【LA】建築家リチャード・ノイトラの自邸は、参考にしたくなるインテリアが満載。

  • 2021.10.26  2020.04.30

シルバーレイクエリアにある、ミッドセンチュリーモダンの時代に活躍した建築家リチャード・ノイトラの自邸「V.D.L. Research house」。毎週土曜日、11時から15時の間一般公開されています。

シルバーレイクの湖畔に佇む「V.D.L. Research house」。


賑やかなシルバーレイクの中心地からは少し離れ、自然豊かで静かなエリアにあります。緑に溶け込んでいて、どこまでが敷地かわからないほど。

プレートにも名前が刻まれています。
ここにはかつて、ノイトラと妻、息子が住んでいました、現在はCal Poly Pomona大学に寄贈され、建築学科の研究所になっており、バックハウスには教授が住んでいます。

メイン棟、バックハウス、地下の3パートで構成されており、メイン棟は1932年、バックハウスは1939年に建設されましたが、1963年に火事でメイン棟が燃えてしまい1966年に再建築されたものです。

入り口を入ってまず目に飛び込んできたのは、2階へ上がる階段の斬新なデザイン。階段が一段一段、上から吊るされており、まるで宙に浮いているよう。

階段を上がって2階のリビングスペース。窓に囲まれ、開放感溢れる気持ちのいい空間になっています。


ソファ、本棚など、家具の多くが備え付けになっていて、これは、空間をより広く見せるためのデザインなんだそう。本棚には住んでいた当時の本が並びます。

木目調のシックな室内に黄色のソファが映えますね。

同じ高さの本を並べがちですが、こうやってランダムに並べるとすごくセンスよく見えますよね。参考にしたいです。

鉄筋コンクリートとガラスによる構造とフラットな屋根で出来た、四角い形が特徴の建築様式をしています。インターナショナル・スタイルと呼ばれたこの様式は、1920年代までのアール・デコ様式などに見られた華美な装飾をなくし、合理的・機能的な様式を目指した世界共通の近代建築。ドイツで考案され、それ以降アメリカにおいてはカリフォルニアで最初に展開されたものです。
それが、ミッド・センチュリー期にカリフォルニア・モダンデザインとして大きなムーブメントを引き起こしたのですが、その背景にはオーストリアから移住してきたノイトラの存在が大きく関係していたと言われています。
ノイトラが、建築において最も重要と考えていたものは、「人」。人と自然を調和させるのが家であると考えており、家は「膜」であって「シェルター」ではないという考えから、膜で優しく覆うようなイメージでデザインしていたんだそう。だから、デザインと実用性、快適性を考慮した上で、本当に必要なものを見極め、ミニマムにデザインされています。



キッチンも備え付けのものが多く、まな板の右側に見えるのは、備え付けのジューサー。まな板も、カウンターにはまるようになっており、スッキリとした空間づくりに余念がありません。

また、キッチンについている木の扉を開けるとリビングと繋がり、機能的。

居室は、まるでビジネスホテルの一室のような、シンプルな空間になっています。

廊下は壁と扉の区別がつかないような、こちらもまたミニマムなデザイン。反対側の壁はガラスになっていて、パティオが見下ろせます。

木目の壁と広がるグリーンが対照的で、とても引き立っています。

家の中のスイッチさえも、モダン。



また、興味深いのは、家のいたるところにスイッチがたくさんあるところ。この時代にして、全てを電動で動かせるシステムにしたかったのだそう。

時代を感じる、温度計も。

そして3階部分もガラスで囲われた空間。ベランダに出るとシルバーレイクが見渡せて、とても見晴らしがいい。

こちらはパティオ。大きな木に見下ろされるようなスペースで、木陰になっていてとても気持ちがいい空間。

カーテンが、室内でなく外のパティオ側についている! 室内は屋外のように、屋外は室内のように感じるのは、きっとこういった細かな工夫があってこそ。随所にこういう面白い工夫があって、見ていて飽きない。

 毎週土曜は予約なしで見学可能。

当時の生活を思い浮かべながら、じっくりと見学できる「V.D.L. Research house」。毎週土曜、予約なしで見学することができ、また学生による解説も聞くことができるので、この日も多くの人が訪れていました。ぜひロサンゼルスを訪れたら、見学してみてほしいスポットです。

【DATA】
V.D.L. Research house
2300 Silver Lake Blvd, Los Angeles, CA 90039

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部