世界が注目する日本人カスタムビルダー・木村健吾のカスタムバイク10選。

いまや世界が注目する日本人カスタムビルダーの一人、木村健吾。平和モーターサイクルを主宰する彼の手で生み出されるカスタムバイクは、美しい造形美で構成されながらも、軽快なストリート感を両立させるという唯一無二のスタイルを持つ。そんな彼の過去作品を一堂に集めたイベントが、去る6月に広島駅近くにある商業施設「パセーラ広島」で開催された。

「平和モーターサイクル」木村健吾さん|2005年に広島に創業した平和モーターサイクルの代表兼カスタムビ ルダー。手掛けた車両はHRCSをはじめ国内外のカスタムイベントで高い評価を獲得。カスタムシーンを牽引するトップランナーの一人と して知られる

そもそも木村さんに限らずビルダーが手掛けた車両は、オーナーへ納車されるため、過去の作品が数台集まるだけでも十分珍しい。しかし数々のカスタムショーを総なめにしてきた平和モーターサイクルのバイクがズラリと並ぶのは、もはや奇跡といっても過言ではない。そんな極上バイクが織りなすアート空間は、バイクファンだけでなく、普段バイクに接していない人たちですら、足を止めて見入ってしまうほど。

木村さんのプロフィールと共に飾られるのは、平和モーターサイクルのオリジナルキャップとTシャツ。 平和ファンならぜひ手に入れておきたい
会場の一角には、これまで横浜ホットロッドカスタムショーで獲得してきた盾が何枚も飾られている。 改めて木村さんの輝かしい功績を再確認したい

また会場ではオリジナルアイテムの展示・販売やピンストライパーによるライブペイントも行われ、平和モーターサイクルの世界観を存分に打ち出した。現在このイベントは終了となってしまったが、すでに8月より第2回が開催中。興味がある人はこのチャンスを逃さずに、3密を避けつつ足を運んでいただきたい。

大好評につき、第2回が開催中!

今回カスタムバイクを撮影させてもらったイベント「カスタムワールド」が現在、好評につき第2回を開催中。場所は第1回目と同じくパセーラ広島の2階会場。展示車両は前回とは異なるため、また新たな平和モーターサイクルの作品が堪能できる。詳細はInstagram@heiwamcをチェックしよう!

【DATA】
開催場所/パセーラ広島 (広島県広島市中区基町6-78)
開催日時/開催中〜9月30日(水)
TEL082-502-3515
http://www.pacela.jp

アートと称されるカスタムバイクの貴重な10作品を紹介!

1.Master Peace|1963 Triumph TR6

横浜ホットロッドカスタムショー2016にて欧州車で初めて優勝を獲得した車両で、他イベントでも多くのアワードを受賞。直線が際立つ意匠ながらも、細部は凝った造形が詰まった平和モーターサイクルの集大成ともいえる一台。

2.RnineT Scrambler No.001|2016 BMW RnineT Scrambler

2017年にBMWが主催したカスタムプロジェクトにて製作。トラスフレームを強調しつつ、リアフレームのほとんどを変更。細部まで作り込まれたショーバイクならではの造形だが、日常使いできるような気軽さも両立させた。

3.Bull Pigeon|H-D Shovel Head

国産車や欧州車を手掛けることの多い平和では珍しいショベルヘッドのカスタム。すべてのパーツをワンオフで製作しており、木村さんの技術がふんだんに詰め込まれた一台。2015年のホットロッドカスタムショーにも展示された。

4.Darty Pigeon|1971 Triumph TR6

水平な直線を基調としたトライアンフ。前後同径のホイールやナローなスタイルなど美しい造形が際立つ。前年に続き2017年のホットロッドカスタムショーで優勝し、二連覇を果たした車両として知られる。

5.SR400 No.007 ONE SHOT|YAMAHA SR400

数多くのSRのカスタムを手掛けてきた木村さんが“最もカスタムしたSR” と語る車両。外装だけでなくボアアップ、ハイカム、ビッグフィンなど機関系にも手が入る。2012年のニューオーダーチョッパーショーでの受賞車両。

6.SR400 No.014|YAMAHA SR400

かつて2015年に木村さん自身が乗るために製作したSR400(現在は別オーナーが所有)。ショーバイクとは異なる等身大のストリートスタイルが好印象。国内はもとより、海外からも注目されている一台。

7.ADRIAN|1974 BMW R75/6

エンジンの存在感に負けない肉厚なタイヤを履かせてフォルムを構築するなど秀逸なバランス感がポイント。2018年のホットロッドカスタムショーではトンプソンズピックを獲得。現在は中国の西安ミュージアムにて展示中。

8.TRIWA|1958 Triumph TR6

2014年のホットロッドカスタムショーにてBEST of Europeを獲得。スーツケースのRIMOWAのプロモーションにも登場した一台。細部まで手の込んだ作りこまれており、木村さんの高い技術力とセンスが確認できる。

9.ST250 No.001|2005 SUZUKI ST250

所有者のオーダーによりスクランブラースタイルにカスタムしたST250。VMXが好きな木村さんが手掛けただけあって、バランスのいいスクランブラーにスタイルチェンジ。この作品以降STのカスタムも手掛けるようになった

10.ST250 No.002|SUZUKI ST250

今回のイベントのために制作したカスタム車両。フレームの内側を通したマフラーで現行車らしさを残しつつ、旧車のアルミタンクを使うことでVMXらしさを演出。サイケデリックな塗装はLOUさんが手掛けている。

広島在住、周辺にお住まいの方は現在開催中のイベントをぜひ訪れてみてほしい。ここで紹介したものとはまた異なる、感動的なカスタムバイクが出迎えてくれるはずだ。

(出典/「Lightning 2020年9月号 Vol.317」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
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