4ページ目 - アメリカの3大自動車メーカー“ビッグスリー”とは?その主要ブランドと歴史を知る。

3.CHRYSLER(クライスラー)

1925年にウォルター・クライスラーがチャーマーズ、マックスウェル両社を合併して自社の自動車を販売する会社として設立したクライスラーは、1928年にプリムスデソートというブランドを設立。さらに翌1929年にはダッジ・ブラザーズを買収し、ラインナップを強化する。また1955年には高級車ブランドとしてインペリアルを設立など、自社内での多ブランド化を図っていく。

1970年代に経営危機となると、フォードの社長を務めていたリー・アイアコッカが1978年に社長に就任。その後数多くの部門を売却することで経営危機を乗り切っている。一方1987年には、フランス・ルノー傘下だったアメリカンモーターズ(AMC)を買収し、同社傘下だったジープを手中に収めることとなる。

現在所有しているブランドは「クライスラー」「ジープ」「ダッジ」「ラム」の4ブランド。そのうち日本でも展開しているのは「ジープ」のみ。GM同様に、2010年には経営破綻しているが、それ以前の度重なる経営危機を乗り越えるうちに、創業直後に設立されたプリムス、デソート、そしてインペリアル、イーグルも姿を消している。

CHRYSLER(クライスラー)

1925年にウォルター・クライスラーが前年に発表したクライスラー6発売のために設立した会社だ。その後1929年にはダッジブラザーズを買収し、ラインナップを拡充した結果、アメリカビッグ3の仲間入りを果たす。クライスラーという名は、フィアットと合併した現在でもブランド名として存続している他、社名にも残っている。

DODGE(ダッジ)

1901年にジョンとホラティウスのダッジ兄弟によって設立された自動車部品会社にルーツを持つ。その後フォードモーターと業務提携をして多くの部品を納入していた。その後自社でも自動車の製造を開始し、フォードとは袂を分かつこととなり、1928年にクライスラーに吸収合併されてしまう。ブランドは現在でも存続中だ。

【廃止】PLYMOUTH(プリムス)

プリムスはクライスラー内で1928年に設立されたブランド名。当初は安価でパワフルなラインナップが特徴だったが、ダッジも似たようなラインを発売するなど、クライスラー内には他メーカーのような上下のブランド差別は明確に行われていない。2002年のグランドボイジャーを最後にブランド名は消滅してしまう。

 

このように、アメリカのモータリゼーションを支えたビッグスリーは、アメリカの富の象徴であると同時に、時代の荒波にもまれ、度々危機に見舞われつつも現在まで続いている。この3社でアメリカ車のほぼすべてを網羅してしまうという存在感は永遠なれ。

(出典/「別冊Lightning Vol.164 オールドアメリカンカルチャー」)

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モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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