アメリカのヴィンテージの革靴に魅せられ、それを再現する靴職人の渾身のコレクション。

  • 2022.06.30

ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ずコレクターが存在する。そのカテゴリーは細分化されており、デニムのようにメジャーなものから知る人ぞ知るニッチなものまで、奥深い世界が広がっている。そんな様々なジャンルのコレクターを、テーマごとにフィーチャーし、膨大なコレクションの中から厳選した逸品を紹介していくシリーズ。今回はアメリカのヴィンテージ革靴を再現する、靴職人のコレクションだ。

「ARCH KERRY」ディレクター・清水川栄さん

1982年生まれ。埼玉県出身。先輩からの誘いで、早稲田大学在学中の2001年より東京の神保町にある老舗の靴専門店、ミマツ靴店で販売員として働き始める。卒業後、そのまま就職しバイヤーとして世界各地のメーカーと携わる。そこで出会ったアメリカ靴の奥深さに魅了され、いつしかヴィンテージ靴の収集がライフワークに。

「シューレースを通していないことは、誰にも履かれていない証拠なので、そんなヴィンテージ品を見つけた時の喜びはひとしおです」と笑みを浮かべる。2013年より靴に特化したECサイト『レザーラウンドアバウト』を立ち上げ、2016年に独立。その豊富な知識を活かして、1950~ ’60年代のアメリカの革靴をオマージュしたブランド『ARCH KERRY』を立ち上げた。オーダーメイドモデルを主軸としながら、レディメイドモデルも展開する。

1.FLORSHEIM(フローシャイム)

1892年にイリノイ州シカゴで創業されたアメリカを代表する靴メーカー。その実績を買われ、二度の世界大戦時に米軍にシューズを納めた。1953年には当時の世界最大の靴メーカーに買収され、さらに企業価値を高めた。

1970s KENMOOR

ブランドを代表するモデル、ケンムーアは1960年に発売。ロングウィングチップの他に、プレーントゥ、Uチップが存在。白×ゴールデンハーベストというカラーリングだ。

1971 KENMOOR

ガンボートと呼ばれるスタイルが特徴。ウイングチップのイメージが強いがプレーントゥも存在。内側の印字から1971年製と推測。コードバンを使用。

2.NETTLETON(ネトルトン)

1879年に創業し、1980年代に倒産してしまったニューヨークのブランド。アメリカを代表する高級紳士靴としても有名で、ルーズベルト大統領も愛用した。実はローファーの商標登録を1934年に取得したメーカーでもある。

1954 ALGONQUIN

美しいシルエットで熱心な靴愛好家から絶大な支持を得ているVチップのアルゴンキン。中の印字が手書き。手縫いのモカシンのパテントを持っていたことでも知られる。

1960s Lot.0207

アメリカの紳士靴らしい重厚感のあるダブルソールのガンボートスタイル。シボの入ったスコッチグレインレザーもアメリカらしい。箱付きのデッドストックである。

3.JOHNSTON&MURPHY(ジョンストン&マーフィー)

1850年にイギリスからの移民であるウィリアム・ダドレーがニュージャージー州で創業。1884年に経営者が変わったことで、ブランド名をJOHNSTON&MURPHYに変更した。歴代大統領の靴を手掛ける名門としても知られている。

1960s ARISTOCRAFT

上品なモノトーンカラーが引き立つアリストクラフトのウイングチップ。ハイエンドラインで、職人が1足ずつ仕上げたモデル。アッパーはカーフとグレインレザーのコンビネーション。

1990s REGENCY

1990年代頃のハンドメイドシリーズ。スペード型のアウトソールでよりドレッシーな印象のウイングチップ。この意匠はJOHNSTON&MURPHYの専売特許だ。

4.ALLEN EDMONDS(アレン・エドモンズ)

多くのシューズメーカーがあるウィスコンシン州で1922年に創業。現在もMADE IN U.S.A.にこだわるブランドで、数々の著名人が愛用する。靴を一周するウエルトが、このブランドのグッドイヤーウエルテッドモデルの特徴。

1980s Brentwood

飾りのモカがアクセントになったVチップのモデル。色味の深い茶色は、ブランドではブラウンヘザーカーフというネーミングで販売されていた。デッドストック。

1960s MacNeil

アメリカらしいダブルソールのガンボートスタイル。ヒールの固定に釘を使っていないことを表示するNailessがインソールにプリントされている。360度グッドイヤーウエルテッドモデル。

5.まだまだある渾身のコレクション

現在はアメリカ靴に特化して集めており、デッドストックまたはミントコンディションのみ購入するのがこだわりという清水川さん。まだある希少なコレクションの一部をご紹介。

FRENCH SHRINER & URNER|1950s

1881年にマサチューセッツ州で創業されたメーカー。イエローのスエードを使ったモンクストラップ。セメンテッドでリゾート仕様のモデルだと思われる。

MASON|1950s No.223

GLAZED KIDというキッドスキンのガラスレザーを使用。ベルベットイージーというクッションインソールを使っており、カタログでもセールスポイントに。

FOOTJOY|FOOT JOY 1970-’80s

今はゴルフシューズで有名な老舗メーカー。こちらはBARRIE LTD Bootersというショップ別注品。タッセルローファーにドレッシーなセミスペードソールの組み合わせ。

WEYENBERG|1970s

靴の聖地であるウィスコンシン州のメーカーで、デザイン性が高いのが特徴。カーフと白のヌバックを使ったコンビネーションのブラッチャーオックスフォード。

CLUTCHmagazine85号では他にもたくさんのコレクションを紹介している。そちらもぜひチェックしてみてほしい。

(出典/「CLUTCH2022年6月号 Vol.85」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部