ボディだけの状態から仕上げたカスタムメイド。
「小学校4年生の頃に、セリカを見てから好きになりました」
トヨタが’70年から’06年まで製造・販売していたセリカとの馴れ初めを語るのは、俳優やカースタントマンとして活躍する豊嶋稔さん。20歳の時に’06年式セリカリフトバック2000GTを手に入れることができた。
「子供の頃からの夢だったんですが、若かったこともあって経済的に維持できず、2年ほどで手放してしまいました……」
しかし、東京でカースタントマン、俳優として活動しながらも夢は持ち続けていたという。
「50歳になったら、もう一度乗ろうと思って探していました」
こうして、50歳になる2年ほど前、現在の愛車である’75年式セリカリフトバック1600GTと出合ったのだ。
「関西のとある旧車専門店に行った時、エンジンもパーツもついていない、塗装もされてないボディだけの状態の車両を見つけて、一からレストアしようと思いました」
イメージしたのは、富士スピードウェイで開催されていた耐久レース「富士1000km」で、’73に優勝したターボ搭載のワークスマシンだ。「ダルマ」と呼ばれる先代モデルのフロントマスクを採用しているのが特徴で、2年の歳月を費やしてレストア&カスタムし、オリジナリティをプラス。現在のスタイルが完成した。
「独特のカタチと音が大好きで、普通に毎日乗っています!」
「1975 TOYOTA CELICA LIFTBACK 1600GT」のディテールを拝見!
フジツボ製タコ足エキマニ&ストレートステンマフラー、ロンシャン製14インチホイールなどを装着。
1600GT用の2T-G型エンジンを1750ccにボアアップ。ソレックス製キャブレターは純正の直径40㎜から44㎜に変更した。
油圧、電流、水温計。速度計と回転計を合わせた5連メーターを装備。運転席のシートはレザーに張り替え。ステアリングは1982年物のmomo製キャバリーノに換装。
フロントはダルマの愛称で親しまれる先代モデルのフロントマスクを採用し、社外のカーボン製チンスポイラーを装着。
当時流行したリアウィンドウルーバーを装着して雰囲気をアップしている。
トヨタではリフトバックと呼ばれる跳ね上げ式のハッチバック。トランクが室内とつながったワンルームタイプで、収納力は高い。
取り外し可能でワンタッチで消火できる競技車両用の車載消火器をシート下に常備。火災時のためはもちろん、レーシーな雰囲気作りにも役立っている。
(出典/「Lightning2022年7月号 Vol.339」)
Text/T.Morita 守田二草 Photo/S,Ise 伊勢悟
関連する記事
-
- 2024.08.08
『学生フォーミュラ日本大会』EVクラスに出場の東大チーム、今年も順調にテスト中