“いまのソフテイル”ってどんなバイク? 鼓動感あふれるエンジンでヒラヒラ走るのが気持ちいい!!

1984年に誕生し、今年で40周年を迎えた長寿シリーズが「ソフテイル」だ。往年の「リジッドフレーム」のシルエットを忠実に再現したソフテイルフレームは、伝統的なクラシックスタイルはもちろん、チョッパーにも似合う、まさに革命的なモノだった。以降、40年という長きにわたって愛され続けてきた理由をさまざまな視点からあらためてひも解いてみよう。今回は現在のソフテイルがどんなバイクなのかに迫る!

名前の通りにストリートを軽快に走りたくなる‼

ソフテイル誕生から今年で40年を迎えたが、2018年にそもそものコンセプトを覆すようなフルモデルチェンジがなされたため、現行モデルは2世代目といえるだろう。では、いまのソフテイルはどんなハーレーなのか⁉ というワケで今回「ストリートボブ114」に試乗した。ルックスこそチョッパー的だが、排気量1868㏄の114エンジンを搭載したモデルの中でも装備が最もシンプル故にベーシックモデルといえる。

低いシート高に扱いやすいミッドコントロールのステップ、さらに腕をスッと前に出せばちょうどいい位置にあるハンドルなど、ポジションは身長171㎝のごくごく平均的な私の体格にぴったり。エンジンのフィーリングはほどよく粒々とした鼓動感が味わえる感じで、クルマを追い越そうと軽くスロットルを捻ればズババッ! と勢いよく加速。めっぽう速いワケではないが排気量に見合った十分なトルクがあって面白い。

だが、何より注目は車体の軽さ。シングルディスクブレーキでフロントフォークも正立と、正直装備は見劣りするが、そのおかげか人気の高い「ローライダーS」と車重を比較すると11㎏も軽い。事実、現行ソフテイルの中で最も軽いモデルなのだ。加えてフロント19インチ、リア16インチという「スポーツスター」や「ダイナ」が採用してきた往年のホイールサイズによって、リアタイヤに直接乗るようにどっかりと体重を預け、1輪車のような感覚でヒラヒラと曲がる、いわば“昔ながらのスポーティなハーレー”のようなハンドリングが堪能できる。

この操縦性と114エンジンのトルクフルなフィーリングとのバランスが絶妙で、とにかく走るのが楽しいのだ。実際都内の混雑した街中を走ったが、ヒラヒラと車線変更しながら走るのが面白かった。現行ソフテイルは、モデルごとに操縦性が異なっているのだが、そんな乗り方がマッチするのは間違いなくこのストリートボブだろう。軽快に走りたいならコレに決まりだ。

ストリートボブ114

余計なモノを徹底して排除し、短くカットしたデザインのリアフェンダーや高さのあるミニエイプハンドルによって、ストリート感あふれるチョッパー風スタイルに仕上げたモデル。「ソフテイル スタンダード」に似ているが、こちらは排気量の大きな114エンジンを搭載。大排気量ならではの力強い走りが楽しめるほか、シンプルな装備ならではの軽い車重も特徴。114エンジン搭載ソフテイルのスタンダード仕様ともいえる。270万3800円(ビリヤードグレー)/274万6700円(ビビッドブラック)/276万1000円(バハオレンジ)/276万7600円(ブルーバースト)

排気量1868㏄の「ミルウォーキーエイト114」を搭載。プッシュロッド以外の部分をすべてブラックで統一して精悍な印象に仕上げているのも特徴だ。

モデルに合わせた専用トリプルツリーでディメンションを変更。ストリートボブはレイク角30度でトレール量はソフテイル最大の157㎜を確保する。

16インチのリアホイールを採用。ソフテイルの特徴でもあるトライアングル形状のスイングアームは、現行モデルからスリム化されバンク角が増えた。

フロントホイールは19インチを採用。フロントフォーク内にはデュアルベンディングバルブを採用して高性能サスに匹敵する減衰性能を実現。

ライダー身長 : 171㎝。ミッドコントロールのステップを採用しているほか、エイプハンドルもそれほど高くはないので実際のポジションは意外にもベーシック。車重も軽いので取り回しもイージーだ。

