【私的名品-オーロラシューズ】裸足とショーツが似合う夏の定番革靴。

夏になると無性に履きたくなる靴をご紹介。各種サンダルもデッキシューズほか夏っぽいスニーカーもビルケンシュトックも履くんだが、一番はこれ。オーロラシューズのMIDDLE ENGLISHだ。所有してから10年以上経っていると思うが、それにしたって覚えている限りで3回はソール交換をしているので、着用頻度の高さはお分かりいただけるだろう。特に夏になるとその頻度はうなぎ登り。暑い夏はソックスを履かずにこれを突っかけて出かけることが多い。その理由とは?

ショートパンツとオーロラシューズの相性の良さは必然だ。

夏はショートパンツを履きたくなる。ほぼ毎日膝小僧を出している。膝小僧というけれど、膝は中年になっても小僧のままなのか? 由来は諸説あるものの、「輪王寺大猷院」にある烏摩勒伽(うまろきゃ)様の膝当てがゾウの顔で、それが象→増って転換していったとのことらしいけれど、小僧の「小」はどこへ!? 膝のしわが小僧の顔に見えることから、膝頭を擬人化していったとも言われているそうな。嗚呼、脱線甚だしい。

なぜショートパンツの話をしているかには小さな理由がある。オーロラシューズはライニングもなく、甲の部分は1枚仕立て。つまり裸足で履く場合のジャストサイズを選んだ場合、他の靴に比べて必然的に小さめの靴となる。着用のたびに足の形に沿って伸びる革でもあるため、小さめのサイズを選んで自分の足に馴染ませていくような靴と思ってもらった方がいい。見た目に小さい靴は、フルレングスのワイドパンツと合わせるとどうしても「足ちっちゃ!」となる。

古着世代のワイドパンツ愛好家の多くは、ジャストよりも少し大きなスニーカーを選んで「デカ履き」したり、少しボリューム感のあるブーツなどと合わせたいはず。つまり、見た目の小さなオーロラシューズはフルレングスよりもショートパンツに合わせやすい靴なのだ。

そこで当然、夏の登板回数が増えるのだが、10年も履いていると着用に合わせてアッパーが伸びているため、靴下でも履けるようになる。幾分細身のパンツなどに合わせたり、くるぶし丈のパンツなんかと合わせるとしっくりくる。そのため、着用年数が増えるたびに着用頻度も増え、必然的にソール交換の運びとなる。

メンテナンスも簡単だから、愛着もひとしお。そしていつまでも愛せる。

ブラッシング前
ブラッシング後
ブラッシング前
ブラッシング後

ただ長年の愛用となるとメンテナンスは必須。しかし、オーロラシューズの場合はメインテナンスも非常に簡単。ホーウィン社のフルグレインレザーは油脂分を多く含む、いわゆる多脂革。小さな傷などはブラッシングだけでも見えなくなるため、頻繁にクリームを塗りこむ必要もない。もしカサついてきたら、表面の汚れを落とし、クリームを塗布し簡単にブラッシングするだけで見違えるように綺麗になる。

元々はブラウンだった私のオーロラシューズも、いつの間にか黒光りしてきており、日陰だとブラックにも見えるほどに経年変化している。アッパーが少し割れてきたり、インソールにもひびが入ってきているため、そろそろ買い替えてもいいかなと思いつつ早数年。実は別のモデルも気になっている。

実はこっそりと狙っている別のモデルも定番靴の予感!?

狙っているのはWEST INDIAN。元々は女性用のモデルのためメンズサイズの販売は行っていないようだが、涼しげなデザインが気になって探していたら、高崎の名店「ベルーリア」ならメンズサイズでのオーダーができるとのこと! 早速オーダーをしてみようと思う。今度は黒かな。夏の定番シューズがまた一足増える予感に胸が躍る。

この記事を書いた人
おすぎ村
この記事を書いた人

おすぎ村

ブランドディレクター

『2nd』のECサイト「CLUB-2nd」にて商品企画・開発を担当。貴重なヴィンテージをサンプリングした人気ブランドへの別注などを世に送り出している。2nd、Lightningの元編集長にして現在は2ndのブランドディレクター
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...