シルバーで武装した、地上で最も美しいクルマ。

横浜ホットロッドカスタムショー2021の頂点と言えるBest of Show Automobileに輝いた“ARROW”。鏡面仕上げのアルミボディを纏う車体の各部にファーストアローズ伊藤氏がハンドメイドしたシルバーパーツを散りばめ、クラフトマンシップから生まれる究極の美が具現化されている。

ほぼハンドビルドで製作したクラフトマンシップに溢れる一台。

ファーストアローズ代表・伊藤一也氏。全国各地のホットロッドの草レースに愛車のモデルAで参戦し、ストリートでも乗り回すリアルなカーガイ。HCSベストのクルマが街乗り仕様な 点も伊藤氏らしいこだわりだ

ホットロッドやヴィンテージバイクの愛好家として知られるファーストアローズ代表・伊藤氏のコレクションの中でも異彩を放つ車両、“ARROW”。愛車FORD モデルAのビルダーであるJモータース瀬法司氏のプロデュースのもとに、カリフォルニア・リンウッドの『Craft Master Customs』のビルダー坂下氏が、ほぼ全てハンドビルドで製作した珠玉の1台である。

イメージソースは、1920〜’30年代のボートトラックを走ったMiller 122というレースカー。FORDモデルAのレールをモディファイしたフレームにFORDフラットヘッドV8エンジンを搭載。1.2㎜厚のアルミシートから製作した至極のワンオフボディを纏い、公道走行可能な仕様でモチーフを具現化した。

ナローな車体に、’50年FORD8BAフラットヘッドV8エンジンを搭載。排気量を274cu.inにスープアップした街乗り仕様のマイルドなホップアップが施されている。キャブレターはStromberg 97を3基装着

元ネタがマニアックなこともあり、プロジェクトのストーリーを知らなければ、メーカーメイドの車両だと勘違いしてしまう程隙のない圧倒的なメタルワークスキルがARROWの真骨頂だ。さらに、伊藤氏のハンドメイドのシルバーパーツが各部に奢られ、ARROWのクラフトマンシップが満ち溢れる造形美にさらに拍車をかけている。

“ARROW” をコンセプトカーとした、1920~’50年代の架空のラグジュアリーコンセプトモーターメーカーをハンドメイドのシルバーパーツで表現。こちらはワンオフのグリルのトップ
1.2㎜厚のアルミシートから製作したリアカウルのサイド
フードを固定するベルトにコンチョの飾り
モデルTの跳ね上げタイプのステアリングのセンター
ヴィンテージFORDやヴィンテージH-Dなど、ホットロッドカルチャーを敬愛する伊藤氏のセンスが落とし込まれたシルバーパーツは、全てファーストアローズの商品としてリリース。こちらはハブキャップ
イグニッションキーもハンドメイドシルバーパーツ
スピニング加工が施されたアルミゲージパネル
シフトノブ
レザーシートのスタッズ

【DATA】
ファーストアローズ
Tel.03-3479-8818
https://firstarrows.shop/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)

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