時代を超え、国境を越えて受け継がれていく、本当に価値あるものを知っている人。モノ選びにも妥協しない彼らの愛用品には、共通点がある――そのすべてに、ストーリーがあること。持ち主のライフスタイルやセンス、そして重ねてきたストーリーを物語る、“CLUTCH MAN”の愛用品を拝見していく。
今回は、ニューヨークを拠点にハンドメイドのオリジナルナイフを製作するマックスのアイテムをご紹介。
「ポギーラ」は、武骨なハンドメイドのナイフをメインプロダクツとするライフスタイルブランド。ポギーラのナイフの金属部分は昔の耕耘機に使われていたブレードをくりぬき、それを鍛造して仕上げられる。最後の仕上げを経て、パーツひとつひとつが美しく輝きだし、唯一無二の存在感を放つ。そうしてすべてハンドメイドで生み出された精悍なプロダクツは、ヨーロッパやアメリカのファッション展示会において、高い評価を受けている。
ポギーラを立ち上げたマックスは、ブラジルで生まれ、イタリア、ニューヨークと渡り歩いた経歴を持つ。世界各国の文化とカルチャーを幼い頃から肌で感じ、そこで磨いた感性が、彼のクリエーションの根源になっている。そんな彼が愛するプロダクツたちは、どんな基準で選ばれているのか。
「いわゆる大量生産で生まれたアイテムよりも、ひとつひとつに作り手の情熱を感じるモノが好み。だからこそ自分のプロダクツもひとつひとつがハンドメイド。使う素材も昔ながらのモノというのが信条。そんなスタイルだから、身の周りのアイテムもシンプルだけど、飽きることなくずっと愛せるモノが多いかな」
お気に入りのハットはヴィンテージではなく、友人でもあるイタリアのスーパー・デューパー・ハットのプロダクツ。彼らもハンドメイドにこだわったハット作りが信条のブランドだ。
リングはボリューム感のあるタイプが好み。愛用するこれは、彼と同じくハンドメイドにこだわってアクセサリーを製作するファイン・ライト・トレーディング製だ。
クラシカルなベストは彼のトレードマークのひとつ。アクセントにヴィンテージ・ナバホのシルバーでカスタムしているところが彼らしい。Tシャツの上にラフに着るスタイルが多い。
シンプルながらアイテム選びにこだわりが見えるスタイル。愛用するスウェードのブーツには、あえてオイルを塗って加工している。
幼少期から、シンプルだけどスペシャルなモノに惹かれるというマックスの趣向は、自身のプロダクツから身の周りのアイテムまで共通しているところがおもしろい。自分の好きなスタイルを変えることなく追い求めてきたことが、彼の身の周りのアイテムへも投影されているのだ。
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