「ゴムじゃないダイバーズウォッチ」 レザーベルトとダイバーズの邂逅が実現した!

12月15日より受注開始となる「NAVAL WATCH×Bark Outsiders」というスペシャル・ウォッチについてご紹介しよう。

「NAVAL WATCH×Bark Outsiders」とは?

「ミニマル、シンプルで本質的な物が少しだけあれば良い」というポリシーの元、日本のモノづくりを背景にした本質的な素材や作りとオーセンティックな雰囲気を備えたアイテムを提案するブランド【Bark Outsiders】。同ブランドがタッグを組んだのは、1800年代にスイスのオリブ市で生まれた腕時計ブランド の【NAVAL WATCH】だ。ヴィンテージやミリタリーをデザインモチーフとしたウォッチコレクションを数多く展開している老舗ということもあり、時計としてのクオリティは担保されている。

スペシャルモデルのモチーフとなったのは、Bark Outsidersのデザイナー森田氏が愛した1965年に発売されたSEIKO 1st DIVER。現在までに他ブランドからも幾度となく復刻されている名作だが、いずれもそのお値段は30万円をゆうに超える高価な腕時計ばかり。そんな中、1st DIVERのデザインを忠実に再現しながらも、どのように再定義したかが、今回注目すべき視点だと言える。

スペシャルコラボウォッチのディテールについて

まずは、気になる時計本体のディテールについて触れておこう。

・形状的として無駄がない、そぎ落とされたシンプルなフローライン

・ドーム型のサファイアガラス風防で3時位置にリューズがあることで、ドレスウォッチのような柔らかさとシンプルなデザインも特徴的

・チャコールグレーの文字盤の中に夜行塗料を施した幅広のスクエアインデックス。直線的な時分針が相まって、独特の存在感を放っているのがお分かり頂けるだろう

・裏ブタの機能表記もオリジナルレイアウトを参考にしており、男心をくすぶる

ダイバーズウォッチなのにレザーベルトというミスマッチに託した思いとは?

本企画では、1stダイバーを再現するべく、ステンレスケース、インデックス、時分針に至るまで、すべてオリジナルで制作したというから驚きだ。

ただし、僕がこの時計について驚いた点は、決してモノづくりやそれに付随するディテールワークだけではない。ミリタリーウォッチをオマージュした腕時計は数多く存在する中、「ダイバーズウォッチをファッションとして取り入れたい」という森田氏の考えそのものにこそ、本質的な驚きを感じた。

それを裏付けるのが、あえてゴム製のベルトではなく、レザーベルトである点。当然だが、本来ダイバーがレザーベルトの時計を身につけて海に潜ることはない(笑)。レザーベルトを採用した点は「海に潜る」というダイバーズウォッチの本来的な用途とは対極にある。そこで氏の発言に振り返ってみると、ダイバーズウォッチならではの丈夫さや機能性、普遍的なデザインをLevi’sのデニムパンツ「501」に例えていたことに思い当たった。つまり、「ダイバーズウォッチもデニム同様に経年変化を楽しみ、末永く愛するパートナーだ」というメッセージをこのレザーベルトに込めているのではないかと思ったのだ。

ダイバーズウォッチを愛する人なら、ジャケット着用時にレザーベルトに換装して合わせてみたいと思った経験があるはず。レザー製NATOベルトの装着を想定し、わざとばね棒の位置を少しずらして、腕と時計が馴染むような工夫もされている仕様もスキがない。

森田氏なりのSEIKO 1st DIVERへの愛、日本のモノづくりへのリスペクトを感じると共に、いまや希少な「SEIKO 1st ダイバーズ」という名作時計を知らない人にも、その魅力を知ってもらいたいというメッセージがこのプロダクトには宿っているようにも感じた。時計マニアならずとも要チェックだ。

NAVAL WATCH × BARKOUTSIDERS collaboration
“HOWL001”
上代:¥121,000
受注開始:12/15より(2-3月納品予定)
販売店:WAIPER・ZABOU・CITRON・NAVALWATCH・BARKOUTSIDERS( WEB予約可能店舗もあり)
数量:限定100個

Spec.
ケース径:38mmケース
トップ:ヘアライン仕上げ
サイド:ポリッシュ仕上げ
ラグ幅:20mm
生産国:日本製
SEIKO社 機械式自動巻きムーブメント NH35

この記事を書いた人
黒野 智也
この記事を書いた人

黒野 智也

ブレザー偏愛家

1985年生まれ、神戸出身。J.PRESS&SON'Sの立ち上げから携わり、現在はショップディレクター。コラボや別注などのほか、マーチャンダイズ、生産管理、企画・バイイング、イベント立案、PR、店頭での接客まで担当。趣味のカメラを活用し、自社ブランドのみならず、他ブランドのルック撮影やイメージヴィジュアルにも携わる。アメリカントラディショナルの普及のため、様々な“ブレザー・スタイル”を啓蒙する@blazer_snapも主宰。
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