迫力満点! チーズの海! アメリカンなピザが食べられるおすすめ店3選。

カロリー度外視で、たまにはボリューム満点のアメリカンフードを食べたくなるもの。定番のハンバーガーやステーキもいいけれど、今回取り上げるのはピザ。イタリアとはまた違う進化を遂げて現在に至る、アメリカならではのニューヨークスタイルピザやシカゴピザを紹介!

1.【TONY’S PIZZA(トニーズピザ)】ニューヨークスタイルのパイオニア。|吉祥寺

1/4にカットしたサイズが1人前。写真はフレッシュトマトのシンプルなピザで、濃厚なチーズにさっぱりとした味で大人気。935円

東京・吉祥寺に日本におけるニューヨークスタイルピザの先駆者である名店がある。マスターの藤原さんは、1961年にジョン・F・ケネディの演説に影響され、ニューヨークで政治を学ぶも、翌年にケネディが暗殺されたショックで方向転換をしたという経歴を持つ。当時住んでいたアパートの1階にあったピザ店で修行し、1968年、代々木に最初の店をオープンした。

マスターの藤原亀吉さん。ニューヨークでピザを学び、1968年に代々木に店をオープン。’82年に吉祥寺に移転。50年以上ピザを作り続けている

当時、イタリアンピザはあちこちで食べることができたが、薄生地のニューヨークスタイルはなかったという。日本人の口に合うよう改良を重ね、様々なチーズを試してようやくたどり着いたのが、現在の味だ。

1枚で4人前。右側半分が肉と野菜の定番のミックス、左側がパイナップルとベーコン、上がトマト。
3種類のチーズをまんべんな くかけて焼く。「チーズは順番と量がとても重要なんですよ」

生地を伸ばすとき打ち粉をするのが通常だが、ここでは一切していないため、薄生地なのに時間が経ってもモチモチ。そこに6〜7時間煮込んだトマトソースを薄く伸ばし、具材をたっぷりと載せる。ポイントは選び抜か
れた3種類のチーズだ。順番と量を間違えると、美味しさは半減してしまうという。

集中力と長年の経験が、50年以上も愛される理由なのだ。他とは一線を画すトニーズの味を一度味わってみて欲しい。

吉祥寺にオープンしてからまったく変わっていない店内。アメリカの家庭のような雰囲気をもつ、とても懐かしい空間。ゆっくりと寛げるのがいい

【DATA】
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-9
TEL0422-49-1021
営業/11:30~21:00
休み/月曜

2.【PIZZA SLICE(ピザスライス)】これぞニューヨーカーが愛するスライススタイル。

人気のペパロニスライス。薄生地でカリッという食感がたまらない。1/8サイズと手軽に 食べられるので、買い物の合間のおやつにもぴったり。500円

ニューヨーカーにとってのピザはハンバーガーと同様、ファストフードのひとつ。薄くて基本的にトッピングは少なめ、片手でも手軽に食べられるよう、1枚丸ごとではなく、スライスしてサーブするのがニューヨークスタイル。

レギュラーの6種類のピザにトゥデイズスライスを加えた7種類を用意。8等分にカットされ、注文が入るとこのケースから出してくれる。まさにニューヨークスタイル!

ピザスライスは、20インチのピザを1/8にカットして1枚ずつサーブするというスタイルのピザ専門店。薄い生地にソースを塗り、トッピングとチーズを載せて焼く。生地とチーズの表面の焼きめのカリッという食感と、チーズの内側のとろりとした食感がバランスがいい。薄生地で重くないので、何枚でも食べてしまいたくなる美味しさだ。人気なのはチーズスライスとペパロニスライス。シンプルゆえに素材の味がしっかりと味わえるのが魅力。

ボックスもかっこいい

ニューヨークだけでなくアメリカのストリートカルチャーではファッション感覚で食べられているニューヨークスタイルのピザ。ピザスライスのピザを食べながら、ニューヨーカー気分を味わってみてはいかが。

気軽にピザが食べられること から平日の昼間でも続々と店内に入ってくる。場所柄もあってか若年層が多く、ファッショ ナブルな雰囲気が漂う心地のいい空間だ。テイクアウトもできるぞ
渋谷と代官山のちょうど中間に店はある。鉄格子のある大きな窓の海外のカフェのような外観が目印だ

【DATA】
東京都渋谷区猿楽町1-3
TEL03-5428-5166
営業/11:30〜23:00
休み/不定休
http://store.united-arrows.co.jp/shop/hby/pizza/

3.【Devil Craft(デビルクラフト 自由が丘)】まるでパイのよう! インパクト大のシカゴピザ。

ミラノサラミ、ナポリサラミ、ペパロニ、自家製ソーセージ、イタリアンソーセージとこれでもかと肉とチーズをトッピングしたミッツァ。底面の生地は薄いので肉料理を食べている感じ。Lサイズ3980円

日本ではまだ認知度の低いシカゴピザ。アメリカ・シカゴのご当地グルメで、見た目はピザというよりパイといったところ。このシカゴピザを東京で初めて提供したのがデビルクラフトだ。

シカゴピザの特徴は、土手を作った生地の内側に、様々な具材をたっぷり入れて焼いていること。ニューヨークスタイルとは真逆の発想で、ナイフとフォークを使って食べるのがスタンダードだ。耳の生地が厚くなっているので、一見するとほとんどが生地なのでは? と思うかもしれないが、実は底面の生地は薄い。普通に切り分けると肉などの具材のほうが断然勝っている。

デビルクラフトといえばクラフトビ ール。16種類提供しているうちの、 半分は自家製だ。人気のジューシーIPAは柑橘系のアロマとフレー バー、軽やかな苦みが特徴で、7%とは思えない飲みやすさ。1100円

食べ方としては、耳を切り分けて、そこに具材を絡めるとバランスよく食べられるはずだ。じっくり煮込んだトマトソースは少し濃いめの味付け。そこにたっぷりのチーズが入れば、ビールと合わないわけがない。デビルクラフトは、自家製のクラフトビールも製造しており、他では飲めないビールを味わえるのもウリ。シカゴピザとクラフトビールのマリアージュをご堪能あれ。

自由が丘的から徒歩2分の昨年7月にオ ープンした自由が丘店。場所柄もあってバ ーをモチーフにした姉妹店と異なり、テー ブル席を多くし、明るい雰囲気なのが特徴。昼間や休日は子ども連れで訪れる家族も多いそうだ

【DATA】
東京都目黒区自由が丘2-12-18 ジェイパーク自由が丘
TEL03-5726-9072(予約はWeb予約にて)
営業/水〜金曜17:00〜22:30、土曜14:00〜22:30、日・祝日14:00〜21:30
休み/月・火曜
http://www.devilcraft.jp

アメリカに行かずしても味わえる本場のピザ。ぜひご堪能あれ!

(出典/「Lightning 2020年5月号 Vol.313」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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