メンズライクなカッコいいものに囲まれる、ヘアサロン「レイチェル」|東京・代々木八幡

2013年にオープンしたヘアサロン「Rachel」は、アンティークに囲まれた温もりのある空間だ。ヴィンテージを愛するオーナー鈴木英樹氏のセンスでセレクトされたプロダクツの数々。都会の喧噪から一歩離れた立地の相まってヘアサロンに向かう行程から落ち着いた雰囲気を楽しめる。

アンティークに囲まれた温もりのある空間。

2重扉となっているエントランスの1枚目のウインドーにはプライスがハンドペイントで描かれている。スケルトンの店内をほどよく遮ぎるペイントの入れ方にも趣向が凝らしてある

代々木八幡駅から徒歩3分ほど、山手通りと井の頭通りがぶつかる富ヶ谷の交差点からほど近く、2013年にオープンしたヘアサロンRachel。もともと肌色という意味を持つこの言葉。英国の女優、レイチェル・ヴァイスをイメージして屋号にしたという。

店内はアンティークに囲まれた温もりのある空間。大都市東京の中にあり、喧騒と目と鼻の先にありながらもほんの少し落ち着いた街、代々木上原に場所を選んだのはオーナーである鈴木氏が長年、東京の第一線でスタイリストとして経験を積んできた中で出した答え。真摯に向き合うカウンセリングはRachelの流儀だ。

そんな世界観を作り上げてきた鈴木氏のプライベートはクルマ、バイク、ファッションなど共通して好きなものはヴィンテージ。

「旧いものは価値が下がらないし、まずデザインが秀逸。とはいえ上から下までヴィンテージで揃えるわけではなく、ポイントで取り入れるのが好きですね」

「Rachel」代表・鈴木英樹さん|スタイリストの下積み時代は約20年ほど。38歳で自身のヘアサロンRachelをオープン。「全従業員の幸福を追求すると同時に、世の中の進歩発展に貢献すること」を理念とする

サロンをオープンして10年。効率だけを考えた流れ作業のような接客ではなく、マンツーマンでのカウンセリングを大切にするスタイルはオープン当初から一貫して守られている

Rachel」の内部を紹介!

壁面は白壁、床面はウッドを使用し、長年の営業によってペンキが剥がれてきたところもアンティークの什器やオブジェなどとマッチし、ショップ全体が雰囲気良くまとまっている。

店内奥に設置されたシャンプー台。使用する水はここ最近注目され始めている炭酸泉を使用。壁面のヴィンテージキャビネットにはモロッカンオイルなど販売商品が収納される。

空間を彩るヴィンテージの家具や小物、ドライフラワー、観葉植物、アートが混在する店内。壁面に白壁にバンドするように間接照明を巧みに用い店内に彩りを加えている。

壁面にはアンティークの小物の他にイラストやペイントなど様々な手法でデコレーションされ、空間全体でアートを形成しながらも、どこか温かみのあるインテリアとなっている。

ワークウエアメーカーであるLeeがかつて販売していたバディリーシリーズ。豊富な種類とミニチュアのウエアを着用した可愛さからヴィンテージ市場では圧倒的な人気を誇る。

店内を彩るオブジェには、アンティークの什器の他にヴィンテージのドールやドライフラワーなど無造作に置かれている。その量もほどよく絶妙なバランスが保たれている。

エントランスのウインドーにはハンドペイントでイラストが描かれる。様々なファッションに扮した男女の顔だけ動物の顔に入れ替わった可愛らしい作品。

店内の照明器具類のスイッチは、壁面に付けられたヴィンテージのトグルスイッチでオンオフを操作する。見た目の良さはもちろん上下に動かす感覚が心地よく感じられる。

ヴィンテージ好きな鈴木さんのライフスタイルの一部を拝見!

ポイントでヴィンテージを取り入れるのが好きだという鈴木氏が、プライベートでセレクトするものたち。旧きよきものを大切に使い続ける、そのライフスタイルに注目したい。

愛車はもちろんヴィンテージカー。

セダンのボディを持ったピックアップトラックとして人気のChevroletエルカミ ーノは1969年製。10年以上前に購入したものでメインテナンスを重ね大切に乗ってきた1台。

3人掛けスタイルのベンチシート。インテリアもコンディションが良く丁寧に乗られてきたことが伝わる。ステアリングはクラシカルなウッドタイプでコーディネイトする。

7年ほど前に購入したというFordF-1は、長い歴史を持つフルサイズのピックアップトラックシリーズ。フロントグリルの形状が特徴的な1952年製。

運転席側のドアには鈴木氏が営む会社の屋号であるFULL METAL JACKETの文字とロゴマークがハンドペイントされる。ボディカラーのネイビーと相性良し。

フロント座席はベンチシートとなっていて3人乗り。インパネ周りも計器類が少なくシンプルな作り、もちろんパワーステアリングなどの機能は装備されていない。

年代違いのバイクも所有。

Harley-Davidsonのナックルヘッドは2台所有。かれこれ10年ほど乗っているという1946年製のFL()1年ほど前に新たに購入したという1947年製のFL()

天候の良い日には自身のショップがある渋谷区富ヶ谷まで通勤の足として乗っていくという鈴木さん。新たに購入したナックルヘッドは両足のステップ位置が高いことに驚きだ。

身につけるものもヴィンテージ。

電話帳登録が可能なCASIOのデータバンクや上位機種であったタッチスクリーンのホットビズなど1990年代にファッションウォッチとして沸かせた時計は現在も活躍している。

世界初のデジタルウォッチとしてHAMILTON社で開発され、1970年代に発売されたパルサーと1990年代のALBAスプーンやAKAはデザイン性の高さゆえコレクションする。

ヴィンテージHermesの中でも特に人気がある細かな型押しレザー、クシュベ ルを使ったオータクロア。上質な革であるのはもちろん傷や汚れに強く耐水性にも長けている。

防水透湿性に優れたGORE-TEXを世界で初めてシューズに取り入れたアウトドアブーツの銘品ダナーライト。長年履き続けてきたレザーのダメージ具合が雰囲気良し。

ヴィンテージデニムジャケットの王道として古着市場でも人気の絶えないLEVI’S506XX、通称ファーストや507XX、いわゆるセカンドはお気に入りのアイテム。

DATA
東京都渋谷区上原1-3-5 プラムボックス1F
TEL03-3485-8919
営業/12:0020:00(平日)、11:0019:00(土日祝)
休み/月曜、火曜
http://www.rachel-hair.com

(出典/「ヘアスタイリストファイル」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...