ここに来れば、あらゆる木材が手に入る。“木のエキスパート”、それがT-PLASTER。

家のリフォームやリノベーションを考えた際、例えば「アーリーアメリカンな雰囲気にしたい」とか「ウッディな感じに仕上げたい」と思っても、どんな木を使えばいいのかさっぱりわからない……という人も多いのではないだろうか。そんな人の強い味方が、ティープラスターなのだ。

理想の木材を探すなら、頼りにしたい“木のソムリエ”。

ファクトリーの3階には、“アート系” とも呼べるような、マニアックで美しい木がストックしてある。こうした木は、和食店のカウンターやダイニングテーブルに使われることも多いのだとか

「うちには数百種類の木をストックしています。ここまでの種類が揃うところは、そうはないと思いますよ」。そう話すのはティープラスター代表の水口泰基さん。

ティープラスターでは、木材の販売を行うほか、オリジナル家具の製作やリノベーション、設計・施工まで幅広く行うが、ここにあるレアな木材を求めて、材木のプロたちも買いに来るほど。ティープラスターのファクトリー兼ショールームを見て驚いた。そこかしこに材木が置かれ、中には超希少な木材もストックしている。すべて、水口さんが自分の足で日本や世界を回って集めてきたものだ。

数百種類の木材を揃えるティープラスター。その膨大な木材の数に圧倒されるはず。業者はもちろん、個人の見学や木材の購入も可能なので、興味のある方は、事前にご連絡を

「木に対する知識とセンスには自信があります。お客さんの要望を聞けば、どんな木が合うか、どう使えばいいか、的確なアドバイスができますよ。もちろん施工も出来ますし、木材を売ることもできるので、木のことで悩んだら、是非ご相談ください」そう言い切る水口さんは、まさに“木のソムリエ”と言えるだろう。

ファクトリー1階には、木の捻じれや反り、歪みを修正し、平らに削り加工する「バーチカル」と呼ばれるマシンが設置されている
ティープラスター代表・水口泰基さん。木に関する知識と卓越したセンスは他の追随を許さない。世界中を回り、木を集めている

もともと左官職人という顔を持つ水口さん。仕事で古材などを扱ううちに木の魅力に憑りつかれ、気が付けば、木のプロフェッショナルになっていた。

「例えば木目などは、環境や時代、偶然が作り出すアートなんです。本当に美しい。その木に出会った時に、その木を使った空間のイメージが湧いてくるんですよね。木に囲まれた生活は、幸せだと思います」

木にお悩みのあなた。こんなに木に愛情を注ぐ水口さんに相談に乗ってもらえるなんて、幸せじゃない?

こちらは家具のショールーム。「エコポキシー」と呼ばれる環境に優しい樹脂と木を組み合わせた「レジンテーブル」も人気
ティープラスターでは、オーダー家具の製作も受け付けている。ファク
トリー内では、専門の職人たちが日夜木材と格闘しているのだ
屋久島の地杉を乾燥させている。ちなみに地杉とは、「屋久杉」ではなく、戦後屋久島で植林された杉のことをいう
オーク。耐久性があり木目が美しく、硬さと粘りのバランスがいい。フローリングやカウンターの天板までいろいろ使える

クルミ科の広葉樹であるウォールナット。上は 製材して乾燥が終わった状態で、下は研磨した状態。色のコントラストがはっきりし、木目が美しい。世界三大銘木に数えられる
アフリカを原産とするブビンガ。色味のコントラストが強くゴージャスな印象。硬くて重く、家具などにも使われる
ケヤキ。床の間や床板など、和の用途で使われることも多いが、洋の用途で使ってもいい。木材として最高の品質を誇る
樹齢1000年以上の屋久杉。現在、市場に出回っている屋久杉は、江戸時代に徳川への年貢として伐採され、納められたものの残りだという。「ダイニングテーブルなどに使うのもいいですよ」と水口さん。う〜ん贅沢
2500年ほど前に、火山の土石流で流され、土中に長い年月うずもれていた杉材で、「神代杉」と呼ばれる。こちらは秋田の鳥海山で取られたもので、料理人の方が大きなまな板として使用したいと言っているという

こちらは、ブラックウォールナットに、イングリッシュウォールナ ットを接ぎ木したもので「クラロウォールナット」と呼ばれる。 接ぎ木した部分が独特の美しい木目を生み出している
西オーストラリアに生息するユーカリの一種「ジャラ」。ダイナミックな木目が特徴的だ。「木と出会った時に、空間のイメージが湧くんです」と話す水口さん。このジャラが今後どのように生まれ変わるのか楽しみだ

木の特性を生かしたオリジナル家具はいかが?

アフリカの木材「ブビンガ」で作ったテーブル。非常に硬く、赤褐色に輝く。現在では輸入禁止となっている。

木の節目やクラックをレジン(樹脂)で埋めるのもおすすめ。こちらはブラックウォールナットの節目をレジンで埋めたテーブル。

足場材などでよく使われる杉の古材を使ったテーブル。この乾いた感じが人気を呼んでいる。「床材に使ってもカッコいいですよ」。

屋久杉とレジンを組み合わせたテーブル。ティープラスターではこのテーブルにも使われているレジン「エコポキシー」の販売も行う。

木とレジンの組み合わせ方は、それこそ無限。テーブルやドア、オブジェなどにも使える。お手持ちの木を持ち込んで、レジンで加工してもらうことも相談可能。

現在製作途中のベッド。床板に屋久島の地杉を使い、ヘッドボードには屋久杉を使用。「いろんな森に行きましたが、屋久島は別格です。このベッドで寝たら、屋久島のパワーをもらえますよ」と水口さん。

屋久島の地杉を使って製作した棚。ナチュラル系の仕上げが美しい。虫食いの穴をグリーンのレジンで埋め、アクセントに

木の風合いを生かした皿。上の2つがケヤキ科のカイヅカイブキ、下の2つはパイオニアツリーを使用。工芸品のように美しい。

【DATA】
ティープラスター
神奈川県横浜市南区山谷92 番地
TEL045-516-5910
http://t-plaster.com

(出典/「Lightning 2022年10月号 Vol.342」)