僕らのアメリカ物語。愛媛の老舗レコード店が紡ぐあの頃のアメリカ。

愛媛の松山市に3月18日で40周年を迎えた老舗レコード店がある。ご夫婦が経営するこのレコード店のルーツは、実はアメリカにあった。渡米してからMORE MUSICをオープンするまでを追ってみた。

アメリカで暮らした日々が、私たちに大きな影響を与えた。

愛媛県松山市、地元の音楽好きのみならず、全国のレコード好きに愛され続けている老舗レコード店がある。「レコード店を開きたい」という一人の少年が、17~18年越しの夢を実現したこの店は、今年40周年を迎えた。オーナーの大久保夫妻がアメリカ生活を経てたどった軌跡を簡単に紹介しよう。

大久保久信さんと一恵さんご夫妻が店を切り盛り

MORE MUSICのオーナーである大久保久信さんは、1951年に富山県で生まれた。5歳のときに秋田県に移り住み、秋田高専を卒業後、山平和彦音楽事務所「MOVE」を設立し、マネージャーを務めるという経歴を持つ。秋田高専時代は、北海道自転車旅行、日本一周ヒッチハイク旅行に挑戦。目標を持って何かに突き進む、やれば必ず出来んだ! という自信がついた経験でもあったという。

音楽に興味を急速に募り始めたのはヒッチハイク旅行が終わってから。お兄さんがオープンリールのテープデッキを買ってきたのを機に、友人からレコードを借りては録音し、テープを繰り返し聴く日々。

またラジオの深夜放送がブームになり始めた頃で、『オールナイト・ニッポン』や『パック・イン・ミュージック』などを毎晩聴くようになる。特に亀淵昭信や今仁哲夫、福田一郎の番組は欠かさず聴き、毎週リクエストカードを書いていたほど。店名の「MORE MUSIC」は、亀淵昭信が『オールナイト・ニッポン』の中で繰り返し使っていた言葉からいただいたものだそうだ。そして音楽、特に洋楽へのが情熱が昂ぶるにつれ、アメリカへ行きたいと思うようになる。

店の中央にはレコード、壁面にはCDを収納・陳列している。ジャンルも様々で、あらゆる人が訪れることができるように工夫をしているのだそうだ。CDは新品を多く揃えている

秋田高専を卒業後、邦楽にはあまり興味がなかった大久保さんだが、フォークシンガーの山平和彦と出会ったことで、彼と一緒に音楽事務所「MOVE」を設立。拠点を秋田から岐阜に移してからも活動は続けていたが、当時の恋人を追う形で、MOVEを離れ東京に上京。

東京でも音楽関係の仕事がしたいと、東芝EMIの下請け会社で、商品管理や関東エリアのレコード店に対する受注や出荷業務をするようになった。残念ながら恋人とは別れることになったが、その後結婚することになる一恵さんと出会い、一恵さんの地元、松山に移り住むことになる。

当時久信さん24歳、一恵さん20歳。もちろん、渡米とレコード店オープンの夢は持ち続けいてる。資金を貯めるために2人で働き、2年後の1980年、渡米しロサンジェルスでの生活がスタートした。

アメリカにいた頃は、レコード店をはしごしたり、フェスに行ったりとまさに音楽三昧の日々。「もう、本当に楽しかったの!」とピカピカの笑顔で話す一恵さん。早くLAの友だちに会いたいそうだ
この記事を書いた人
めぐミルク
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めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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