世界最古の服飾工業パーツ“ファスナー”を使ったアクセサリーに注目!

  • 2021.10.24  2021.02.04

我々が日常的に使っているメタル製品のひとつ、ファスナー。そのルーツを辿ると、現在目にするようなカタチではなく、なんとも無骨な荒々しいものであった。そんな服飾工業パーツに惚れ込み、それをアクセサリーへと昇華させたブランドを尋ねた。

歴史に埋もれた珍奇な服飾工業パーツに美しさを見た。

インダストリアルといったテイストに注目が集まる昨今のトレンド。しかし歴史に埋もれ世間一般にはあまり知られないインダストリアルプロダクツがある。それはファスナーやボタンなどの服飾工業パーツだ。

知られざる魅力的な服飾工業パーツの世界。ファスナーの誕生は19世紀末の1890年代。ヨーロッパの万博で登場した歴史を持つという

煌びやかな世界であるファッションでも、生地などはデザイナーがゼロから作ったりするが、ファスナーやボタンなどの服飾工業パーツは既存のものが使われることが多いという。なぜ自分たちでそのパーツを作らないのか? そこに疑問を持ち、この世界を開拓していったのが、アンバージェイドの代表、井上氏である。

「アンバージェイド」代表・井上典聖さん|アパレル業界を経てジュエリーの世界に転身。煌びやかなジュエリーより、錆びや傷、凹みなど無骨なものが好み。そのため自身のブランドを「インダストリアルジュエリー」と呼ぶ

「元々服飾関係で働いていたのですがその旧態前なシステムもあり、そして僕自身、ヴィンテージ古着が好きだったこともあり、その世界最古のファスナーのデザインを自分で作りだしたいとの思いから独立。アンバージェイドを立ち上げるに至りました」

井上氏が自身の作品を収納しているサンプルケース。米軍のプラグケースを利用している。アンバージェイドのインダストリアルなデザインが引き立つ見せ方だ。井上氏のファクトリーにはこのような製品が転がっている

そんな稀有なブランドが作り上げるアクセサリーには、男心を惹きつける魅力がある。表面の荒々しさや素材のくすみ、そして工業パーツとは思えない得も言われぬような珍奇なデザイン……。

「この世界に興味を持つほど惹かれていきました。アンバージェイドのアイコンでもある世界最古のファスナー『ザ・オリジナル』はまさにその見本ですね」

M.P.Z. 1万6000円

最古のファスナーのひとつといわれる「メールポーチジッパー」。郵便用の袋に使われていたが、そのサイズは大人の手のひらほど巨大。その形状をペンダントヘッドに落とし込む。素材はシルバー925とブラス(真鍮)だ

The Zip 6万3720円

1890年後半に登場した、ファスナーの起源で最古の形状のひとつと言われる「ザ・オリジナル」。その形状を、シルバー925を使いブレスレットに。伝統工芸士が経年変化に使う灰汁を使い、迫力のあるエイジングを施した。

Quick Release Belt 4万2120円

英国の消防士が使用しているクイックリリースベルト。バックルが開き素早い着脱が可能。そのギミックにインダストリアルデザインを加えて再構築。ベルトに付けられたファスナーの飾りは1つ4000円で追加可能だ。

Hook& Eye 予価7万5600円

O.C.ホワイト社が1920~40年代に生産していた、デスクランプのアーム部分をモチーフにしたカラビナ。ブラスとシルバー925を使い、井上氏自身の手で作られていく。重厚なインダストリアルデザインの見た目通り、重い。

The Zip Pendant 1万6200円

「ザ・オリジナル」と呼ばれるファスナーのエンド部分がモチーフだ。ブラスとシルバー925をレイヤーしたデザインや、シルバーのみを使いくすみ感を全面に出したものなど、様々な表情を持つ。

Time Locker 7万5600円

ハンドメイドで製作されているパドロック(南京錠)もインダストリアル製品のオマージュが落とし込まれている。それは「バルジュー72」という名作クロノグラフのムーブメント形状。分解構造にもなっている。

Change-Button Pendant シルバー1万260円、ブラス4860円

ヴィンテージのカバーオールなどに使われるチェンジボタン。その造形美も井上氏の心に突き刺さる。世界中から集めたチェンジボタンのキャストを取り、ペンダントヘッドとして再構築している。

The Zip Ring 3万2400円

シンボリックな形状の「ザ・オリジナル」のエンド部分のデザインをリングに落とし込んだ逸品。伝統工芸士が使う灰汁と硫黄を使い、独特なくすみを金属表面に落とし込んでいる。なおこの形状はブランドアイコンでもある。

井上氏のファクトリーに飾られるヴィンテージファスナーの額装資料。1905年に開発されたシーキュリティと呼ばれるフック&アイ形式ものから、そのフックが省略された1912年のフックレスNo.1など様々だ

【商品問い合わせ】
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TEL03-3770-5501
http://high-light.jp

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning 2017年12月号 Vol.284」)

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