兵士の“戦友”となった稀有な存在。カスタムA‐2フライトジャケット。

1931年に産声を上げたタイプA-2は、第二次世界大戦期を代表する米陸軍航空隊のパイロットたちに愛用されたフライトジャケット。幾多のミッションを遂行する毎に馬革に刻まれていく深い皺の数だけ、その兵士たちのくぐり抜けてきた戦火の歴史を物語っている。そのため彼らにとってA-2は単なる装備品を超えた“戦友”であり、また今日まで生き延びてきた自分自身の“存在証明”でもある。

BUZZ RICKSON’Sの2022年秋冬コレクションでは、そんな当時のパイロットたちによるカスタムが施されたA-2をラインナップ。革を細かく切り刻んで作られたローカルメイドパッチやハンドペイントの部隊章、自身が搭乗する愛機や出撃回数を描いたバックペイントなど、強烈な存在感を放つ意匠に注目したい。

【Type A-2】CONTRACT No. W535 AC-23380 ROUGH WEAR CLOTHING CO.“AIR TRANSPORT COMMAND”

1941年12月に開設されたCBI戦域とは、チャイナ(中国)、ビルマ(現ミャンマー)、インドの頭文字から名付けられている。このA-2はそのCBI戦域にてインドからヒマラヤ山脈を超えて中国に向かう飛行ルートを飛んで物資補給を担った「エア・トランスポート・コマンド(ATC)」のパイロットが着用していたモデル。装着される部隊章の殆どはローカルメイド(現地製作)であり、革を細かく切り刻みパッチを手作業で作っていた。¥206,800_

【Type A-2】CONTRACT No. W535 AC-23380 ROUGH WEAR CLOTHING CO.“ 77th FIGHTER SQ.”

1918年に編成された第77戦闘飛行隊は、米空軍の中でも最も古い戦闘飛行隊の一つ。その戦闘任務は1945年まで続き、所属するパイロットはP-51“マスタング”を駆って、第二次世界大戦最後の襲撃の一つ、チェコスロバキアのプルゼニ攻略に参戦した。このA-2のパッチはトランプカードのエースを、パイロットとしての“エース”に掛け、部隊番号の“77”で挟み込んだ洒落たハンドペイントのデザインが特徴だ。背面には愛機P-51マスタングが描かれ、シルクハットとステッキが45回の出撃を果たしたことを表している。¥239,800_

【Type A-2】ORDER No. 42-18775-P BUZZ RICKSON CLO. CO. “457th BOMB. GROUP”

1943年7月にワシントン州で創隊した第457爆撃大隊は、第748、749、750、751の爆撃飛行隊から編成されている。創隊直後にB-17“フライングフォートレス”重爆撃機で訓練を開始し、海外派遣の準備に備えた。そして1944年元日にヨーロッパ戦域に向けて出発し、ドイツの石油精製所や航空機工場を爆撃する任務についた。フロントにはハンドペイントされた“火の玉部隊”第457爆撃大隊章がデザインされ、中には35回に及ぶ出撃回数がペイントされる。¥239,800_

【Type A-2】ORDER No. 42-18775-P BUZZ RICKSON CLO. CO. “460th BOMB. GROUP”

ブラックパンサーの愛称を持つ第460爆撃大隊は、第760、761、762、763の飛行隊から編成され、第15空軍の重爆撃隊の組織として1943年5月に創隊された。爆撃機B-24“リベレーター”で主にニューメキシコ州とユタ州で訓練を積み、1943年8月には地中海戦域の配備指令により海外任務に就いた。このA-2のペイントカスタムは、爆撃機が胸に描かれた当時としても珍しい1着。背中に描かれる「ナイトミッション」とは、夜の出撃任務と彼女との夜間デートを掛けた粋な言葉となっている。¥228,800_

【DATA】
BUZZ RICKSON’S(東洋エンタープライズ)
Tel.03-3632-2321
https://www.buzzricksons.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2022年12月号 Vol.88」)

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