学芸大学前にできた、芳醇なコーヒーと感度の高いレザークラフトに会える場所。

東京で小さなカフェというスタイルもいつしかひとつのカタチとして定着してきたきたなか、またおもしろい形態のカフェが生まれた。そこはこだわり抜かれたコーヒーだけでなく、アメリカのレザーブランドの日本発上陸になる直営店という顔も持つ気鋭のスタイル。丁寧に淹れられたコーヒーを片手に、丁寧な手仕事が光るレザーアイテムを吟味できる。こんなカタチも悪くない。

無機質なインテリアの中にある、温かみを感じるアイテムたち。

東京は不動前の目黒川沿いにあるカフェ「TONER」の2店舗として学芸大学駅にできた「B-TONER」はコーヒーとスイーツだけでなく、アメリカはロサンジェルスのレザーブランド「MADE SOLID」の店舗を兼ねた新たなスタイルで登場した。

豆はシングルオリジンのスペシャリティコーヒー(ブラジル産、エチオピア産など)を使う本格派。バリスタ(写真はミユさん)に味の好み(苦味や酸味など)を伝えれば好みに合わせた豆をチョイスしてくれる。ノンカフェインのディカフェにも対応してくれる
ハンドドリップのコーヒーは600円。店内で使っているコーヒーカップはアメリカのバーモント州にあるdust+formにオーダーしたもの。上品な曲線を描く手法が特徴。店内でも同型のカップを7700円で販売している

カフェスペースは不動前の店舗とは違ってコーヒーがメインにスイーツをラインナップ。ショップの奥にはカリフォルニアのレザーブランドであるMADE SOLIDのアイテムを展開する。オリジナルのレザーグッズは、ベジタブルタンニングのレザーを使い、すべてカットや加工、染色なども、クラフトマンであるマックス自身のハンドメイド。もちろん縫製も手縫いで、あえて昔ながらの手法でひとつずつ丁寧に作られるのが特徴になっている。

ショップの奥にはMADE SOLIDのアイテムやセレクトした民藝が並ぶ。大きなモノではトートバッグやレザーを巻いたプランターや過敏など、小物ではキーホルダーやアクセサリーまでそろう。どれもハンドメイドで製作されたクラフトマンシップを感じる仕上がりになっている

プロダクツも幅広く、バッグからベルト、それにカードケースやキーホルダーなど、ジェンダーレスで楽しめる多彩なラインナップが特徴。ひとつひとつがハンドメイドのため、大量生産ができないことも、このブランドらしさ。ひとつひとつ時間をかけて生まれたアイテムたちが持つ温かみやクラフトマンシップを感じるディテールは必見。

どれも使い込むことで、その人ならではの経年変化や風合いになり、愛着の増すプロダクツが真骨頂。

ベジタブルタンニングのレザーを使ったトートバッグ(写真の小さなサイズで6万7000円)やカードケース(手前にある無地のもので1万4300円)など、使い込むことで味わい深くなる素材選びと手縫いで縫製したクラフト感が特徴。スタンプワークやインディゴ染めもすべてハンドメイドになる
手前にあるのはメキシコ製のタイル。スペインの文化を色濃く残す色使いやデザインが特徴。コースターとして使うことをおすすめしている。同じ柄を複数個でも、あえていろいろな柄違いで手に入れて使ってもインテリアが華やぐこと間違いなし

さらにはロサンジェルスにあるショップ同様、メキシコやアフリカで買い付けてきた民藝などもセレクトし、センスの良い空間を作り上げている。

タフでありながら、どこか繊細で、センスのあるデザインは、丁寧にハンドドリップされたコーヒーを片手に、ゆっくりと吟味したくなる。

【DATA】
MADE SOLID TOKYO
東京都目黒区中央町1-1-11 (@b_toner内)
https://www.instagram.com/madesolidmia/
Instagram @madesolidmia

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...

Pick Up おすすめ記事

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...