この大型バイク、“オートマ”なんです! エンスト知らずのホンダ・REBEL1100T Dual Clutch Transmission【後編】

CRF1100Lアフリカツインの2気筒エンジンを使ったクルーザー、レブル1100に派生モデルが登場。それが今流行りのバガー仕様“レブル1100T”だ。2023年2月23日に発売された新型をじっくり実走させてみた。そこで感じた魅力を解説する。

▼この大型バイク、“オートマ”なんです!エンスト知らずのホンダ・REBEL1100T Dual Clutch Transmission【前編】はコチラ

この大型バイク、“オートマ”なんです! エンスト知らずのホンダ・REBEL1100T Dual Clutch Transmission【前編】

この大型バイク、“オートマ”なんです! エンスト知らずのホンダ・REBEL1100T Dual Clutch Transmission【前編】

2023年07月28日

HONDA REBEL1100T DCTのディテール

丸い中に4個のLEDを埋め込んだヘッドライトは人気のレブル250に通じるレブルシリーズのアイコン。フェアリングはハンドルバーをすっぽり包み込む形状になっている。横広の低いスクリーンはバガーらしさを演出。
バガースタイルの特徴の1つでもある、両サイドのパニヤケース。防水仕様のハードタイプで、ボディと同色なのはもちろん、リヤフェンダー形状に合わせたデザインとなっている。左側は容量19ℓで、右側はマフラーをさけるために3ℓ少ない16ℓだ。
細長い形状のサイドパニヤケースは前ヒンジで縦に開く。左右合わせて45ℓにもなり、これだけあれば中~長距離ツーリングでかなり便利に使える。レインウエアや小物など、サッと取り出せるのはありがたい。カギはメインキーと共通だ。
イグニッションキーがアッパーブラケットあたりにないから、ハンドルロックは同軸ではなく独立したものになっている。ややロック&アンロックをめんどくさく感じるかもしれない。
インナーチューブ径φ43㎜のフロントフォークは、ダークカラーの外装に合わせて酸化チタンコートがほどこされている。アウターチューブは展伸材と鋳造の2ピース構造だ。
メーターはハンドルクランプの上に設置され、ダークな外装に合わせたような反転液晶。グリップヒーターを標準装備していて、スイッチを入れると時計横にアイコンが出る。
スポーツモデルと遜色ないモノブロックのラジアルマウントブレーキキャリパー。シングルのフローティングディスクはφ330㎜と大きく、がっつり制動できる性能を発揮する。
下方に50㎞/hからセットできるクルーズコントロールのスイッチがある。“Nˮはニュートラルで、“Dˮはドライブ。“A/Mˮはオートマチックとマニュアルのモードの切替だ。
DCTはパーキングブレーキがある。マニュアルチェンジはシフトはグリップを握りながら親指操作で(−)ダウン、奥に人差し指操作の(+)アップ。グリップヒーターは標準装備だ。
ダイヤモンドフレームの左右メインチューブの上に載っかるような状態の燃料タンク。容量は13ℓと、ツーリングモデルとしては大きくはない。給油キャップは後ろヒンジになる。
アフリカツインゆずりの270度クランクの並列2気筒の水冷エンジン。クラッチカバー前の装備がDCTの証。同じエンジンを使うモデルの中で唯一のダイヤモンドフレームになる。
同エンジン機種の中ではもっとも前にあるペグの位置。DCT仕様なのでシフトペダルやシフトリンケージがなくシンプル。アルミのペグは可倒式で根本にはヒートガードを装備する。
お尻を包みこむ鞍型シート。座面が広くフィット感は良好で、加速時にお尻が後ろにずれないようネガティブ面になっており、逆にタンデムシートは小さいポジティブ面になっている。
運転席下には3ℓの収納スペースがあり、標準装備のETC2.0機器はここに設置されている。ゴムキャップが付いたUSB-Cソケットもココで、定格は15W(5V・3.0A)だ。
2チャンネルのABS装備は言うまでもない。リヤのローターはφ256㎜と大きめで、積極的にリヤブレーキが使える。フロント18インチ、リヤ16インチのタイヤはダンロップ製D428だ。
タンデムステップはアルミ製で小さくコンパクトなモノ。それでもサイレンサーヒートガードを兼ねたプレートがその後方にあり、ソールの保護だけでなく足元の安定にもつながる。
デュアルレートのスプリングを使ったツインショックを採用するリヤサスペンション。分離加圧式ピギーバックタイプのショックで、荷物積載やタンデム時にプリロード調整が可能。

HONDA REBEL1100T DCTのハンドリングをチェック

乗車姿勢

身長:170cm/体重:66kg
ヒザの曲がりが90度に近くなる、いわゆるミッドコントロールと呼ばれる位置にペグがある。この身長だと窮屈すぎず広すぎず、ハンドルをつかむと若干前のめりの上半身。

足つき性

シート高は700㎜とクルーザーらしい低い数値だが、やや足が開き気味になるぶん、数値から想像するほど低くは感じない。それでも足つきに不満を抱く人は多くないだろう。

取りまわし

DCTは通常トランスミッションモデル(238㎏)より10㎏重い248㎏。成人男性ならずっしりとくる重さではない印象。グリップ位置も低すぎず押しやすいので苦労はしない。

Uターン

最小回転半径2.9mと十分にハンドルが切れることと、DCTのおかげでエンストがない。だから純粋にアクセルに集中できるので、寝かし込んでのUターンはやりやすい。

HONDA REBEL1100T DCTでタンデムランチェック

ライダー:

タンデムシートの位置は低いのだけれど、サイドケースがあるため、それを蹴り飛ばさないよう注意が必要。レブル250よりも座面が広く快適だが、シートベルトだけでの姿勢保持は少々ツラい。シシーバーかバックレストがほしいところ

タンデマー:

前後で独立したシートなので、加減速でタンデマーが動いても影響は少ない。シートが低く足つきがいいことから、信号待ちで停止しても不安はない。エンジンは低回転からトルクフルで、2名乗車の登りでもグイグイと進める

HONDA REBEL1100T DCTのスペック

全長×全幅×全高
2,240×845×1,180(㎜)
軸間距離
1,520㎜
シート高
700㎜
車両重量
248㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒・1,082㎤
最高出力
64kW(87㎰)/7,000rpm
最大トルク
98N・m(10.0㎏f・m)/4,750rpm
燃料タンク容量
13ℓ
燃費(WMTC)
19.4㎞/ℓ
タイヤサイズ
F=130/70-18・R=180/65-16
価格
142万4,500円(税込)

HONDA REBEL1100T 製品ページ

【問い合わせ先】
Hondaお客様相談センター
電話番号:0120-086819
URL:https://www.honda.co.jp/motor/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「タンデムスタイルNo.251」)

この記事を書いた人
タンデムスタイル編集部
この記事を書いた人

タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...