ガレージではなく、ここはショールーム。
誰もが驚くようなガレージを所有している人に、にわか愛好家はほとんど存在しない。みんな幼少期から旧いクルマやバイクに触れていて、ずっとそんな世界を愛し続けた結果がガレージに行き着いたというケースがほとんど。よく飽きもせずにやるよねと思っている人にはできないスタイル。純粋に好きなことに正直に生き続ける、継続こそが力なんだと思い知らされる。
ここに紹介するゲリーもそんなガレージを持つ一人。今年で84歳という大ベテランだけど、今でも自らクルマを整備、カスタムし、運転もするという。
父親の影響でクルマ好きになり、1956年には初めてクルマをビルドしたという年季の入り方。だからガレージを持つようになるのは必然。しかも驚くのは自宅を改装して1階をショールームに、地下にガレージを作ってしまったというから恐れ入る。もはや生活のど真ん中にクルマやバイクがあるわけだから、治す薬はない模様。取材させてもらうこちらとしては逆に気持ちがいい。
家族に申し訳なくて自宅の離れにガレージを持つ人が多いなか、自宅の中心にクルマを並べたその「好き」加減はもはや誰も止めることができない様子。これからも好きなクルマに囲まれて、ガレージライフを満喫したいと言っている。長寿の秘訣はクルマいじりなのかもしれない。
愛車の数々もご紹介!
フロントに美しいフレイムスがペイントされた’40年式フォード・デラックスは見た目は旧いけど、足周りなどはアップデートされたストリートロッド仕様になっている。
ルーフをチョップすることで低いスタイリングを手に入れた’39年式シボレー・クラブクーペも快適に乗ることができるように各所をアップデート済み。ストリードロッドが大好物である。
ビルド中の’34年式フォード。数台のクルマを同時並行で作業しているというから、もはやプロのメカニック級。
ビルド中のマシンはまだフレームにエンジンが載っただけ。フラットヘッドV8にスーパーチャージャーを搭載している。
クルマだけでなくモーターサイクルも大好物。写真に写っているインディアンは1940年式スカウト、1941年式スカウト、1948年式チーフなど。そのほかにもここには写っていないけれど、1960年式ハーレーのパンヘッドも所有している。
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年齢を感じさせない、この興味へのあくなき探求心。長生きの秘訣も、もしかしたらここにあるのかも知れない。
(出典/「Lightning 2021年6月号 Vol.326」)
Text/S.Koike 小池彰吾 Photo/P.Torres ピーター・トーレス
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