ファッションアイテムに隠された逸話を紹介! 銘品の裏にアメリカンヒーローあり。

ライフスタイルの指針のひとつにしてきたアメリカンヒーロー。アメリカンヒーローを語るとき、その人物が身に着けていたものについ注目してしまうもの。彼らが愛用したエピソードを知るだけで俄然そのアイテムのオーラが増し、手に入れたくなる。

音速超えだけじゃない。〈チャック・イェーガー〉は『MA-1 を着て冷戦時代を駆け抜けた。

テストパイロットとして世界で初めて音速を超えた男の記録は映画『ライトスタッフ』でも描かれサム・シェパードがクールにA-2を着こなすが、実際のイェーガーはその後も第306戦術戦闘飛行隊の司令官として冷戦時代のアメリカの槍として任務を果たしている。

チャック・イェーガーが着用した第306戦術戦闘飛行隊のスコードロンカスタム。今季のバズリクソンズのMA-1はアルバートターナー社の実名復刻。9万200円(バズリクソンズTEL03-3632-2321)

〈ビーチボーイズ〉は元々【ペンドルトン】の名でデビュー予定だった!?

’60年代前半のアメリカのサーフ&ホットロッドシーンを牽引したビーチボーイズ。初期の時代にメンバー揃いで着用していたシャツはペンドルトンのもので、ペンドルトーンズというバンド名でデビューする予定だった。

こちらは旧モデルのシャツ。現在はブランドタグが変更されオリジナルボードシャツ ジャパンフィットとして秋冬展開予定。2万1450円(エイアンドエフ)。下は1961年に登場しシャツと共に人気を博したホワイトリーバイス(ライター私物)

〈マリリン・モンロー〉は【B-15C】を着て駐留兵士を慰問した。

朝鮮戦争時、マリリン・モンローが韓国に駐留する兵士を慰問する際、米軍からプレゼントされ着用したフライトジャケットB-15C。実は日本への新婚旅行の途中の立ち寄りで韓国では「Anything Goes」というショーを開演して歓迎を受けた。

着用したのは駐留部隊のモスキートパッチカスタムだったが、こちらはプレーンタイプでムートン襟を省いたモディファイドモデル。7万9500円(バズリクソンズTEL03-3632-2321)

【ハーゲンダッツTシャツ】がハードコア好きの間で特別な理由。

’80年代に活躍したブラックフラッグのヘンリー・ロリンズとマイナースレッドのイアン・マッケイ2人が若き日に働いていたのがハーゲンダッツだったことで語り草になったTシャツ。アメリカンハードコア好きが想いを馳せる1枚。

2021年にアダム・エ・ロペが展開したハーゲンダッツT。表はロゴプリントでバックにはアイスのテイストが書かれたデザイン(ライター私物)

〈ジョニー・ラモーン〉が着こなす【ショット・ワンスター】はひと味違う!!

ラモーンズが愛用しロックミュージシャンのアイコンとなったワンスター613。中でもジョニー・ラモーンは右肩にチェーンを取り付けカスタム。このチェーンは元々東ドイツ警察で使用された手錠であり通称“肩チェーン” と呼ばれる。

ショットのワンスターはラモーンズが着用したことでパンク好きのアイコンとなった。ライダースジャケットの肩にチェーンカスタム!!

【ハワイアンシャツ】の隆盛の陰に〈デューク・カハナモク〉あり。

サーフィンをスポーツとして確立させ、オリンピアンとしても名を馳せたハワイのウォーターマン・デューク・カハナモクは競技生活を終えた後ハワイアンシャツの普及に努めた。1930年代から自身のブランドもスタートさせている。

ヴィンテージを再現したサンサーフ「デューク・カハナモク」レーベルから。抜染プリントのパイナップルがクラシカル。2万3100円(サンサーフTEL03-3632-2321)

1956年の〈エルヴィス・プレスリー〉は【ナッソージャケット】と共に全米を制覇!!

映画『監獄ロック』からプライベートまでエルヴィスが愛用したカピストラーノのストライプ柄ナッソージャケット。リゾート用に作られたシンプルな3 つボタン型。1957年の全米ツアーの際もナッソージャケットをまとっていた。

エルヴィスが着たヴィンテージをもとに再現した706ユニオンのナッソージャケット「CAPISTRANO ELVISSTRIPE」。6万8200円(706ユニオンinfo@706-union.com)

アンダーグラウンドヒーロー〈ロバート・クラム〉のことをもっと知ってほしい!!

’60年代に興ったアメリカ・アンダーグラウンドコミックスを代表する漫画家ロバート・クラム。彼が生み出したキャラは社会風刺やドラッグカルチャー、ヒッピーなどが入り交じり、’60年代アメリカにおけるカウンターカルチャーの象徴に。

ロバート・クラムが描く最も有名な絵をプリントした「Keep on Truckin'」T シャツ。彼はジャニス・ジョプリンの『チープスリル』でアートワークも手掛けている。6490円(アスTEL03-5779-7908)

スケーターなら誰もが憧れた〈マーク・ゴンザレス〉の【ゴンズジャケット】!!

レジェンドスケーターであり、現在もアーティストとして活躍するマーク・ゴンザレス。彼のファッションはストリートに多くの影響を与えたが、最も有名なのは“ゴンズジャケット” と呼ばれるG8 WEPだろう。シュプリームのスウェットと合わせたルーズな着こなしに誰もが憧れた。

WEPは1960年代に米海軍で採用されたもので正式名称はJ-WFS。こちらはバズリクソンズのウィリアム・ギブソンコレクションのブラックモデル。4万7300円(バズリクソンズTEL03-3632-2321)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)

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