あの頃遊んだ懐かしの「ペダルカー」の“中古車市場”をチェック!

1960年代〜1980年代初頭まで日本の子供たちの間で一大ブームを巻き起こしたペダルカー。40代半ば以上の人にとっては子供時代にタイムスリップさせてくれる懐かしの名車の世界をお届けしよう。

日本のペダルカーといえば、スモールバード!

40代半ば以上の人にとっては懐かしの「ペダルカー」。今回は一時期250台以上所有するなど日本一コレクターとして知られる茨城県潮来市のヘアサロン「lap lage」の中根丈彦さんのコレクションとともにヴィンテージペダルカーの世界を覗いてみよう。

そもそもペダルカーの歴史は古く、登場は1890年代に遡るそう。当時は実車をモデルにしたもので貴族の子供たちのおもちゃとして少数生産されていたという。その後、’50年代頃までは欧米モノが中心だったが、その状況を変えたのが’60年代に日本のモーリ社が発売した「スモールバード」だ。

実車にはないが近未来的なデザイン、景気がよかった高度成長期とも相まって年間1万台以上、累計10万台以上販売し一大ブームを築いた。その後もモーリ社以外に、ワールド、トシマ、ミズタニという日本の4大メーカーが業界を牽引。’60〜’70年代に子ども時代を過ごした人なら誰もがどれかにお世話になっているはずだ。

’70年代に入るとボディがプラスチック製、駆動も足こぎから電動に変わってきたことで人気も衰退。現在ヴィンテージ市場でも人気があるのはブリキ製の足こぎタイプ。それほど価格も高騰していないので、コレクトしなくても、昔遊んだモデルをディスプレイしておくというのもノスタルジックな趣味としてアリかもしれない。

教えていただいたのはこの方・・・「la plage」オーナー・中根丈彦さん

美容師のかたわら、ベーゴマ、空き缶、クルマやホンダの小型バイク、自転車、ペダルカーなど旧いものならなんでも大好きというコレクター。ペダルカーに関してはコレクションと知識は間違いないく日本一だろう。

ペダルカーの市場価値を知る!

1960年代〜1980年代初頭までに作られたモデルが主流で、ボディがブリキ(〜’70s初頭)かプラスチック(’70s以降)、また保存状態で価格は変わるが、比較的買いやすい価格帯といえる。

スモールバード(1960s後半/モーリ)

日本のペダルカーの歴史を語る上では外せないのがスモールバード。こちらはボディがプラスチック製というレアなタイプ。未だに人気も高く、デッドストックだと10万円前後、コンディション良好だと4〜5万円程度

スモールバード(1960s後半/モーリ)

1960年代後半〜’70年代前半までの10年間で1万台以上売り上げたという大ベストセラー。50代以上の人には懐かしいのでは。3輪車から流用したホイールベースと流線型のボディは今見てもオシャレ。4〜5万円程度

BIG JUMBO(1970s前半/ワールド)

ブリキボディに当時のラリーカーブームを反映したロールバーを思わせるようなバーが付いたデザイン。ボ
ディはサビサビだが、あえて綺麗にせずにそのままにしておくのも中根さんのこだわりだそう。2000円前後

ブルーバード410(1960s後半/メーカー不詳)

1960年代にブルーバードの2代目として登場し、当時も人気が高かったことから珍しく実車をモチーフにしたモデルとして販売。ホイールも肉抜きされるなど細かいパーツまでこだわっている。3万円前後

ランチア(1970s前半/モーリ)

ランチアというモデル名とサイドにランチアストラトスのステッカーが貼られていることからこちらも当時のラリーカーブームを反映した1台だが、実車とは関係ないデザイン。ブリキボディのサビ感もいい。1万円前後

インディ(1960s後半/モーリ)

ラリーカーブームと並び盛り上がったインディカーブームを反映したその名も「インディ」。流線型のボディとフロント部分のデザインなどかなり凝った作りに。アメリカ国旗のステッカーが付く。1万2000円前後

プローブ8(1960s前半/AMF)

今回のコレクションの中で唯一アメリカ製。欧米製は日本のものよりデザインはイケてるが、国内での流通数はかなり少ない。珍しい3輪タイプでフロントグリルのデザインはさすがアメリカ。3万8000円前後

ジープ(1980s前半/メーカー不詳)

こちらは電動タイプ。メーカー不詳だが海外製。電動タイプは年代も新しく現存数が多いが人気はそれほど高くない。中根さんも電動には興味がないが、ボディのデザインが良かったので購入。1万2000円前後

カウンタック(1980s前半/トシマ)

約20年前に何気なく立ち寄ったリサイクルショップで目に止まり娘さん用に購入した1台で、ここから中根さんのコレクションが始まったという思い出の1台。もともと白だったが塗装仕直したそう。非売品

モーリアワールドレディ(1970s後半/ワールド)

1970年代も半ばから後半に入るとプラスチックパーツが多様されるようになるが、まだフロントグリル周りやホイールなど手の込んだ造りになっている。こちらはバックミラーやシールドも保存状態もいいので1万円程度

マイクロレディ(1960s後半/モーリ)

レディはレディでも女性用ではなく1967年に登場した名車フェアレディ2000(SR311)をモチーフとした1台。赤白ツートーンはレア。ボンネットにキキララのステッカーが貼ってあるのが時代感。2万4000円前後

GT-8(1970s前半/ワールド)

とりあえず流線型のボディでGTという文字を入れれば売れるような時代の潮流に思い切り乗ったような1台。さらにボディ横のパンダのステッカーが当時のパンダブームを反映している。状態もいい。1万2000円前後

ハヤブサ(1970s後半/キンバ)

キンバ(金馬)という国内ブランドが手がけた足こぎタイプのペダルカー。ハヤブサという名前と鳥のロゴは当時のブルートレインブームなのか、アメリカ車のサンダーバードからの流れなのかは不明。1万円前後

ローイングマシーン(1970s前半/シンボル)

1970年代に入ると様々なスタイルも登場。こちらはハンドル部をボートを漕ぐように前後させることでペダルが周り動くという変わった機構の1台。グリップの形状やカラーもイカす。デッドストック。2万4000円前後

アコーレーサー(1970s後半/上尾工業)

上尾工業より1974年10月から発売されたカートスタイルのアコーレーサー。詳細は不明だが、ホンダ製ではないがホンダの販売店で販売されていたこともあって一部の愛好家には人気がある。デッドストック。非売品

スバル360(2008年/鈴鹿プロジェクト)

スバルの元社員でペダルカー愛好家だった人が立ち上げた鈴鹿プロジェクトが個人的な趣味で作り上げたオフィシャルのスバル360ペダルカー。見事な作り込みだが、約300台しか作られなかった希少品。ほかに白がある。10万円前後

 

中根さんはコレクターなので、基本的にペダルカーの販売はしていないが、希望があれば譲ってもいいとのこと。もし興味があれば、中根さんの営むサロンで散髪しながらペダルカー、旧いモノ談義に花を咲かせてみてはいかが?

【DATA】
la plage
茨城県潮来市潮来134
TEL0299-62-3983
営業/10:00~20:00
休み/木曜

(出典/「Lightning 2020年7月号 Vol.315」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...