8.鞣し
皮から不要な成分を取り除き、薬品を使って柔軟性・耐久性をもたせる加工である。
【タンナーの主要な機械①】ピット層
鞣しの工程で不可欠な鞣しのための薬品が入った槽。ここに下処理の終わった原皮をつけ込むことで、“皮”を“革”にする。
【タンナーの主要な機械②】タイコ
まだ骨や毛のついた皮を投入して洗浄するための機械。洗浄後は石炭とアルカリの相互作用によって毛を毛根から溶かす。
タンニン鞣し
植物の樹脂などから採取できるタンニンを主成分とした鞣剤を使用。
クロム鞣し
タンニンの代わりにクロムという化学物質を鞣剤に使用した方法。
混合鞣し
タンニン鞣しとクロム鞣しの両方で鞣す方法。コンビ鞣しともいう。
9.モカ縫い
ローファーの真髄ともいえるモカ縫いについて知れば、革靴選びがもっと楽しくなる。
被せモカ
モカ革が甲革に覆い被さるように縫い合わされた、最もカジュアルなルックスの縫い方。
拝みモカ
甲革とモカ革を裏面同士で合わせてつまみ上げるように横から縫い合わせる定番の方法。
乗せモカ
一枚革をつまみあげて縫い付ける手法。モカ革同士を縫い合わせていない装飾的な意匠。
10.靴紐の結び方
実は靴紐の結び方には様々な種類があることを知っているだろうか。なかでもオーバーラップとアンダーラップはカジュアルな印象で外羽根の靴と相性がよく、対してシングルとパラレルは上品な印象で内羽根の靴と相性がいい。それぞれの特徴を踏まえて選ぶべし。
OVERLAP(オーバーラップ)
まずは靴紐の両端を、最前列のアイレットに上から通す。あとは前列から後列に向かって左右交互に上から通していくだけ。もっともメジャーな結び方で、緩みにくいという長所を持つ。
・カジュアルで外羽根と相性がいい
・シューレースが緩みにくい
UNDERLAP(アンダーラップ)
両端を最前列のアイレットに下から通す。オーバーラップ同様、後列に向かって左右交互に下から通していく。緩みやすいが、履いているときに解けても紐の両端を引けば簡単に締まる。
・カジュアルで外羽根と相性がいい
・シューレースが緩みやすい反面、締めやすい
SINGLE(シングル)
両端を最前列のアイレットに上から通したあと、内側の紐を外側の最後列に通す。そのあとは、外側の紐を左右交互に螺旋状に巻いていけばOK。緩みやすいが、とにかくシンプルで簡単。
・ドレッシーで内羽根と相性がいい
・工程がシンプルで簡単
・シューレースが緩みやすい
PARALLEL(パラレル)
まず内側の紐を外側2列目に通したあと、外側の紐を内側3列目にひとつ飛ばして通す。その後外側の紐を内側2列目に通し、その紐をひとつ飛ばして外側4列目に通す。これを繰り返す。
・ドレッシーで内羽根と相性がいい
・工程がやや複雑で難しい
・シューレースが締めづらい反面、緩みづらい
※情報は取材当時のものです。
(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)
Photo/Yuco Nakamura, Yoshika Amino Text/Kiyoto Kuniryo, 2nd Magazine
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