市場価格が2〜3倍も高騰中! チャンピオン・リバースウィーブの価値とは? 

青春時代にレギュラー古着の代名詞だったチャンピオンのリバースウィーブ。そんな安くてかっこいい古着の象徴が、ここ数年でびっくりするくらい高騰している。特に価値の上がっているものを名店ベルベルジンの藤原裕さんに教えてもらった。

‘80〜‘90sのUSAモノが大人気!

「ベルベルジン」ディレクター・藤原裕さん|1977年生まれ。高知県出身。ヴィンテージデニムアドバイザーとしても活躍し、昨年には自身が手掛けるニューマニュアルをスタートし、早くも人気に

日本の古着業界で最重要人物のひとりであるベルベルジンのディレクターを務める藤原さん。大のリバースウィーブ好きである藤原さんに、高騰する現在のシーンを語ってもらった

「ここ3年で徐々に上がった印象ですね。イエール大学のものが、ネットオークションなどで何十万と高額で落とされたことで、潮目が変わった印象です。

タタキタグや単色タグはもちろん、’80年代のトリコタグ、’90年代の刺繍タグで
もボディやプリントの珍しさでは10万を超えるものも増えました。その代表格がミリタリーのもので、あとはイエールを筆頭としたアイビーリーグは高くなっています。

最近だと変わった色のボディが好まれるので、ダートマス大学のグリーンも高騰しています。あとはサイズ。今はなんでもオーバーサイズでなければ動かないので、最低でもL以上は欲しい。あとはパーカの方が数は圧倒的に少ない。ただ探せばおもしろいものが出てきますし、4万円以内でもレアものが買えますよ」

1.ミリタリー|どこか無骨さを感じられるグッドプリントが揃う!

チャンピオンのリバースウィーブは、高校や大学の学生スポーツの市場をターゲットにすることで大成功を収めた。その範囲は、ミリタリーの士官学校なども入っており、その希少性やデザイン性の良さから人気を集めている。その象徴的なのが、USAFAのリフレクタープリントを用いたパーカ。’90年代でも10万円オーバーだ。

USAFA

USAFAとは、United State Air Force Academyの略で米空軍士官学校のこと。安全性を考慮して背中にV字のリフレクタープリントがあり、唯一無二のデザインから高騰。背面のプリントにバリエーションがあるのも深い。17万3800円

AFA

エアフォースアカデミーの頭文字が大きく入ったグッドデザイン。シンボルカラーであるネイビーのパーカボディというのもポイントが高い。人気サイズのXL。10万7800円

刺繍タグと呼ばれる90年代のタグ。1990 年代後半になるとこのタグとほぼ同じデザインでメキシコ製もある。

NAVAL OFFICER CANDIDATE SCHOOL

染み込みプリントが施されたグッドデザインのパーカは、米国海軍の士官学校で幹部候補生を集めたエリート校だ。この仕様はパーカが基本でパンツも存在。5万4780円

このデザインは基本的に’80sのトリコタグが付いている。この年代の方がボディが柔らかく、人気が高い。生地の風合いも微妙に違う。

2.有名大学|アイビーリーグを筆頭にした有名大学のプリントが人気!

今のリバースウィーブブームの火付け役となったイエール大学を筆頭に、アメリカ東海岸の8つの名門私立大学の総称であるアイビーリーグのプリントは人気が高い。また多くのバリエーションやレアなボディカラーも存在するので、珍しい仕様は自ずと高くなっている。ただそれを見つける楽しさもある。

YALE(イニシャルVer.)

豊富なバリエーションが存在するイエール大学の中でも頭文字のYを大きく使ったデザインは人気が高い。グレーボディに染み込みのネイビーというのも◎。10万7800円

これはトリコタグが付いているので’80sと判断できる。サイズがMなので、相場と比べるとお得感のあるプライスとなっている。

UCLA

東海岸のアイビーリーグ以外にも人気が高いのが、西海岸を代表するUCLA。温暖な気候なのか、チャンピオンの営業力なのか、意外と数が少ないのだ。2万8380円

DARTMOUTH

注目株のひとつとなっているのがグリーンボディのダートマス大学。もうすでに価格が上がっているが、ここからも伸びそうな雰囲気。安く見つけたら押さえたい。藤原氏私物

3.人気プリント&レアな仕様|プリントの種類とデザイン、そしてボディで値段が変動!

リバースウィーブがここまで人気を集めているのは、我々が青春を過ごした’90年代でも多くのレアものがあること。古着らしいエイジングとなるプリントは言わずもがな、珍ピオンと呼ばれるようなユニークなボディも存在する。また目無しと呼ばれるプリント向けボディで、未施工のものも人気を集めているのだ。

ひび割れペンキプリント

グッドプリントとしてリバースウィーブ好きの間で知られるプリント。このようにひび割れて風合いのあるペンキプリントは、人気が高く、それが価格にも反映。4万3780円

ブラックのツートーンカラー(スペシャル)

無地は胸に刺繍が入るが、目無しと呼ばれるボディは、プリント用として生産。諸事情でプリントされず、市場に出たため数が少なく、黒のツートンは超希少。14万800円

アウトレット品として販売されたため、タグには切れ込みが入っている。ツートーンがB品として判断されたのだろうが、今では希少。

ターコイズのスナップボタン

スナップボタンタイプのリバースウィーブの中でもレアカラーとして知られているのがターコイズカラー。大きめの作りとなっているので、意外と合わせやすい。2万1780円

主に3つのカテゴリーに分けて紹介したチャンピオンのリバースウィーブ。本誌ではもっと多くのアイテムを紹介しているのでそちらもチェックしてほしい。

【問い合わせ】
ベルベルジン
TEL03-3401-4666
https://berberjin.com

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Pick Up おすすめ記事

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...