ドラッグレーサーのような見た目なのによく走る‼

だいぶ昔の話になってしまうのだが『クラブハーレー』誌の長期レポート車として2007年モデルの「FXSTCソフテイル カスタム」を購入し(会社が)、その担当者として乗り回していたことがあるので、ソフテイルにはちょっとうるさい私。普通のバイクならカーブの出口でスロットルを開ければスッと車体が起き上がってくるものだが、“ソフカス”は違った。どんどんカーブの外側へと膨らんでいってしまうのである! だからソフテイル……、特にリアタイヤが200以上のワイドサイズのモデルは、走るというより気分を楽しむという印象をもっていたのだ。

「ブレイクアウト117」は、リアタイヤに240という超ワイドサイズを採用したモデル。故に操縦性はソフカスのような“曲がらないモデル〟だろうと想像していたが、それは見事に裏切られることになった。

バイクにまたがると、やや遠く感じるドラッグバーと足を前に投げ出すフォワードコントロールのステップによって若干の前傾姿勢になるが、それほどキツい印象はない。取り回しもマスの集中による恩恵か、軽いと感じるほど。抱いていたイメージと違うことに拍子抜けしたが、実際に走らせてみると気になる部分もあった。

フォワードステップも問題なく操作できるのだが、残念なのがエルボータイプのエアクリーナーが足に当たってしまうこと。ちょうどスネの辺りに当たるため、ブレーキが踏みにくいのだ。だが、そんな小さなことが気になるのは、ブレイクアウトがよくできている証明ともいえる。昔のハーレーは、些細な不満は当たり前、そんなのは乗り手が上手いことやるものだった。しかしブレイクアウトはとてもよく走る。排気量の大きな117エンジンはかなり速く、街中では持て余してしまうほど。加えてワイドなタイヤながらヒラヒラと走れる軽快さをも持ち合わせているのだ。

さすがに上で紹介しているストリートボブと比べれば曲がらないが、旧型ソフテイルと比べれば“普通のバイク”といってもいいほどニュートラル。240のワイドタイヤ、そしてロー&ロングのシルエットでありながら普通に走る。これにはちょっと感動してしまった。ドラッグレーサー級の〝直線番長〟を思わせるブレイクアウト。それを思いのままに走らせる、そんな優越感が楽しい。でも見た目よりずっと乗りやすいんですよ。

“直線番長”を従えて走らせる、ほかにない優越感!!

ストリートボブ117

リアタイヤに240㎜という極太サイズ、そしてフロントホイールに21インチの大径サイズを採用。フォークを大胆に寝かせたロー&ロングなフォルムが特徴。ドラッグバーと呼ばれる一文字のハンドルと足を前方に投げ出すフォワードステップといったカスタムマシンさながらのルックスから日本で高い人気を誇る。334万1800円(ビリヤードグレー)/338万4700円(ビビッドブラック)/340万5600円(ホワイトオニクスパール、ブルーバースト、アルパイングリーン)

排気量1923㏄の「ミルウォーキーエイト117」を搭載。エアクリーナーはパフォーマンスを予感させるエルボータイプを採用。エンジンはクロム仕上げで豪華な印象。

専用のトリプルツリーを採用し、レイク角34度でソフテイルの中で最もフォークが寝た設定となっている。トレール量は145㎜。また、個性的なLEDライトも特徴。

ライダー身長 : 171㎝。フォワードステップはやや遠いが、2023年モデルから高い位置になったハンドルによってポジションはそれほどキツくない。リアブレーキ操作時はスネがエアクリーナーに干渉。

フロントホイールには大径の21インチを採用。タイヤサイズは130とリアに負けない太めを履く。ホイールデザインは2023年モデルから変更された。

このモデルの個性にもなっている240㎜という極太なリアタイヤ。幅広な後輪に合わせてフレームは「ファットボーイ」と同様シート下がワイドなタイプを採用する。

(出典/「CLUB HARLEY 2024年10月号」)

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
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ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
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