俺の煩悩を刺激する、新たなる相棒。「FOUNTAINHEAD LEATHER」のZETA

欲しいモノが尽きないライトニング編集部員が、いま気になるモノから実際に購入しちゃったモノまで、ジャンルに限らず何でも紹介!

今回は「最近、同時にザ・リアルマッコイズのA‒2も購入。2着に愛を注がねばならず、革ジャンの着込みに忙しい日々を送っている。マジで身体が2つ欲しいと思う今日この頃なのです」と語る、革ジャンの伝道師・モヒカン小川がお届け!

FOUNTAINHEAD LEATHERのZETA

人間の欲望というものは、際限がない。先人たちは、そんな愚かな人間への戒めを込めて、哲学や宗教を生み出した。食欲、性欲、睡眠欲だけにとどまらず、サボりたい欲、呑みたい欲、逃げたい欲、遊びたい欲……ありとあらゆる“欲望”が、人の心を覆いつくし、正常な判断を鈍らせる。俺の場合、これに“革欲”が加わってしまうのだから、手に負えない。人間の煩悩は108個あると言われている。ということは、108着の革ジャンを手に入れた時に、俺はこの「革の煩悩」から解放されるのだろうか。否、そんなはずはない。俺のことだから、きっと109着目の革ジャンに手を出すはずに違いない。まさに無間地獄である。

デュラブル社製のダブルをモチーフに現代的にアップデート。1.5㎜厚の渋鞣し・顔料仕上げの馬革を採用し、特有の光沢感とワイルドな経年変化が楽しめる。19万8000円

そんな愚かな俺が最近手に入れた「新たなる煩悩」が、ファウンテンヘッドレザーのニューモデル「ゼータ」だ。「またライダースを買ったの?」という呆れ声が聞こえてきそうだが、煩悩に塗れた俺には全く気にならない。だってカッコいいんだもん。エポレットにスターの付いた、いわゆる「ワンスタータイプ」は、ショット・ワンスターを筆頭に何着も所有している。

しかしこのゼータは、映画『乱暴者』でマーロン・ブランドが着用していたデュラブルをモチーフにしているため、ショットとは一味違った味わいがある。袖のジッパーも、ワンスターと異なり、外側についているしね。袖を通してみると、アームホールも細くてスタイリッシュで、オリジナル特有の野暮ったさが一切ない。顔料仕上げらしい光沢感も楽しめ、煩悩が一つ増えたのにもかかわらず、俺の心はルンルンなのだ。

煩悩上等。悟りや解脱も求めまい。俺は、この「革の煩悩」と一生添い遂げながら、閻魔様が羨むような、思いっきり幸せな人生を送ってやろうと思う。

1.5㎜の渋鞣し・顔料仕上げの馬革を使っており、着込むほどに荒々しい皺が刻まれるのが特徴。着用約1カ月で、写真の皺が刻まれた
オリジナルのデュラブルの意匠を忠実に再現しており、エポレットの星型スタッズは、爪式ではなくネジ式の仕様となっている
レザーのプロフェッショナル達が集まり作り上げたジャパンブランド 「FOUNTAINHEAD LEATHER」。 海外を中心に人気を博している

【問い合わせ】
マスファルト 
http://www.masphalto.jp/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2022年5月号 Vol.337」)