【LA】建築家リチャード・ノイトラの自邸は、参考にしたくなるインテリアが満載。

シルバーレイクエリアにある、ミッドセンチュリーモダンの時代に活躍した建築家リチャード・ノイトラの自邸「V.D.L. Research house」。毎週土曜日、11時から15時の間一般公開されています。

シルバーレイクの湖畔に佇む「V.D.L. Research house」。


賑やかなシルバーレイクの中心地からは少し離れ、自然豊かで静かなエリアにあります。緑に溶け込んでいて、どこまでが敷地かわからないほど。

プレートにも名前が刻まれています。
ここにはかつて、ノイトラと妻、息子が住んでいました、現在はCal Poly Pomona大学に寄贈され、建築学科の研究所になっており、バックハウスには教授が住んでいます。

メイン棟、バックハウス、地下の3パートで構成されており、メイン棟は1932年、バックハウスは1939年に建設されましたが、1963年に火事でメイン棟が燃えてしまい1966年に再建築されたものです。

入り口を入ってまず目に飛び込んできたのは、2階へ上がる階段の斬新なデザイン。階段が一段一段、上から吊るされており、まるで宙に浮いているよう。

階段を上がって2階のリビングスペース。窓に囲まれ、開放感溢れる気持ちのいい空間になっています。


ソファ、本棚など、家具の多くが備え付けになっていて、これは、空間をより広く見せるためのデザインなんだそう。本棚には住んでいた当時の本が並びます。

木目調のシックな室内に黄色のソファが映えますね。

同じ高さの本を並べがちですが、こうやってランダムに並べるとすごくセンスよく見えますよね。参考にしたいです。

鉄筋コンクリートとガラスによる構造とフラットな屋根で出来た、四角い形が特徴の建築様式をしています。インターナショナル・スタイルと呼ばれたこの様式は、1920年代までのアール・デコ様式などに見られた華美な装飾をなくし、合理的・機能的な様式を目指した世界共通の近代建築。ドイツで考案され、それ以降アメリカにおいてはカリフォルニアで最初に展開されたものです。
それが、ミッド・センチュリー期にカリフォルニア・モダンデザインとして大きなムーブメントを引き起こしたのですが、その背景にはオーストリアから移住してきたノイトラの存在が大きく関係していたと言われています。
ノイトラが、建築において最も重要と考えていたものは、「人」。人と自然を調和させるのが家であると考えており、家は「膜」であって「シェルター」ではないという考えから、膜で優しく覆うようなイメージでデザインしていたんだそう。だから、デザインと実用性、快適性を考慮した上で、本当に必要なものを見極め、ミニマムにデザインされています。



キッチンも備え付けのものが多く、まな板の右側に見えるのは、備え付けのジューサー。まな板も、カウンターにはまるようになっており、スッキリとした空間づくりに余念がありません。

また、キッチンについている木の扉を開けるとリビングと繋がり、機能的。

居室は、まるでビジネスホテルの一室のような、シンプルな空間になっています。

廊下は壁と扉の区別がつかないような、こちらもまたミニマムなデザイン。反対側の壁はガラスになっていて、パティオが見下ろせます。

木目の壁と広がるグリーンが対照的で、とても引き立っています。

家の中のスイッチさえも、モダン。



また、興味深いのは、家のいたるところにスイッチがたくさんあるところ。この時代にして、全てを電動で動かせるシステムにしたかったのだそう。

時代を感じる、温度計も。

そして3階部分もガラスで囲われた空間。ベランダに出るとシルバーレイクが見渡せて、とても見晴らしがいい。

こちらはパティオ。大きな木に見下ろされるようなスペースで、木陰になっていてとても気持ちがいい空間。

カーテンが、室内でなく外のパティオ側についている! 室内は屋外のように、屋外は室内のように感じるのは、きっとこういった細かな工夫があってこそ。随所にこういう面白い工夫があって、見ていて飽きない。

 毎週土曜は予約なしで見学可能。

当時の生活を思い浮かべながら、じっくりと見学できる「V.D.L. Research house」。毎週土曜、予約なしで見学することができ、また学生による解説も聞くことができるので、この日も多くの人が訪れていました。ぜひロサンゼルスを訪れたら、見学してみてほしいスポットです。

【DATA】
V.D.L. Research house
2300 Silver Lake Blvd, Los Angeles, CA 90039

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...