BUZZ RICKSON’Sの2022年秋冬コレクションでは、そんな当時のパイロットたちによるカスタムが施されたA-2をラインナップ。革を細かく切り刻んで作られたローカルメイドパッチやハンドペイントの部隊章、自身が搭乗する愛機や出撃回数を描いたバックペイントなど、強烈な存在感を放つ意匠に注目したい。
【Type A-2】CONTRACT No. W535 AC-23380 ROUGH WEAR CLOTHING CO.“AIR TRANSPORT COMMAND”
1941年12月に開設されたCBI戦域とは、チャイナ(中国)、ビルマ(現ミャンマー)、インドの頭文字から名付けられている。このA-2はそのCBI戦域にてインドからヒマラヤ山脈を超えて中国に向かう飛行ルートを飛んで物資補給を担った「エア・トランスポート・コマンド(ATC)」のパイロットが着用していたモデル。装着される部隊章の殆どはローカルメイド(現地製作)であり、革を細かく切り刻みパッチを手作業で作っていた。¥206,800_
【Type A-2】CONTRACT No. W535 AC-23380 ROUGH WEAR CLOTHING CO.“ 77th FIGHTER SQ.”
1918年に編成された第77戦闘飛行隊は、米空軍の中でも最も古い戦闘飛行隊の一つ。その戦闘任務は1945年まで続き、所属するパイロットはP-51“マスタング”を駆って、第二次世界大戦最後の襲撃の一つ、チェコスロバキアのプルゼニ攻略に参戦した。このA-2のパッチはトランプカードのエースを、パイロットとしての“エース”に掛け、部隊番号の“77”で挟み込んだ洒落たハンドペイントのデザインが特徴だ。背面には愛機P-51マスタングが描かれ、シルクハットとステッキが45回の出撃を果たしたことを表している。¥239,800_
【Type A-2】ORDER No. 42-18775-P BUZZ RICKSON CLO. CO. “457th BOMB. GROUP”
1943年7月にワシントン州で創隊した第457爆撃大隊は、第748、749、750、751の爆撃飛行隊から編成されている。創隊直後にB-17“フライングフォートレス”重爆撃機で訓練を開始し、海外派遣の準備に備えた。そして1944年元日にヨーロッパ戦域に向けて出発し、ドイツの石油精製所や航空機工場を爆撃する任務についた。フロントにはハンドペイントされた“火の玉部隊”第457爆撃大隊章がデザインされ、中には35回に及ぶ出撃回数がペイントされる。¥239,800_
【Type A-2】ORDER No. 42-18775-P BUZZ RICKSON CLO. CO. “460th BOMB. GROUP”
ブラックパンサーの愛称を持つ第460爆撃大隊は、第760、761、762、763の飛行隊から編成され、第15空軍の重爆撃隊の組織として1943年5月に創隊された。爆撃機B-24“リベレーター”で主にニューメキシコ州とユタ州で訓練を積み、1943年8月には地中海戦域の配備指令により海外任務に就いた。このA-2のペイントカスタムは、爆撃機が胸に描かれた当時としても珍しい1着。背中に描かれる「ナイトミッション」とは、夜の出撃任務と彼女との夜間デートを掛けた粋な言葉となっている。¥228,800_
【DATA】
BUZZ RICKSON’S(東洋エンタープライズ)
Tel.03-3632-2321
https://www.buzzricksons.jp
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2022年12月号 Vol.88」)
Photo by Kenjiro Torii(WandP) Text by CLUTCH Magazine 編集部
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