日本デニム界の雄、山根英彦氏が作った、新たな世界観を生み出すアートな空間。

旧くから繁華街として賑わうレトロな街、大阪・新世界に突如として現れた「YAMANE JAPANESE DENIMS」の大きなサインボード。日本デニム界の雄、山根英彦氏が手掛ける新たなショップだ。ここでは世界で1点だけ、彼による手描きアートの服が買えるのだ。オーナーである山根氏の新店舗へのこだわりとは?

アトリエ兼ショップYAMANE SINSEKAI。

「YAMANE SINSEKAI」山根英彦さん|日本デニムを世界に拡げたパイオニア。新店や新作情報は、彼のインスタグラムで随時更新される。Instagram:@honoo_by_yamane

通天閣を筆頭に大阪を代表するマスコットのビリケンさんや射的場、串カツ屋、四半世紀では若いほうの個人の飲食店が軒を連ね、国内外の観光客が多い街、大阪・新世界。一見、ファッションとは無縁と思われた風情あるこの土地に突如現れた「YAMANE SINSEKAI」。オープンしたのは2023年に入ってほどなくしてから。場所は、歴史のある演劇場、朝日劇場が目印。

「新世界は大阪の旧い繁華街や。昔から、新世界に店を出したいおもとってん。劇場の看板の隣にYAMANE JAPANESE DENIMSの看板がええやろ」

これまで多くのショップを手掛けてきた山根氏にとって最大級となる看板を掲げた新店。店内に入るとヴィンテージ什器や動物の剥製に加え、山根氏が壁面や什器に描いたペイントアートがあちこちに見られ、和洋折衷さまざまなスタイルが融合された独特の世界観を作り出している。

山根氏にとってアトリエはショップ全体。壁面や什器など、あらゆるところに彼がペンキで描いたアートを見ることができ、運が良ければ、描いている姿を目にできるかも
四半世紀を超え、30年以上にもわたり、筆を手に取ってきた山根氏。Tシャツにペンキで描くのも基本はすべてフリーハンドアートである

オープン以来、目玉となっているのは山根氏がペンキで描くアートTだ。なかでも人の顔を描いた「怖いおっちゃん」シリーズは、独創的な色合いと表情が強烈なインパクトを放つ。しかしどこかで見たことのあるような親近感の湧くイラストは彼の作風なのだ。

ロングスリーブTシャツのフロント中央に描かれた絵は彼が得意とする人面のイラスト。どこかの誰かに似てることも無きにしも非ず
大阪・新世界の場所にちなんで、ジーンズのバックスタイルに描かれた「新世界」の文字。観光の際のお土産として購入するのも良いだろう

手描きアートが重厚な店内をポップに彩る。

壁一面が収納棚となり見せる収納としてスペースを有効活用している。

店内を飾る動物の剥製やマネキンなどと同じように山根氏が描いたイラストが店内を明るく仕上げている。

店内中央付近にあるフィッティングルームは、彼が自らアートを描いた渾身の作品。ポップな配色と独特なタッチのイラストが目を惹く。

【DATA】
山根新世界
大阪市浪速区恵美須東2-1-26
Tel.090-1400-2023
休み/不定休
yamaneart.base.shop

(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...