スケートカルチャーからインスパイアを受けた、ラグと古着の店。

タフティングという言葉をご存知だろうか!? 最近ジワジワと人気を集めているオリジナルのラグ製法のことだ。ここでは古着店の一部をクリエイティブスペースとして活用し、ラグ作りを行うpeon を紹介する。

アメリカで生まれ育ったクリエイターによる手作りラグ。

「ペオン」代表・ルーク石田さん|純血の日本人ながら、アメリカ産まれアメリカ育ちで2つの国籍を有するジャパニーズアメリカン。バイヤーの父の影響で幼少期からクリエイティブなものに触れており、古着店peonを営みながら、それらをバックボーンにした制作活動も行なっている

近年注目を集めるラグ作りだが、ルークさんは自らの古着店ぺオンの一部を改装し、双方を並行して行うユニークなクリエイターだ。

「両親がアメリカでバイヤーをしているので、元々仕入れルートはあったんです。お店を出すか出さないかだけだったんですよね。それにネットショップだけでは在庫が入りきらなくなっていたので、2020年に店舗をオープンさせました。最近は’80~’90年代のものを中心に、ラフで動きやすいものが多いです」

ではラグ作りはどうして始めたのか。

ラグ作りに使う道具は、基本的に「タフティングガン」と呼ばれる道具のみ
プロジェクターを使ってデザイン画を投影し、それを写しとったヘッシャンと呼ばれる専用の布に、タフティングガンで毛糸を打ち込むことで形作られていく

「ずっと昔からモノ作りはしていたんです。絵を描いたり、お店のオリジナル商品や小物、財布も作ってました。ただ古着店はしっかりオーダーすれば父が希望通りのものを送ってくれるし、店舗経営の仕組みもわかってきたので空いた時間にずっと家に置けるもの、ちょっとしたスペースが華やかになるようなものを作りたいなと思ったんです。

今は色々なデザインを作れるようになってきたので、今後はもっと大きなサイズを作ったりしながら更に軌道に乗せて、ゆくゆくは双方を独立させたいですね」

最初の工程はプロジェクターに映されたイラストをペンでなぞるベース作り。次に描いた線をもとにタフティングガンで打っていく。当て進めるだけでラグができていくのが面白い!
タフティングガンには糸通しを使って、5本に束ねた毛糸を通す。打ち込みスピードが速いと柔らかく、遅いとみっちり詰まった仕上がりに
カラーリングも大切。彩度の高い色から淡い色まで揃っているので縫う段階で混ぜ合わせたり、グラデーションにしたり、組み合わせは無限大
全て打ち終わったら、仕上げにバリカンを使って表の毛の長さを揃え、気になる部分をペンチやハサミで整えて完成。こういった細かな作業が最終的な完成度の差となって現れてくる
過去に制作したラグ作品は、ショップ内のクリエイティブスペース内にこのように飾っている。もちろん要望があれば販売することも可能だ
ショップの最奥にある仲間達で造り上げた手作り感満載のクリエイティブルーム。ここでラグ作りはもちろんのこと、オンラインショップの更新など日々の業務をこなしている
コロラド在住のバイヤーを父に持つルークさん。長崎には親族が経営する古着店もあり、年代や種類、カラーや素材などを細かくオーダーすることで定期的に荷物が届くシステム。スケートカルチャーに寄った、ラフで動きやすいモノをセレクトしている

空間を彩る世界にひとつだけのハンドメイドラグ。

カセットテープ型ラグ

平らではない立体感ある形状は、ラグにしたら面白いだろうなと思い、凹凸を意識して制作。合わせてカセットテープは昔よく聞いていたので、当時に想いを馳せながら作ったというエピソードも。本人私物

Little Willowラグ

デザイナーの小柳翔平が手がけるLittle Willowのラグ。彼がフリーハンドで書いたものを表現。隠と陽を白黒のカラーと文字使いで表現。8000円

ファイヤーラグ

クリエイティブルームに机を置いた際に生まれたデッドスペースを埋めるためフリーハンドにて即興で制作。メラメラした三角形の可愛い炎の形状が隙間にピタッとハマる。本人私物

ミッドセンチュリーパターンラグ

ミッドセンチュリー期の人気デザインをオマージュ。よくカーテンやクッションなどに使われてたパターンで、当時の時代背景を踏まえ、くすんだ渋いカラーリングに。本人私物

ラグと古着。どちらも1点モノだからこそ価値が生まれる。

’90年代製リーバイスデニムジャケット

おそらく後から刺繍と思われる、猫が縫い付けられたデニムジャケット。やたらとリアルな猫が良い感じにダサかっこいい雰囲気を演出している。1万1000円

ジョージタウンループスウェット

コロラドを代表する観光鉄道のジョージタウン・ループ鉄道のスウェットは買い付けのルーツとしてセレクト。ボディは古着好きには有名なoneita。8600円

2000年代製カーハートネルシャツ

2000年代と比較的新しいカーハートのデッドストックアイテム。アメリカ製なので生地感が少し固めで、サイズ感も少し大きめ。8000円

’90年代製リーバイスブラックデニムパンツ

’90年代のリーバイスストーンウォッシュデニム。回り回って今は’90年代初頭の色の抜けた感じが人気。ユーズド感があって変わったデニムが主流の流れ。値段未定

’70年代製カタリナダービージャケット

中面の飛び魚が特徴的なダービージャケットは、ジップを締めればドレッシー、軽く羽織ればラフに決まる。カップショルダーではないため、肩幅がガッチリした人が似合う一着。1万1000円

【DATA】
Peon[ペオン]
東京都目黒区八雲1-11-18 プチパレスタツミ101
TEL 080-8081-5087
営業/土曜のみ15:00~ 21:00
https://peoncoffee.theshop.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

Pick Up おすすめ記事

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...