10分間で簡単にできる! 革ジャンエイジング講座。

当たり前のことだが、革ジャンも最初は皺ひとつない「ウブな状態」の新品。これから着込んで革を育てていくとはいえ、やっぱり新品は気恥ずかしい…。そんな人は、初めて外に出る前に、ちょっとした強制エイジングを施すのもアリ。ここで紹介する方法は、もはや我々その道の人間の間では有名な「革ジャン体操」と、軽く水で濡らす方法だ。

とても簡単なので、“強制エイジング初心者”の方にもおすすめなので、トライしてみてほしい。早速、やってみよう。

今回エイジングを施すのはファインクリークレザーズの「レオン・ザ・ノースター」!

今回使用したのは、ファインクリークレザーズの「レオン・ザ・ノースター」。渋鞣しの馬革に、水性染料仕上げを施したレオンの革は、比較的変化しやすく、着込んだ分だけちゃんと応えてくれる。この馬革は非常に水を吸いやすいため、軽く霧吹きで水をかけるだけで、自分の身体に合った皺を刻んでくれる。

簡易強制エイジングを実演するのは、革愛好家・モヒカン小川。これまで数十着の革ジャンをゼロから育ててきた経験から、独自の「強制エイジング」メソッドを日々開発中。

1.前屈の儀

いまや革ジャン愛好家の間では常識となった「前屈の儀」。フロントを閉め、革ジャンにテンションをかけながら皺を入れていく。全身を研ぎ澄まして、革の声を聞け。

2.コークスクリュー

腕に皺を入れるための儀式。袖を持ち、腕を捻じるようにして革を手懐ける「コークスクリュー」。この状態をキープして腰を捻じる応用技も効果的。自分の技を編み出せ。

3.蛇原、登場

前屈の儀、そしてコークスクリューを終えた後のアームには、ユーハイムのバウムクーヘンのような美しい蛇腹がすでに出現。これだからエイジング体操は止められません。

4.水分補給

アームの蛇腹を、よりくっきりさせるために、霧吹きで水を吹きかけ、もう一度「前屈の儀」&「コークスクリュー」でとどめを刺す。水のかけ過ぎには注意しよう。

5.クセ付け

次に、クセを付けたい場所に霧吹きで水を吹きかけ、手で揉みながらクセを付けていく。ポケットフラップや袖口など、エッジ部分にクセを付けると、こなれ感が出るぞ。

6.神は細部に宿る

ポケットの縁などは、綿棒に水を付けて濡らして揉むことで、パッカリングが現れる。細かい個所だが、こうした小さい皺の積み重ねが、全体の雰囲気を左右するのだ。

6.10分間のエイジング完了。ここから経年変化を楽しもう。

こうして出来上がったのがこちら。所要時間はたったの10分。10分前と比べて、ちょっとこなれた感じが出ているのがわかる。しかし、この簡易強制エイジングは、あくまで筆おろしするための儀式であって、やり過ぎは禁物。ここからは、アナタが日々調教して、自分色に染め上げていかなければならない。

▼革ジャンについてもっと詳しく知りたいは方はこちらの記事をチェック!

一生モノの革ジャンを選ぶ時に知っておきたい7つのこと。-おすすめブランドからお手入れまで‐【保存版】

一生モノの革ジャンを選ぶ時に知っておきたい7つのこと。-おすすめブランドからお手入れまで‐【保存版】

2022年11月08日

(出典/「やりこみノート 革ジャン」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...