが、この厚く硬い表皮が強い日差しから身を守り、大きな塊根に水を貯めることで、長期に渡る乾燥にも耐えることができると言われています。
日本国内での育成においては、真夏の猛暑だけでなく冬の厳しい寒さにも耐性を持ち、塊根植物の中でも屈指の丈夫さを誇る強健種としても知られています。
リュウゼツラン科の植物です。
リュウゼツラン科の植物に見られる、乾燥に強い硬い葉もフーケリーの特徴。青磁色の細長い葉は、塊根の上部から何本かの束の様に生えています。
触った感触は硬くザラザラとした質感ですが、さらさらと風になびく姿は美しく、実際よりも柔らかそうな葉に見えます。
丈夫なうえに長寿です。
強健種として知られるフーケリーですが、その成長は非常に遅く長寿な品種としても知られています。
こちらのフーケリーは直径25㎝程のサイズに成長しておりますが、控えめに見ても樹齢50~60年以上を経過した個体だと思われます。※あくまでも推定です。
大きく成長した個体ほど表面の亀裂も深くなり、まさに古木といった風格が漂います。現地では直径1ⅿを超える個体もあるそうですが、そこまでの大きさに成長するのには一体どれほどの年月が経っているのでしょうか……。参考上代5万6000円+tax
今回はメキシコの乾燥地帯で育った強健種、カリバナス・フーケリーを紹介させていただきました。ちなみに、私はメキシコを訪れたことはありませんが、映画『ザ・メキシカン』が好きで何度も鑑賞しております。’69年式シボレー・エルカミーノとブラット・ピットのカッコ良さは、何度見ても憧れます。
【DATA】
BIZARRE GREEN
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TEL026-247-8160
営業時間:11時~20時 火曜定休
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