1.Waxed Cotton ワックスドコットン
英国のアナログ的な機能素材と聞いて、まず浮かぶのがワックスドコットン。もともとは、船の幌で使われており、それをヒントに不順な天候で働く湾岸労働者や漁師たちへ向けてワークウエアとして提供したのが始まり。丈夫なキャンバスにオイルを染み込ませることで、目が詰まり風を通さず、油分が水を弾くという優れもの。
バブワーのワックスドコットンアイテムを拝見!
ハンティング用に開発された知る人ぞ知る名作を現代的なシルエットでも再構築したニューロングショアマン。名作スモッグがジャケットが現代的なシルエットで復活。
2.Tweed ツイード
ハリスツイードとは生地のブランドで、スコットランドにあるハリス&ルイス島で採れた羊毛を現地の職人が人力織機で織り上げたツイードのこと。各職人の自宅で織り上げたももを協会へ納め、そこで認められたものだけハリスツイードと言える。ウールなので防寒性はもちろん、羊毛の油分で少しの雨くらいなら防げる。また、手作業ならではの質感とクオリティのよさ、島の自然を反映した配色が魅力である。
ハリスツイードのツイードアイテムを拝見!
島の自然を反映したナチュラルツイード。防寒性と撥水性も兼ねた名作イギリス製ジャケット。
3.Ventile ベンタイル
ベンタイルは、イングランドのランカシャー州にあるファブリックメーカーであるタルボットウィービング社が展開する生地。もともとは英国の軍用に開発した生地で、細軍手のコットン双糸を限界まで打ち込むことで、水と風を防ぎ、浸透性も確保という力技。ただこの糸を作るには、最上級の繊維長のある綿が必要不可欠で、糸を使う量も多い、そのため量産できず高級生地なのだ。
タルボットウィービング社の生地を使ったアイテムを拝見!
南極の寒さにも耐えられるハイスペックなダウン。限界まで打ち込んだ昔ながらの職人技が光る。
これらは天然素材なので、どこか暖かみがあり、さらにメインテナンスをすれば機能性が落ちにくいものが多く、エイジングを楽しむことができるのも醍醐味のひとつ。英国にはひとつのものを長く使う美徳があり、そんな国民性だからこそ、化学繊維が出てきても昔ながらの機能素材を作り続けているのだ。
(出典/「Lightning 2017年2月号 Vol.274」)
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