インダストリアルファニチャーはグリーンや和のテイストで引き立つ。
「インダストリアルファニチャーの魅力はアレンジすることにあると思います。この空間はあえてグリーンや和のテイストを織り交ぜることで、リラックスできる雰囲気にしているんですよ」と菊池さん。
例えばミルスペックのミリタリーウエアを工夫することでファッションとして着こなすような感覚で、菊池さんはインダストリアルファニチャーを楽しんでいる。
マンションの1室にあるハイライトの菊池さんのアトリエ。住居スペースにヴィンテージのインダストリアルファニチャーをうまく落とし込んだショールームのような空間になっている。白を基調にしながら植栽などを盛り込んで無機質になりすぎないようにしている。
ミッドセンチュリー期を彷彿させるようなアトミックデザインのランプ。これをミックスするセンスが菊池さんの真骨頂。
インダストリアル系のランプの中でも人気が高いのが、1920年代以前に流行したジャパンカラー。横はメダカの水槽。
無機質なインダストリアルファニチャーとドライフラワーの枯れた風合いがマッチ。これだけでかなり洒落た印象に。
ラックハンガーラックもインダストリアルファニチャーを使っている。小振りなサイズを選べば日本の住宅でも似合う。
随所に植栽を置くことで、インダストリアルファニチャーによる無機質な空気感をうまく中和できる。これは非常に重要!
インダストリアルの聖地というべき、菊池さんのショップ。
恵比寿と代官山の中間あたりに位置する「ハイライト」の店舗。サンルームがある空間なので、ほどよくリラックスした雰囲気が漂っている。インダストリアルな空間作りを目指すなら、まずは訪れるべき店だ。参考になるポイントが満載で、ヴィジョンが明確になること間違いない。
入り口から入るとすぐに半階段があり、奥にはヴィンテージのインダストリアルファニチャーが並ぶ。値札がなくても基本的にはすべて売り物だ。
「ハイライト」の中でも圧倒的な雰囲気となっているのが、天井に飾られたドライフラワー。オープン当初は青々しかったが、現在は完璧なドライ状態に!
日本の住宅にも合いそうなコンパクトなサイズ感のインダストリアルファニチャーも並ぶ。すべてアメリカで買い付けており、コンディションも重視。
インダストリアルファニチャーのテイストを取り入れてみたいなら、まずはこのような金属製の小物はいかがだろう。レアな時計なども数多く取り扱っている。
ショップのディスプレイは、細かな部分まで菊池さんらしいセンスが感じられる。この絶妙なミックス具合は、見るだけでかなり参考になるはず。
インダストリアルファニチャーに合う旧いキッチンウエアも置いている。アメリカで買い付けたものが中心だが、和物も取り扱うセンスはさすが。
◆
インダストリアルファニチャーはもともとは工業用に作れたものなので、デザイナーズのように置くだけでお洒落にはならない。ひと工夫加えてこそ、インテリアとして輝く。その魅せ方を考えるのが、この手の家具の醍醐味なのである。ぜひお店を訪れてみてほしい。
【DATA】
HIGHLIGHT
東京都渋谷区恵比寿西2-12-15 フェルテ代官山101
TEL03-3770-5501
http://high-light.jp
(出典/「Lightning 2020年3月号 Vol.311」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Tsuji 辻茂樹
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