軽井沢のリトリートリゾート「ししいわハウス」が2027年箱根に開業予定。建築家には妹島和世氏を起用

軽井沢のリトリートリゾート「ししいわハウス」(運営:HDHP合同会社)は、箱根の「ししいわハウスNo.4(SSH No.4)」の建築家として、プリツカー建築賞受賞者である妹島和世氏(妹島和世建築設計事務所)を迎え、新たなリトリートリゾートを2027年に完成させる予定だ。

リトリートリゾート「ししいわハウス」が箱根に

箱根国立公園の森林に囲まれたSSH No.4は、温泉、湖、富士山のパノラマビューを誇る自然の恵みあふれる美しいロケーションに誕生する。東京から電車でわずか90分の箱根は、長年にわたり都市に近い静寂を求める芸術家、作家、旅行者の文化的・精神的なリゾートとして機能してきた。この地でSSH No.4は、アクセスの良さと隠れ家的要素を兼ね備え、滞在するゲストにとって休息、内省、再生の理想的なデスティネーションを目指す。

SSH No.4は18室のゲストルーム、レストランとバー、天然温泉、ジムとウェルネス専用スペースを備えたラグジュアリーな施設となる予定だ。妹島氏のデザインは細い柱に支えられたピロティ形式で、建物は森林に優しく浮かぶように設計されている。敷地はなだらかに傾斜し、20メートルほどの高低差が背後の山々へと連続している。敷地内に入ると道路からの騒音が遠のき、深い森林が広がる。建築は地形に沿って屈折し、道路と距離を置き、地面から少し持ち上がり森の中に浮遊し、やがて森に溶け込んでいく。黒い外壁は濃い緑に同化し、暗い外観は密集した葉に溶け込み、ヒノキの木で仕上げられた暖かい客室が森の中でランタンのように柔らかく浮かび上がる。デザインは軽やかさ、ゲストのプライバシー、空間の移動感覚を強調し、妹島氏の建築言語の特徴を示している。

妹島和世氏は「森の一部であるかのように感じられる場所を作りたい。自然と穏やかに共存し、人々がゆっくり時間を過ごせる建物を目指している。日常から離れた静かな空間を提供し、建築が人と人とのつながりや自身と向き合う場になることを願っている」と述べている。

ししいわハウスの創設者フェイ・ホアン氏は「妹島和世氏とSSH No.4で協力できることを光栄に思う。彼女の建築は軽やかでありながら深く地に足をつけた印象を与え、ししいわハウスの箱根の拠点として理想的だ。ゲストの内省と再生をサポートし、純粋に美しいリトリートリゾートを作ることを楽しみにしている」と語る。

妹島和世氏との箱根プロジェクトは、世界的にリスペクトされている日本の著名建築家とししいわハウスのパートナーシップを継承するものである。軽井沢の坂茂設計SSH No.1、No.2、西沢立衛設計SSH No.3に続き、SSH No.4は自然との深い調和を実現し、回復・再生の空間を生み出すブランドの使命の次の進化を表す。SSH No.4の建設は2025年に開始し、2027年完成を目指している。

ししいわハウスについて

ししいわハウスは日本に深く根ざした国際的ホスピタリティブランドである。現代建築、デザイン、アート、食を融合させ、自然と深く結びつくリトリートリゾートを展開。SSHプログラムの月間スケジュールによりアート・建築ツアー、有機農場訪問、オーダーメイドトレイル体験、スペシャルイベント、アクティビティを丁寧にキュレーションしゲストを迎える。

持続可能な建築とその人間の感情や環境へのポジティブな影響を目指し、軽井沢の国立公園に誕生した最初のリトリートは、現在3つの建築拠点となっている。坂茂設計SSH No.1、No.2、西沢立衛設計SSH No.3に加え、妹島和世設計SSH No.4は2027年箱根で開業予定。さらに石上純也設計のSSH No.5、ビジョイ・ジャイン設計のヴィラレジデンスSSH No.6も2027年、2028年に完成予定。

  • オフィシャルサイト:https://www.shishiiwahouse.jp/
  • Instagram(軽井沢):https://www.instagram.com/shishiiwahouse/
  • Instagram(箱根):https://www.instagram.com/shishiiwahouse_hakone/

妹島和世について

1956年生まれ。1981年日本女子大学大学院修了。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とSANAA設立。代表作に再春館製薬所女子寮、梅林の家、犬島「家プロジェクト」、すみだ北斎美術館、日本女子大学目白キャンパスなどがある。SANAAとして金沢21世紀美術館、ニューミュージアム(米国)、Rolexラーニングセンター(スイス)、ルーヴル・ランス(フランス)、グレイス・ファームズ(米国)、ラ・サマリテーヌ(フランス)、ボッコーニ大学新キャンパス(イタリア)、ベツァレル・アカデミー(イスラエル)、シドニー・モダン(豪州)などを手掛ける。2010年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展総合ディレクター。日本建築学会賞、金獅子賞、高松宮殿下記念世界文化賞、プリツカー賞、王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルなど受賞。2024年文化功労章受章。現在、東京都庭園美術館館長、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学名誉教授、日本女子大学・大阪芸術大学客員教授を務める。

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