今回は、新潮社のネット通販で「太宰治『斜陽』直筆原稿Tシャツ」を購入し、「太宰直筆の直しや担当編集の指定赤字まで入った原稿が胸にプリントされている。三島も出ないかな。」という実は文学青年(?)の革ジャン評論家・モヒカン小川がお届け!
革ジャンを愛する者ならば、このコラボは見逃してはいけない。
『週刊新潮』や『FOCUS』などを立ち上げ、「新潮社の天皇」と呼ばれた伝説の編集人・齋藤十一氏は、当時『FOCUS』の創刊コンセプトを聞かれ、こう答えたという。
「きみたちは人殺しの顔が見たくはないか?」
この明快さ、この切れ味。たった一言で人々の心を掴み、自らの意図を瞬時に相手に理解させる研ぎ澄まされたコンセプト。“写真週刊誌”という言葉すらなかった1981年にあって、写真週刊誌の本質を言い当てたこの一言が、その後の出版ジャーナリズムに大きな影響を与えたのは言うまでもない。
いやしくも出版業界の末席に名を連ねる身としては、こんな切れ味鋭い言葉を、いつかは世に発してみたい……と常々思っていた。というわけで、不肖モヒカン小川、今回初めて言わせていただきます。
「きみたちは、『ファインクリークレザーズ』の革で作ったブーツを、履いてみたくはないか?」
「Duoford」のLOTUS(ロータス)/BECK(ベック)
このたび、革ジャンファン、ブーツファンを熱くするニュースが舞い込んできた。なんとファインクリークレザーズの人気モデルと同様の馬革を使ったブーツが登場したのだ。
製作を手掛けるのは、美しいブーツ作りに定評のある「メイカーズ」で、今回はローパーブーツとレースアップの2種類がリリースされる。
「ファインクリーク」の革ジャンのヘビーユーザーである俺にとって、これは、齋藤十一氏の言葉を拝借したくなるほどの、ビッグニュース。きっと、恐ろしいほどに色気のあるエイジングを見せてくれるに違いない。
聞けば、「メイカーズ」と「ファインクリーク」は、ともにタッグを組み、“Duoford(デュオフォード)”という新しいブーツブランドを立ち上げたという。
一過性のコラボではなく、継続的にニューモデルをリリースしていくというから、何とも嬉しい話ではないか。発売はまだ先とのことなので、とりあえず俺は、言葉を研ぎ澄ましながら、このブーツの到着を待つことにしよう。
【問い合わせ】
Duoford
Instagram:@duo_ford
(出典/「Lightning 2021年4月号 Vol.324」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章
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