『フルカウント』代表の辻田氏が語る「セブン」の魅力とは?
かつて英国のロータス・カーズが生産・販売していた「セブン」は、公道を走れるオープンホイールのスポーツカー。『フルカウント』代表の辻田氏が現在の愛車として選んだモデルは、ロータス・セブンの意匠を受け継ぐ南アメリカのバーキン社が生産した『バーキン・セブン』だ。
軽量なボディと、小排気量ながら小気味よく回るエンジンの組み合わせは異次元の走りを実現しており、「ハンドルを握るのが楽しい」と辻田氏は語る。
「カーナビもETCも、エアコンもカーステレオもない。キャブ車だから普段からの調子を気にかけなければならないし、けっして快適とはいえないですが、それを忘れるぐらい運転の楽しさが味わえるクルマです。若い頃から外車が好きでいろいろと乗り継いできたのですが、だんだんと快適なクルマばかりになっていたので、このバーキン・セブンは逆に新鮮。これを普段の足にしようと思っています。
取材時は納車からまだ3日目と、ほぼカスタムしていない状態であったが、自分仕様への構想にも余念がない様子。
「ナチュラルタンのレザーでシートを張り替えたり、ヘッドライトを小振りなものに変更したりして、自分なりの一台に仕上げていく予定です」
スポーティな走りで、クルマ本来の運転の楽しさ「セブン」とは?
英国のロータス・カーズが生産していたスポーツカー。ロータス以外にも様々なメーカーが生産を担っており、そのうちのひとつがバーキン社。ロータス創業者であるコーリン・チャップマンの妻、ヘーゼル・チャップマンが、コーリン没後に南アフリカで会社を設立し、セブンのシリーズ3の生産を続けている。ゆえにこのセブンは「バーキン・セブン」と呼称される。
シャシーはレーシングカーと同じく鋼管を使ったスペースフレームとなっており、高い剛性を誇る。またフロント320㎏、リア310㎏という、車両重量630㎏という軽量さを実現しており、ライトウエイトスポーツらしい快音を響かせて駆け抜ける走りが魅力だ。
小排気量ながら軽量アルミボディでスパルタンな走行が魅力の希有な車両。
ここからは、「セブン」のスパルタンな走りを生み出す軽量ボディを細かく見ていこう。
エンジン
排気量1600㏄のOHVエンジンを5速マニュアルで思いのままに操ることで、箱車とは一線を画する走りを魅せてくれる。車両重量630㎏という軽量さと相まって、スパルタンな走りを見せる。
マフラー
マフラー部分は純正マフラーからオリジナルデザインのマフラーへと換装されている。スタイリッシュな見た目と、野太いアイドリング音と軽やかに吹け上がるエンジン音が魅力だ。
エンブレム
ノーズコーンにはバーキン・セブンのエンブレムバッジがデザインされている。ブリティッシュレーシンググリーンと呼ばれる独特の色合いは、陶磁器と同じ方法で焼き発色さている。
コクピット
乗り込む際はフォーミュラーマシンのようにハンドルを外して乗り込まなければならないほどタイトなコクピット。最低限の計器類やスイッチ類しかない、シンプルなコンソールも特徴だ。
回転数
納車時にエンジンの回転数をチューニング。前オーナー時は4000回転でシフトチェンジを行う仕様であったが、辻田氏の好みにより、8000回転という高回転領域まで回るエンジンに仕上げた。
シート
フォーミュラーマシンのような細長いコクピットは、体を滑らせながら乗り込まなければならない。現状は純正のレザーシートだが、辻田氏はナチュラルタンレザーでシートを張り替える予定。
真冬に「セブン」に乗るときはどんなファッション?
フルカウントのボアコートは、WW2時代のスウェーデン軍のボアコートがモチーフ。ライニングにはプリマロフトを採用し重厚感のあるデザインと現代の機能性を両立させる。二重構造であるビーチクロスとフェイクファーを組み合わせた保温性抜群の、ブラウンズビーチのフライトキャップはオープンカーなので顔回りの防寒対策は欠かせないのだ。
快適なだけなら燃費もメンテナンスも、乗り心地も良いものがごまんとあるにも関わらず、あえて不便なクルマを選ぶ。そこには、マシンとしてのクルマの面白さを感じる、交通手段として以上の価値がある。そんなクルマ選び、ちょっとあこがれませんか?
(出典/「Lightning 2020年2月号 Vol.310」)
Text/A.Shirasawa 白澤亜動 Photo/K.Torii 鳥居健次郎(WandP)
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