1890年創業の老舗理髪店として地元で愛されるアメリカンスタイルのバーバー「ローカルバーバー ヒラカワ」|埼玉・草加

西洋文化の到来とともに始まった理髪業を代々受け継ぎ、アメリカンカルチャーを融合させた「Local Barber HIRAKAWA」。埼玉・草加の地域に溶け込みつつもオールドアメリカンな空間で地元はもちろん、全国からファン客が訪れる人気ショップだ。米・ロングビーチの有名バーバーショップでの勤務経験を持つオーナーがプロデュースする空間はまるで映画に出てくるような空気感を漂わせる。

130年以上代々続く理髪店が営むバーバーショップ。

味わいのあるオールドアメリカンな外観が目印。晴れの日はバイクで通勤するという平川氏の愛車は、軒先に停められた’41年式Indian Chief

Local Barber HIRAKAWAの店先にペイントされた「EST 1890」は、デザインとしての飾りではない。オーナーの平川康次郎氏は1890年より埼玉県草加市で代々理髪店を営んできた由緒ある家系なのである。

そんな歴史あるバーバーを継ぐ平川氏は、若い頃からアメリカンカルチャーに傾倒し、その中でも自由な雰囲気が漂う、アメリカ西海岸のロードサイドにあるバーバーに魅了されたという。ロングビーチにある有名店Syndicate Barber Shopで実際に働いた経験も持っている。

そのため、自身のショップも旧きよきアメリカンテイストで統一されていて、映画に出てくるような空気感を漂わせる。店内の壁面などには、平川氏と親交のあるアーティストらのロウブローアートが店内を彩っているのが特徴である。

「近年、日本でも盛り上がりを見せているバーバーシーンですが、時代に流されることなく、ずっとこのスタイルを続けていくつもりです。そして何よりもホスピタリティを大事にし、地元に愛される存在であり続けたいですね」

アメリカのバーバーではバリカンで髪を整える方法が主流だが、オーナーの平川氏は、ハサミでのカットと丁寧なシェービングにこだわりを持っているという
雨の日は真っ赤なFord F100パンプキンで通勤する。コンクリートの壁面に赤いボディが良く映える。バイク、クルマ共に旧い年式を所有する根っからの旧車愛好家である

まるでアメリカンダイナーのようなカルチャー満載のインテリア。

チェッカー柄のタイルは’50年代のアメリカのカフェインテリアを彷彿させる。しかし大事にしているのは、日本人ならではの繊細な技術とおもてなしの心だと平川氏は話す。

平川氏をはじめ、スタッフらも雰囲気のある着こなしでフロアに立つ。バーバーチェアも’50年代らしい時代感にあわせてクラシカルなデザインをチョイスしている。

店内には気負わずリラックスできる空間を提供したいという想いから、待ち時間にコーヒーを飲んだり、煙草を吸って過ごせたりできるカウンターを設けている。モノトーンの鉄製チェアも雰囲気よし。

ハンドペイントで描かれたウインドーサインはやや日焼けし味わい深い雰囲気に。明治23年より続く理髪店の系譜は、133年目を迎えるという“EST 1890”の表記は伊達ではない。

コスパの良い日本製オリジナル水性グリースDeuce GREASE。バイクのヘルメットを取ってもコームが通る質感にこだわったという。230g 2,420

DATA
埼玉県草加市高砂2-11-20
TEL048-954-8895
営業/10:0020:00
休み/月曜、第23火曜
http://www.local-barber.jp

※写真は取材当時のものです。現在とは異なる場合があります。

(出典/「バーバーインテリア」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...