エアロスミスのオリジナルアルバム復刻第2弾、昭和40年男がリアルタイムで食らったのはコレだった!

エアロスミスのオリジナル・アルバム全20タイトルが、ミニLP仕様の紙ジャケットのスタイルでこの夏から順次復刻されている。すべてオリジナルのアートワークを基に、日本での初発売時のオビの仕様も再現。7月30日にリリースされたコロムビア・レコーズ時代の7タイトルに続いて、9月24日から発売されている第2弾は、1985年から1993年にかけてゲフィン・レコードから発売された4タイトル。バンドがセレクトしたボーナス・トラックが各アルバムに収録され、1985年の復活作『ダン・ウィズ・ミラーズ』には世界初CD化音源も収録。『パンプ』のボーナス・トラックには1990年に海外でリリースされた「デュード」の12インチとCDシングルのみに収録されていたライヴ音源「エレヴェイター・ラヴ」(BBC Radio1の番組 『In Concert』出演時のテイク)を収録。なお、今回の4タイトルのアルバムは、すべて2001年にリイシューされた際のリマスター音源が採用されている(ボーナス・トラックを除く)。

昭和40年男がいちばん聴いてたエアロスミス

『昭和40年男』の読者世代が洋楽を聴き始めたのは1970年代の終わりぐらい、自分の身の回りではそんな感じだった。そんな僕らの感覚からすると、エアロスミスというバンドは、ちょっと上のお兄さんが聴いていたという印象で、ただ、やはり目上の人が親しんでいたレッド・ツェッペリンやディープ・パープルなんかに比べると、うるさ方が少なかったような気がする。バンドのヒストリー的には、その地位を確固たるものにした『ロックス』(1976年)、『ドロー・ザ・ライン』(1977年)のあと、メンバー脱退など失速ムードが漂っていた、まあ、最悪の時期で、“セックス、ドラッグ、ロックンロール”を地でいくようなイメージがあったエアロスミスは、ニューウェイヴ到来の70年代末期において、僕ら世代にはちょっと崇めにくいところもあった。

そんなエアロスミスが、僕ら世代の視角に入り込んできたのが1980年代半ば。一度離れたメンバー、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードがバンドに戻り、ゲフィン・レコードに移籍……というお家事情はさておき、70年代に華開いたハードロックが再びトレンディ(なんていう言葉は当時あまり使われていなかったが)な音になっていたことも大きかった(もちろん、顔ぶれは様変わりしていたけど)。エアロスミスが85年に発表したアルバム『ダン・ウィズ・ミラーズ』のプロデューサーは、前年にヴァン・ヘイレン『1984』でバンドに大きな成功をもたらしたテッド・テンプルマン。当のエアロスミスのメンバーは現場でテッドと悶着あったみたいだけど、崩壊しかけていたバンドをうまくまとめてくれたのだろうし、何といっても“時代の音”に仕立ててくれた

『ダン・ウィズ・ミラーズ』(1985年)

息を吹き返したエアロスミスは、さらに暴れた。エアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」をモチーフしたラン・DMCの同名曲が、86年夏にヒットチャートを駆け上がり、ミュージックビデオにはエアロスミスのメンバーも登場。ユーモアを利かせた演出で、MTV世代、ひいてはヒップホップ世代にも彼らの名前とスティーヴン・タイラーのセクシーな唇が知れ渡り、そこで得た自信(そんなもの失ったことないぜ、と言いそうだが)は87年の次作『パーマネント・ヴァケイション』につながる。ここでのプロデューサーは、ブルース・フェアバーン。前年にボン・ジョヴィ『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』をプロデュースし、彼らを世界的スーパーバンドにのし上げた立役者だ。シングルカットされた「エンジェル」はビルボード Hot 100でトップ3をマーク。キャリアハイのセールスを記録する。

『パーマネント・ヴァケイション』(1987年)

続く89年の『パンプ』は全米5位のヒット。日本のチャートでもトップ10入りし、シングルカットされた「ジェイニーズ・ガット・ア・ガン」はバンド史上初のグラミーを受賞する(最優秀ロック・パフォーマンス部門)。第二期黄金時代を迎えたエアロスミスは、93年の次作『ゲット・ア・グリップ』で初の全米No.1を獲得。ここで人気のピークを迎えた……かと思いきや、ハイライト・シーンはこのあとにもまだまだ用意されていたのでした。

『パンプ』(1987年)
『ゲット・ア・グリップ』(1993年)

【第2弾発売タイトル】

ダン・ウィズ・ミラーズ UICY-80546
パーマネント・ヴァケイション UICY-80547
パンプ UICY-8054
ゲット・ア・グリップ UICY-80549
各3,300円 (税込)
SHM-CD仕様 / 限定盤
解説・歌詞・対訳付

【発売中】
第1弾発売タイトル
野獣生誕(1973年)UICY-80539
飛べ!エアロスミス(1974年)UICY-80540
闇夜のヘヴィ・ロック(1975年)UICY-80541
ロックス(1976年)UICY-80542
ドロー・ザ・ライン(1977年)UICY-80543(※)
ナイト・イン・ザ・ラッツ(1979年)UICY-80544(※)
美獣乱舞(1982年)UICY-80545
各3,300円 (税込)※3,410円 (税込)
SHM-CD仕様 / 限定盤
解説・歌詞・対訳付

【今後の発売予定】
第3弾発売タイトル
ナイン・ライヴズ(1997年)
ジャスト・プッシュ・プレイ(2001年)
ホンキン・オン・ボーボゥ(2004年)
ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!(2012年)
第4弾発売タイトル
ライヴ・ブートレッグ(1978年)
ライヴ・クラシックス(1986年)
ライヴ・クラシックスII(1987年)
ア・リトル・サウス・オブ・サニティ(1998年)
ロッキン・ザ・ジョイント(2005年)

この記事を書いた人
昭和40年男 編集部
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昭和40年男 編集部

1965年生まれの男たちのバイブル

『昭和40年男』は、昭和40年(~41年3月)生まれの男性のための情報誌。誌面では同年齢の活躍を紹介したり、そろそろ気になってくる健康面をサポートする記事の他、かつて夢中になったあれこれを掘り下げる記事を多数掲載!「故きを温ね新しきを知る」──本誌は、昭和40年生まれのための温故知新を提供できる存在になるべく、「ノスタルジックな想い出が呼ぶ共感」を「明日を生きる活力」に変えることを命題に誌面づくりに奮闘中!!
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