7400ccのアメリカンフルサイズバン。たくさんの荷物を積んで車中泊も。その乗り味は?

編集部イチのアメリカ車好きであり、自身も数々のアメリカ旧車を乗り継いできた編集部の最古参・ラーメン小池。最近ではLightning、2nd、CLUTCH magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」でも“ライトニングガレージ”という、アメリカ車好き全開の動画連載を開始した。今回は、アパレルのセレクトショップ「デルボマーズ」や「リアルマッコイズ茨城」のオーナーである佐藤さんが所有する「2000年式シボレー・エクスプレス」を直撃し、ドライブに同行して話を聞いてみた。

大きなボディとエンジンは、趣味を満喫させてくれる大切なツール。

趣味で若い頃からサーフィンを楽しむ佐藤さんは、2年ほど前に2000年式シボレー・エクスプレスを手に入れ、リアのスペースをサーフトリップができるようにカスタムを敢行。ロングボードをそのまま積めるようにリアスペースは2階建てにし、上はベッドにカスタム。サーフトリップに友人たちと車中泊しながら行けるように仕上げている。

もともとアメリカのフルサイズバンは、いろいろな職業の商用バンとしても使われているだけに、その可能性はアイデア次第で無限大。ただ、日本ではかなり大きいボディサイズと、7400ccのV8モデルというチョイスが佐藤さんらしい。

シボレーのフルサイズバンであるエクスプレス。商用からパッセンジャーユースまで、ボディバリエーションやエンジンラインナップなど、使う環境に合わせた多彩なスタイルが存在した。その中でもこれはビッグブロックのV8搭載車で、排気量は7400ccというモデル

その理由を聞いてみると「シボレーのアストロも所有しているんですが、アストロはボディも小さめでエンジンはV6。数百kmも走るサーフトリップを考えると、やはりV8エンジンの方が疲れないんですよ。あとは友人たちといっしょに行くならフルサイズバンがいいですね。近所のポイントに1人で行くときにはアストロ、ロングドライブはフルサイズのエクスプレスと使い分けてます」とうらやましいほどのアメリカ車ライフを楽しんでいる。

さらには自宅で使っている薪ストーブに使う薪を運ぶ用にアメリカのピックアップトラックも所有。1台ですべてをまかなうのではなく、使い方によってクルマを使い分けるというカーライフが独特。

2000年式なので内装はそこまで古臭く感じないデザイン。ロングトリップもするので、後付けでナビゲーションシステムをインストールしている。ダッシュボードの上にタコメーターを後付けしているあたりにクルマ好きを感じさせる。それ以外はノーマルをキープしたインパネ周り

その乗り味はというと、多くのクルマを乗り継いで来た佐藤さんも、7400ccのエンジンは力もあるし、大きなボディでも余裕でぐいぐい引っ張ってくれる。最初はそのパワーを持て余して、かなり燃費も悪かったけれど、クルマの性格を知ってからは、無駄の無いアクセルワークが自然と身について燃費も向上したという。

7400ccのエンジンは巨体を軽々と運んでくれる。所有したばかりのころは燃費が悪かったが、無駄に踏まないアクセルワークを憶えてからは燃費も向上したという。狭い道は正直苦手なボディサイズだけど、高速道路の巡航は快適そのもの。そのあたりもアメリカ車ならではである

もちろん、国産車と比べれば燃費は比べものにならないほど良くない。それでもこのクルマが見せてくれる景色や、疲れ知らずでロングドライブできるなど、それ以上に得るモノや充実感があるという。大排気量のアメリカ車に乗っている人たちは、燃費以上の楽しさをクルマに見出している人がほとんど。佐藤さんも燃費の悪さよりも、このクルマではしか味わえない経験を大切にしている。

近所でもかなり目立つクルマなのが困ってしまうけれど、基本的に佐藤さんがチョイスするクルマのボディカラーは赤が多い。このクルマもボディが赤だったことも手に入れた理由のひとつ。今後はグリルなどを替え、兄弟車であるGMCサバナ仕様に近づけていきたいと語ってくれた

アメリカ車の愛好家にはV8エンジンにこだわる人が多いことは、所有して実感したという。アメリカの文化を感じるだけでなく、その力強さやエンジンの独特な鼓動は、元々アメリカンカルチャーが好きな佐藤さんにもライフスタイルに欠かせない1台になっている。

▼ シボレー・エクスプレスの走りはこちらの動画でチェック!

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...